小野正嗣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日曜美術館でお馴染みの小野正嗣さん。
小説のほうは、今回が初めて。
表題作以下、「ウミガメの夜」「お見舞い」「悪の華」と、短編が四本。
どれも大分県の海辺の田舎町、佐伯市が舞台となっている。
最初は偶然舞台が同じなのかと思っていたが、緩やかにつながった四作ということらしい。
表題作は、カナダ人男性との間に男の子を設けるも、捨てられて故郷に戻ってきたさなえという女性を主人公とする。
彼女の四歳の息子は、美しい顔立ちをしているが、おそらくコミュニケーションの力に障害がある。
息子に手を焼きながら、一方で無神経な母親の言動にも傷つけられる。
過去にカナダでの研修で一緒になり、やはり育てにくい息子 -
Posted by ブクログ
芥川賞受賞作の表題作を含む4編が入る。連作というのか登場人物が重なる短編集。危惧したとおりでやっぱり芥川賞受賞作って何が言いたいのか、何を描いているのか読み解くのが難しかった。
小野さんは大分県の現・佐伯市の出身で、4編ともそのあたりが舞台になっている。自分にとっての小野さんのイメージって「日曜美術館」の司会をしてたり、そのときのファッションとか見ても都会的でややクセのある人という感じだったので、大分の田舎町が舞台というのは意外な感じだった。
巻末に芥川賞受賞時のスピーチが載っていて、そこでは小説のなかの登場人物のモデルであろう亡兄への感謝が語られていて、それがよかった。都会的なイメージ・印 -
Posted by ブクログ
ええーと、これは無理。小説世界うんぬん以前に音読できない。おれがなぜ日本人の若手〜中堅作家の本を読まないかって、音読できない作品が多すぎるから。おれはストライクゾーンが広いはずだけど、中身に入る以前にリズムが整ってない小説だけは苦手で、別にそのリズムは村上春樹エピゴーネンとか江国香織エピゴーネンとかのダサいリズムでも、今までにないカッコいいリズムでもなんでもいいんだけど、一定のリズムを刻んでくれないと読めない。翻訳小説って実は日本語が優秀で、翻訳文が読みづらいっていう人は文とか話のつながりが見えないってことだけど、ちゃんとした翻訳家を選んで読めば下手な日本語には出会わない。こっちのほうがよっぽ