あらすじ
「九年前の祈り」で152回芥川賞を受賞した小野正嗣の原点。
異国の森のはずれに、幼い息子と住む「ぼく」。妻は第二子を出産するため実家へと旅立った。やがて森から不思議な物音が響き、次々に異形の者が現われる。妻は帰ってこない……。
在るべきものの不在、あり得べからざるものの出現、行くべき場所はなく、帰る家もない者の不安と焦燥、ささやかな慰藉。連作形式で描出される「奇妙な時間と空間の裂け目の中に生きる」父子は、私たちとどこか似てはいないか。新芥川賞作家、渾身の意欲作です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
言い回しが独特で難しい。
ただ、母親をいつまでも想う息子、それに応えたいけれどどうもできない父親の葛藤が不思議な現象とともに描かれているのは感じ取れた。まさか母子が失われてしまうとは。
近畿などの言葉が出てきているから日本人親子の話だが、 舞台は海外になるのかな。
Posted by ブクログ
時々わかりにくい表現はあったものの、妻と第二子がいなくなってしまうところは意外性があった
しかし小野さんの作品は毎回おっぱいへのこだわりがすごいのと、糞尿撒き散らす人物が出てくるのとで…最初病んでるのかと思った
Posted by ブクログ
知り合いが「世界に対する漠然とした不安のようなものに共感する」と言っていた。イマイチ比喩表現のテンポに乗れなかったので読みにくかったが、時間軸がぐねぐね動く感じは面白い。難民が印象深い。
Posted by ブクログ
ええーと、これは無理。小説世界うんぬん以前に音読できない。おれがなぜ日本人の若手〜中堅作家の本を読まないかって、音読できない作品が多すぎるから。おれはストライクゾーンが広いはずだけど、中身に入る以前にリズムが整ってない小説だけは苦手で、別にそのリズムは村上春樹エピゴーネンとか江国香織エピゴーネンとかのダサいリズムでも、今までにないカッコいいリズムでもなんでもいいんだけど、一定のリズムを刻んでくれないと読めない。翻訳小説って実は日本語が優秀で、翻訳文が読みづらいっていう人は文とか話のつながりが見えないってことだけど、ちゃんとした翻訳家を選んで読めば下手な日本語には出会わない。こっちのほうがよっぽどリズムがある。この小説は読点の打ち方が耐えられない。無理やり一個目と二個目を読んで挫折。本人見たことあるから間隔置いてもう一回だけ読んでみるけど。そして内容もなあ、なんで皆こういう世界が好きなんだろう??固有名詞のない世界って、すなわち特定できない世界を書く人っていっぱいいて、それは小川洋子とか素晴らしい人がいっぱいいるけど、やりゃいいってもんじゃない。・・・何にもこの小説のことを書いてないので、あとで補足。