中島大輔のレビュー一覧
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2023年のWBCは日本中で大いに盛り上がり、大谷翔平らと同じ先発投手陣の一角を担った山本由伸。2021年、2022年シーズンでは、2年連続の投手四冠を達成、沢村賞と最優秀選手賞にも選ばれ、オリックスバファローズの日本一にも貢献した。2022年オフには推定年俸も球界最高に到達し、来年はメジャー挑戦ともささやかれる山本由伸。
著者の中島大輔氏は、野球を中心としたスポーツ全般の旧態依然とした、精神論や経験主義、指導者のハラスメントにも警鐘を慣らすジャーナリストとして地道に活動を続けている。今回は山本由伸の野球人生をふり返り、山本由伸の独自のトレーニング方法や強靱なメンタリズムを紐解く。少なくな -
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著者の中島大輔氏の前著「野球消滅(新潮新書)」で指摘している通り、野球は競技人口の減少に歯止めがかからない。その要因は一概には言えないが、「野球はお金がかかる」、「お茶当番など親の負担が大変」などの問題が指摘されている。一方で、指導者側の問題として、①選手への過負荷による故障や怪我、②ドカ食いの強要、③怒号罵声、④エゴイズムによる勝利至上主義など、旧態依然とした体質は、旧大日本帝国軍人の精神論が引き継がれているようにも感じられる。一方で、サッカーの競技人口は安定し、人気を博している点など、今後の野球を含めたスポーツはどうあるべきか。
本著は、プロ野球のFA宣言について、歴史的経過など議事録 -
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1995年時点での日本のプロ野球=NPBと、
アメリカのメジャーリーグ=MLBの収益
はどちらも1400億円と同程度でした。
しかし2018年では、NPBが1800億円で
あるのに対して、MLBは何と1兆円を超え
ています。
この差は何なのか。
NPBも増えている、と言えるかもしれない
ですが、巷間言われていように少子化に
加えて、野球人口も減る一方です。
野球に限らずどんな競技でもアマチュアの
裾野が広くならなければ先細りが目に見え
ていることは素人でもわかります。
では本当に野球に関してはアマチュア人口
は減っているのでしょうか。甲子園は人気
ですし、単なる都市伝説では?と思って -
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FA制度を導入に動いた方にしっかり取材されていて、とてもわかりやすく、また読み物としても面白かった。本書でも述べられているが、制度導入時に選手側の考慮が足りなかった部分も大きく影響していたのだろうと思う。実際、制度導入に関わった選手の話は殆ど出てこず、球団側の人の話が殆どだった。
元広島の木村昇吾氏の取材が自分も知っている出来事だったので1番面白かった。「身の程を知らなかったから知りたかった」、「このままジョーカーとしてのプロ野球人生で良いのか」という趣旨の話にちょっとぐっと来た。この意識って何をするにしてもかなり大事だと思う。
まずは通して読んだので、改めてじっくり読みたい。それに加えてファ -
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すごいドキッとするタイトルで気になったので読んでみた。
これは単なるプロ野球のことだけではなく
今日本のプロアマ、小中高生、社会人全ての世代を含む
「野球」の危機を書いていると思う。
少子化の問題もさることながら
指導法も今現実的に球技人口が減り続けていることの危機感の無さ。
他のスポーツももちろんだけど
特に野球(硬式軟式共に)をやるという人数の下り幅のなんと多いことか。
そして取り仕切っている企業や団体の方向性の違いが
そのまま直接若い世代(小中高生など)にダイレクトに問題になってて
俗に言う「大人の事情」に振り回される、振り回され方が酷い。
私も野球ファンだが、今の現状を叩きつけられてい -
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御多分に洩れず2024年からの、にわか野球ファン。もちろんドジャースの大谷くん推し。
ところが、今年の連覇に際し、大活躍の山本由伸くん!
知れば知るほどに興味が沸いた。どうしてワールドシリーズに三戦も投げることができたのか?
どうして、名だたるメジャーリーグの大選手たちがあれほど熱狂し山本を讃えたのか?
時々山本の記事を書いてたスポーツライターの本を見つけた。それがこれだ。
なんと高校からプロ野球に入り、わずか2年目に自分の等級を見つめ直し、どうすれば自分の理想像に近づくか?
追い求めた山本は、今の恩師矢田修氏に出会う。
彼がプロ野球界の関係者に賛同されなかった今の方法に行き着いたか -
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野球界の見通しは暗い。少子化もあるが競技人口の減少、特に少年野球。サッカーと異なり協会それぞれバラバラの野球界の現状を斬る。
50代に手の届く自分。子供の頃の遊びは野球。公園、空き地、河川敷など場所はあったし野球中継を見て憧れる選手がいた(中日の田尾)。気がつけば今では球技禁止の公園ばかりだし少年野球チームもお茶くみなどの当番と費用からだろう、野球をやる子供は減少している。サッカーの方が子供には人気がある。
一方では100回目を迎えた甲子園。観客動員数は新記録だったという。この落差。甲子園からプロ野球を本気で目指す一部の子たちだけのスポーツになっている。小学生から硬式野球をやる子が増えてい -
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近年の日本プロスポーツ界に参入したサッカーやバスケットボール界は、下部組織を含めて多くのチームが競い合い、選手の流動化、代表チームの強化で盛り上がっている。年々、着実に進歩していることがよく見える。
その一方、歴史ある野球界はどうか。トップリーグであるNPBはチーム数がずっと固定され、FA制度などの選手の移動も盛り上がりに欠ける。日本代表チームも辞退者が多い。さらには、競技人口も減少している。
このまま野球人気は衰退し、消滅してしまうのか。小学生野球から軟式野球、甲子園、そしてプロ野球とあらゆる野球階層の取材を通して、著者は消滅しつつある日本野球界の現状とその対策を分析する。
本書を読み -
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<目次>
第1章 プロ野球ビジネスが成り立たなくなる日
第2章 消える野球少年
第3章 二極化する高校野球の行く末
第4章 「プロアマの壁」は崩れていない
第5章 学童野球の闇
第6章 野球村に必要なアップデート
<内容>
近年、野球帽をかぶった少年を見かけなくなった。公園でキャッチボールする少年たちも。高校野球では、大船渡高校の佐々木投手の話題で持ちきりだ(本番の大会は今一つ盛り上がりに欠けている)。プロ野球も面白くない。地上波の放映もほとんどなくなった。本によれば、MLBも興味を持っている層(野球を見ている層)の平均年齢は53歳だそうだ。彼此岸ともに同じ傾向か…。野球少年の数