小野正嗣のレビュー一覧

  • ファミリー・ライフ

    Posted by ブクログ

    インドから移民としてアメリカに渡った家族は素晴らしい生活が待っていると期待していた。しかしプールで怪我をし脳に損傷を受けて寝たきりになってしまった頭の良い長男を家族全員で介護することになる。しかしそのストレスはものすごいもので、父はアル中になり、母は息子だけでなくそんな夫にもストレスをため夫婦はけんかが絶えない。主人公は寂しさや孤独を感じながらも成績が優秀だったためプリンストン大学へと進み、そんな家族から離れた生活を始める。彼は大人になりお金を稼ぎ、両親と兄を助ける。作家の自伝的小説である。

    0
    2020年02月24日
  • 九年前の祈り

    Posted by ブクログ

    日曜美術館でお馴染みの小野正嗣さん。
    小説のほうは、今回が初めて。

    表題作以下、「ウミガメの夜」「お見舞い」「悪の華」と、短編が四本。
    どれも大分県の海辺の田舎町、佐伯市が舞台となっている。
    最初は偶然舞台が同じなのかと思っていたが、緩やかにつながった四作ということらしい。

    表題作は、カナダ人男性との間に男の子を設けるも、捨てられて故郷に戻ってきたさなえという女性を主人公とする。
    彼女の四歳の息子は、美しい顔立ちをしているが、おそらくコミュニケーションの力に障害がある。
    息子に手を焼きながら、一方で無神経な母親の言動にも傷つけられる。
    過去にカナダでの研修で一緒になり、やはり育てにくい息子

    0
    2019年12月14日
  • 九年前の祈り

    Posted by ブクログ

    熊本出身、安藤さなえ、35歳。
    母は沖合の文島出身。
    息子、希敏(フレデリックとの息子ケビン)。
    渡辺ミツ(みっちゃん姉)。
    9年前、町の企画のカナダ旅行。息子が買ってくれた赤いリュック。
    教会でひざまずいて真剣に祈る。
    息子が大分の病院で脳腫瘍で入院。さなえはお見舞いに行くことに。
    厄除けになるという文島の貝殻と砂をお土産として取りに行ったが、
    希敏が落としてしまう。

    0
    2019年10月27日
  • 九年前の祈り

    Posted by ブクログ

    芥川賞受賞作の表題作を含む4編が入る。連作というのか登場人物が重なる短編集。危惧したとおりでやっぱり芥川賞受賞作って何が言いたいのか、何を描いているのか読み解くのが難しかった。
     小野さんは大分県の現・佐伯市の出身で、4編ともそのあたりが舞台になっている。自分にとっての小野さんのイメージって「日曜美術館」の司会をしてたり、そのときのファッションとか見ても都会的でややクセのある人という感じだったので、大分の田舎町が舞台というのは意外な感じだった。
    巻末に芥川賞受賞時のスピーチが載っていて、そこでは小説のなかの登場人物のモデルであろう亡兄への感謝が語られていて、それがよかった。都会的なイメージ・印

    0
    2019年01月27日
  • マイクロバス

    Posted by ブクログ

    山陰の寂しい光景。深く傷を負いじっともの言わぬ男、すれ違い続けた母と子。狂言回しのベテランヘルパーの存在が、リアルのにおいとファンタジーを違和感なく融合させている。

    0
    2018年10月18日
  • 残された者たち

    Posted by ブクログ

    登場人物が皆、それぞれの役割をきっちりと演じているような感じがして、それでもその役割の中でどうにかして幸せであると言い聞かせているみたいだ。
    2018/10/14

    0
    2018年10月14日
  • 九年前の祈り

    Posted by ブクログ

    初小野。芥川賞受賞作。表題作。ま、偏見だが女性が描きそうな内容に感じました。希敏は障がい者なのだろうか?そんな子を何処か憎みながら接している母・さなえ。みっちゃん姉他、おばさんたちはよう描けていましたw 他全四篇は同じ場所を舞台にした作品集のようだ。付録の文章を読み「嗚呼、だからか…」と、この何とも云えない重い気持ちの原因は。人生が生き写しのように描かれていました。

