あらすじ
団野村氏、推薦!
「この本を読んだすべての選手たちに、自らの権利に目覚めてほしい」
制度施行から27年。
現実からの乖離が叫ばれる「FA制度」をどう改革すればいいのか……。
——選手の流動化は球団にとってマイナスではない。
抜本的な「FA改革」が生み出すその潮流こそ、プロ野球界にプラスの循環をもたらす最大の鍵なのだ。
9割の選手が「宣言しない」、その真相に迫る!!
【目次】
プロローグ
第1章 「フリーエージェント制度」導入の舞台裏
第2章 “プロ野球村”の掟とパ・リーグの遠謀
第3章 選手会主導で「現役ドラフト」を制度化すべし
第4章 “踏み絵”を踏んで変わった男の人生
第5章 いま進むべきFA改革への道——団野村の証言
エピローグ
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Posted by ブクログ
取材力や考察など流石のクオリティ。
選手の立場から、ファンの立場から、球団の立場からら、今のFA制度が良いのかどうか考えさせられる。
選手からするも守られてるとも言えるし、ファンの立場からすると戦力均衡にも繋がるし、球団からすると余計な交渉をする手間が減るとも言える。
ただ、人材が流動化する方が全体としてのパフォーマンスも上がる気がする。
現状のやり方は日本経済を見ているような気がして、なんとも言えない。
Posted by ブクログ
著者の中島大輔氏の前著「野球消滅(新潮新書)」で指摘している通り、野球は競技人口の減少に歯止めがかからない。その要因は一概には言えないが、「野球はお金がかかる」、「お茶当番など親の負担が大変」などの問題が指摘されている。一方で、指導者側の問題として、①選手への過負荷による故障や怪我、②ドカ食いの強要、③怒号罵声、④エゴイズムによる勝利至上主義など、旧態依然とした体質は、旧大日本帝国軍人の精神論が引き継がれているようにも感じられる。一方で、サッカーの競技人口は安定し、人気を博している点など、今後の野球を含めたスポーツはどうあるべきか。
本著は、プロ野球のFA宣言について、歴史的経過など議事録による記録がないなかで、当時の関係者や当事者から丹念なヒアリングを行い、歴史的経過を追って検証する。そして、日本国憲法第22条第1項で保障されている「職業選択の自由」が極めて限定されている現在のプロ野球選手の「職業選択の自由=球団選択の自由」について、FA宣言の課題や問題点、アメリカのFA制度との対比も含めて、広く論じている。プロ野球を含めた野球全体の課題を検証し、誰もが楽しめる野球の将来展望を考える
Posted by ブクログ
ファンの方にも制度導入の背景など新しい視点で楽しめると思いますが、選手も球団フロントもリーグスタッフも、スポーツビジネスに関わる全ての方に参考になると思います。
もっと当事者意識と危機感を持って、より良い業界にしていきたいですね。
Posted by ブクログ
FA制度を導入に動いた方にしっかり取材されていて、とてもわかりやすく、また読み物としても面白かった。本書でも述べられているが、制度導入時に選手側の考慮が足りなかった部分も大きく影響していたのだろうと思う。実際、制度導入に関わった選手の話は殆ど出てこず、球団側の人の話が殆どだった。
元広島の木村昇吾氏の取材が自分も知っている出来事だったので1番面白かった。「身の程を知らなかったから知りたかった」、「このままジョーカーとしてのプロ野球人生で良いのか」という趣旨の話にちょっとぐっと来た。この意識って何をするにしてもかなり大事だと思う。
まずは通して読んだので、改めてじっくり読みたい。それに加えてファン目線で何かできることってないのか少しぐらいは考えてみようと思う。