唐戸信嘉のレビュー一覧
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誰もが知っているゴシックホラー。
1897年、100年以上も前の作品なのに読者を惹きつける魅力は健在。
複数人の手紙や日記を時系列順に並べたという作り。知らずに読めば全体像がなかなか見えないけれど、吸血鬼がどういうものか知っている私たち読者には「ああ!それって!」「やだなーやだなー」と心当たりがありまくり、ドキドキハラハラするしくみになっている。
冒頭はまるで旅行記。東欧を旅した時の感動を味わえる。ただ、作者自身は東欧へは行ったことがなく、全て想像で書いているらしいです。ありゃりゃ。でも、けっこうリアルに描かれている感じがします。知らんけど。
ひとつの舞台となる東欧はイギリスから見たら -
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ドラキュラ伯爵が長年の準備をして
トランシルヴァニアからロンドンに
やってくる!
不動産の手伝いをさせられた弁護士
ジョナサンが
命からがら逃げて戻ったところから
悲劇が始まる
血を吸われて吸血鬼となってしまった
美しいルーシーをきっかけに
集まる仲間たち
ルーシーの親友であり、
ジョナサンの婚約者であるミーナ
ミーナの看病で
元気を取り戻したジョナサン
ルーシーの婚約者のアーサー
アーサーの友人の精神科医ジョン
ルーシーに求婚するが振られる
アーサーの友人のアメリカ人クインシー
こちらもルーシーに求婚するが振られる
ジョンの恩師であるオランダ人
医学博士のヴァン
これらの登場人 -
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読みやすくて、あっという間の約800頁だった。
解説も含めたら800頁超え。
凄く面白かった。
誤記もあるけど丁寧な注釈で、地図もあり臨場感もある。
読み手をヴァンパイアハンターに導いていく構成といい最高に面白いエンターテインメントだった。
吸血鬼文学の金字塔でもあるけれど、古典文学に苦手意識を持つ方にも手に取りやすい内容と描写、訳だったと思う。
頁数は結構あるものの、ストレスフリーで読めるのが良い。
あまりにもハマり込んでしまったので、レファニュの「カーミラ」も買ってしまいました。
吸血鬼文学ってこんなにも面白かったのか!と初めて気付かせてくれました。 -
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200年近く昔の本、しかも文庫本で800ページを超える大作だが一気に読み終えた。救貧院で生まれたオリバー・ストーンの物語。今でいう孤児院だが、今とは比べ物にならないくらい劣悪な環境で、下層階級出身かつ親のいない子供は社会のお荷物で、「運河に捨てる方がマシ」などと言われていた時代。オリバーも、孤児院から売られ、親切な老人に助け出されるが、悪党一味に連れ去られる。その後、強盗の下働きで侵入した家で執事に撃たれ、怪我をするが、運よく家の令嬢に救われ、そこで事態が一変する。前半に仕込まれたいろいろな伏線が、最後の数章で一気に回収され、気持ちよく読み終えることができる。最下層の人々の生活を表現する上での
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途中、作者がオリバーをいじめるので、つらくて休み休み……つかの間の安らぎを手にしたときも、残りの長さを見ながら、あーこのまま幸せになるはずないと絶望したり(笑)。当時は連載だったから、先を見とおすなんてこともなく、読者は毎回胸をときめかせて読んだんだろうな。
わたしこれまで、ディケンズは、主に翻訳にはばまれて何度となく挫折してきたんだけど、これは本当に読みやすかった。と同時に、ディケンズのちょっともってまわった、皮肉と風刺に満ちた言いまわしや、ほろっとくるような描写なんかも堪能することができた。
ストーリーは、ある意味びっくりするくらいご都合主義なんだけど、この物語に関して言えば、予定調和 -
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厚いわ!850ページは上下巻に分けろや!( ゚д゚ )クワッ!!
失礼、取り乱しました
というわけで、ディケンズです
『オリバー・ツイスト』です
主人公はもちろんオリバー・ツイストなんだけど、出番がまぁまぁ少ない
題名にしたほどの主人公なのにまぁまぁ少ない
さて、どんなお話かって言うとですね
孤児のオリバーがおって、その周りに悪人陣営と善人陣営がいて、両陣営がオリバーを自分たちの方に引っ張り合う
ものごっついざっくり言うとそういう話
で、基本オリバーは超善人の魂の持ち主なので、ほっとくとすぐ善人陣営の方に行っちゃう
なので悪人陣営がもうあれやこれやとやってくるわけです
もう、この悪人 -
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思ったよりも登場人物が多く、プロットが複雑だった。
1837年の作品であり、もちろん現代から見れば陳腐だったりストーリーが読めてしまうところもあるのだが、それを差し引いても面白かったと思う。
翻訳もとても読みやすかった。
19世紀のロンドンの現実がすごく生々しく描かれていて、特に犯罪者や困窮者の住む暗く汚れた区域の描写が良い。
オリバーは主人公と呼べるような活躍はしない。
基本的に流されるにまかせるばかりだが、心の中に揺らがぬ善意を持っており、それが周囲の人々の動きに影響を与えているようである。つまりオリバーという対象物を巡る群像劇という感じである。
オリバーを守ろうとする人、オリバーを利 -
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ネタバレ名作かつ、自身が創作好きで特にドラキュラ伯爵概念が好きなのでずっと読みたかった一冊。
一度目買いに行った時本の厚みに慄いて断念しましたが、二度目にてトライ。
ボリュームがかなりありますがサクサク読める作品でした。
自分の今までのドラキュラ伯爵と原作は異なる点が多く、驚きや感心、ハラハラといった感情で読みました。
内容が登場人物の手記や手紙、書類などで構成されているため、ドラキュラ伯爵の動向が「登場人物の前に現れた時」にしかはっきり分からず、物語的には登場人物たちの「いつどこから敵が現れるからない緊張感」が伝わっていいのかもしれませんが、伯爵推しにとってはとてもモヤモヤしました。
外伝で伯爵 -
Posted by ブクログ
ネタバレ名前は知ってたけど、こんな話だったとは知らなかった。ミュージカルも見たことあったはずだけど、たまたま見たのが英語のままだったから、歌以外は記憶にない。
800ページ以上もあったので、まず、読み終えたのがすごい達成感。
このお話が展開したころ、日本はまだ江戸時代だった。訳にもよるだろうけど、その時代のものが古さを感じずに読めたのがすごいなって思う。まだ日本で小説が誕生する前。
最初に気付いたのが、イギリス的というか皮肉と思われるような修飾語が使われていたこと。
結構、登場人物が多いので、全員識別できるかな・・と心配していたけど、しっかり描き分けられてた。
悪人がぞろぞろ登場する割には、凶悪な