    0
    2018年06月19日
  • ファミリー・ライフ

    Posted by ブクログ

    兄の事故が起こってから人生が一変してしまった家族のお話。移民が題材の本が割と好き。
    きっ母国語ではない英語で書かれた本だから
    簡潔な文章で分かりやすいのだろう。
    それでいて美しく瑞々しい。
    訳も素晴らしい。
    そう言う要素が集まって作品が上質なものになってる。

    0
    2018年06月17日
  • 残された者たち

    Posted by ブクログ

    過疎化と高齢化によって限界集落となった地域に住んでいる5人の登場人物による奇妙な交流物語。
    ユーモラスなキャラクターははっきりしているものの、ファンタジーっぽいちょっと揺蕩うような心地よさのある物語。
    詳細に書かれた風景や心象の描写が美しい。
    繰り返し読んでみなければ理解しにくい小説かも。

    0
    2017年03月13日
  • 残された者たち

    Posted by ブクログ

    限界集落の話で、人口も少なく寂しさを感じさせたり、子供の秘密基地ーー夢を感じたり、隣の村のガイコツジンことエトー君って一体……。
    物語、云々、情景を感じさせてくれる小説で景色が浮かんできた。
    ただ少し読み手に想像させるようなことが多かった気がした。

    0
    2016年07月01日
  • マイクロバス

    Posted by ブクログ

    なんかねー。
    不思議な読み物だったりしてる?これ?

    なんかねー。
    なんかしっくりくるよな、こないよーな。
    どう、読み解いていいんだか、
    別に解かなくてもいいんだろけど、さー。

    なんかねー。新鮮な分
    読み進めやすいとこもあるんだけどさー
    なんか抵抗するカンジもあったりしてさー。

    どう感じたなんて自分でもよくワカランチン。
    だから中途半端な3つ星。

    0
    2015年12月18日
  • 残された者たち

    Posted by ブクログ

    いわゆる限界集落の小学校に通うたった一人の児童と女性教師。ふたりを中心に限られた生活圏であまりにも近い関係におかれた人たちのファンタジックなお話。不便な環境であるはずなのに登場人物がみな善人で幸せそうだ。

    0
    2015年07月11日
  • マイクロバス

    Posted by ブクログ

    「人魚の唄」はセツコとナオコ婆の物語だが,昔の話が複雑に絡んで幻想的な雰囲気ともどかしい現実が進行する.表題作は知恵おくれの信男とヨシノ婆が昔と今を行き来する少し入り組んだ話だ.どちらも淡々と話が進む中で荒れ果てた小さな漁村の寂しさが感じられる.少し落ち込みそうな読後感を持った.

    1
    2012年06月17日
  • 森のはずれで

    Posted by ブクログ

    悪くないとおもうけどなあ。とっつきにく印象があるけど、少し我慢して付き合うとなかなかいい味がしてくる。

    0
    2012年01月08日
  • 森のはずれで

    Posted by ブクログ

    知り合いが「世界に対する漠然とした不安のようなものに共感する」と言っていた。イマイチ比喩表現のテンポに乗れなかったので読みにくかったが、時間軸がぐねぐね動く感じは面白い。難民が印象深い。

    0
    2009年10月04日
  • 森のはずれで

    Posted by ブクログ

    ええーと、これは無理。小説世界うんぬん以前に音読できない。おれがなぜ日本人の若手〜中堅作家の本を読まないかって、音読できない作品が多すぎるから。おれはストライクゾーンが広いはずだけど、中身に入る以前にリズムが整ってない小説だけは苦手で、別にそのリズムは村上春樹エピゴーネンとか江国香織エピゴーネンとかのダサいリズムでも、今までにないカッコいいリズムでもなんでもいいんだけど、一定のリズムを刻んでくれないと読めない。翻訳小説って実は日本語が優秀で、翻訳文が読みづらいっていう人は文とか話のつながりが見えないってことだけど、ちゃんとした翻訳家を選んで読めば下手な日本語には出会わない。こっちのほうがよっぽ

    0
    2009年10月04日