唐戸信嘉のレビュー一覧
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1. 文体の魅力:初々しさと、新しき「メタ的なユーモア」
主人公キャサリンの純粋さや無垢さがそのまま滲み出ているような文体で、非常に読みやすく、すんなりと物語に引き込まれた。
特に後半にかけて、筆者(語り手)自身がユーモアを交えながら、主人公の心情や物語の展開について作中で直接言及(介入)してくるような仕掛けが印象的。当時の文学の枠組みの中で、非常に斬新でモダンな試みだったのではないかと感じた。
2. 「空想と現実の境界」というテーマの面白さ
当時流行していた「ゴシック小説」が大好きなキャサリンが、そのダークで劇的な世界観をそのまま現実の日常生活に持ち込んでしまう、という構造をコミカルに風刺している点がユニーク。
「空想と現実の境界線をしっかり持つべきだ」という教訓・テーマ性としても、非常に興味深く読めた。
3. 多層的な読書の愉しみ(風刺の先にあるもの)
風刺というメインテーマに留まらず、登場人物それぞれの「性格の出方」が実に生き生きと描かれている点が何より面白い。
「この人は本当は裏でどう思っているんだろう?」と、行間の心理を想像しながら読む愉しさがあった。
同時に、当時のイギリスにおける階級制度、結婚観、家柄へのこだわり、社会の空気感や風俗・文化といったものが、物語を通じて立体的に知ることができる知的満足感も高かった。 -
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ゴシック小説に夢中のキャサリン。気になる男性ヘンリーの実家に訪問する機会を手に入れたと思ったら、そこはなんと「ノーサンガー・アビー(僧院)」だった。まさにゴシック小説の舞台!ヘンリーにもノーサンガー・アビーにも興奮するキャサリン。彼女が夢見るゴシック小説的展開は訪れるのか⁉︎そしてヘンリーとの恋の行方は⁉︎ってな話。
私は本当に恋愛小説には全く興味がないんだけど、ジェーンオースティンだけは別。「分別と多感」は楽しく読んだし、「高慢と偏見」は大好き。それもこれもオースティンの文章から漂う観察眼の鋭さとユーモアのせい。今回も楽しく、時には声に出して笑いながら読んだ。この作品には作者が顔を出して説明を始めるところがあるんだけど、それももう自分の大好物で楽しかった。と同時に、人間関係のいろいろは時代や国が違っても共通してるところがあるんだなとか、人間ってダメなところあるよなとか、人間について考えさせられながら読んだ。難しいってわけじゃないんだけど、考えちゃう。オースティンの観察眼の凄さだと思う。 -
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ネタバレ自分の話を誇張して話すナルシストなジョンみたいな人はどの時代にもいるね〜。
最初から最後までジョンは嫌な奴。でも彼がいなかったらこの物語は成り立たない。
厳格で冷静なティルニー将軍はキャサリンみたいな物事を多角的に見ず一喜一憂する人が苦手そうなのに、彼女に優しいのは何故なんだろう。
↑の謎は終盤に明らかになる。将軍も単純な人だ.....
妄想癖のあるキャサリンの暴走っぷりがノーサンガー・アビーに到着してから炸裂するのが面白い。オースティンもキャサリンを描くのが楽しかったのではないか。キャサリン、憎めなくて可愛い。
偏見にとらわれずに人、物事を多角的に見ることが大切だと改めて思った。
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厚いわ!850ページは上下巻に分けろや!( ゚д゚ )クワッ!!
失礼、取り乱しました
というわけで、ディケンズです
『オリバー・ツイスト』です
主人公はもちろんオリバー・ツイストなんだけど、出番がまぁまぁ少ない
題名にしたほどの主人公なのにまぁまぁ少ない
さて、どんなお話かって言うとですね
孤児のオリバーがおって、その周りに悪人陣営と善人陣営がいて、両陣営がオリバーを自分たちの方に引っ張り合う
ものごっついざっくり言うとそういう話
で、基本オリバーは超善人の魂の持ち主なので、ほっとくとすぐ善人陣営の方に行っちゃう
なので悪人陣営がもうあれやこれやとやってくるわけです
もう、この悪人陣営の面々がすごいのよ
ほんと嫌なやつばっかりやで
イラーっとしっぱなし
ムカムカーのムッカムカー!
そしてこの引っ張り合いには、実は秘密が隠されていて…っていうね
ディケンズなので、最後は超絶ハッピーエンドなのは分かってるんだが、もういつまでたってもオリバーにはひどいことしか起きないので、さすがにちょっと心配になりました
でも安心して下さい
オリバーは実は…というベタ展開でハッピーエンド!です
でもね
この物語の読みどころは悪人たちです
なんかねー哀しいのよ
嫌なやつばっかりなんだけど、これさ社会ってやつがこの悪人たちを生み出してるんちゃうの?って思わされるんよな
社会を変えよう!ってのが実はこの物語の目指すところだったんちゃうかな〜?
でもな〜あんまり変わってないかも
ディケンズに顔向けできんわな -
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思ったよりも登場人物が多く、プロットが複雑だった。
1837年の作品であり、もちろん現代から見れば陳腐だったりストーリーが読めてしまうところもあるのだが、それを差し引いても面白かったと思う。
翻訳もとても読みやすかった。
19世紀のロンドンの現実がすごく生々しく描かれていて、特に犯罪者や困窮者の住む暗く汚れた区域の描写が良い。
オリバーは主人公と呼べるような活躍はしない。
基本的に流されるにまかせるばかりだが、心の中に揺らがぬ善意を持っており、それが周囲の人々の動きに影響を与えているようである。つまりオリバーという対象物を巡る群像劇という感じである。
オリバーを守ろうとする人、オリバーを利用して利益を得ようとする人、それぞれの利害が交錯する中でさまざまな事件が起こり、過去の秘密が明らかになり、最後はハッピーな形で決着がつく。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ名作かつ、自身が創作好きで特にドラキュラ伯爵概念が好きなのでずっと読みたかった一冊。
一度目買いに行った時本の厚みに慄いて断念しましたが、二度目にてトライ。
ボリュームがかなりありますがサクサク読める作品でした。
自分の今までのドラキュラ伯爵と原作は異なる点が多く、驚きや感心、ハラハラといった感情で読みました。
内容が登場人物の手記や手紙、書類などで構成されているため、ドラキュラ伯爵の動向が「登場人物の前に現れた時」にしかはっきり分からず、物語的には登場人物たちの「いつどこから敵が現れるからない緊張感」が伝わっていいのかもしれませんが、伯爵推しにとってはとてもモヤモヤしました。
外伝で伯爵の手記とか手紙の内容が書かれた話があれば迷わず読んだのに!ってなりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ名前は知ってたけど、こんな話だったとは知らなかった。ミュージカルも見たことあったはずだけど、たまたま見たのが英語のままだったから、歌以外は記憶にない。
800ページ以上もあったので、まず、読み終えたのがすごい達成感。
このお話が展開したころ、日本はまだ江戸時代だった。訳にもよるだろうけど、その時代のものが古さを感じずに読めたのがすごいなって思う。まだ日本で小説が誕生する前。
最初に気付いたのが、イギリス的というか皮肉と思われるような修飾語が使われていたこと。
結構、登場人物が多いので、全員識別できるかな・・と心配していたけど、しっかり描き分けられてた。
悪人がぞろぞろ登場する割には、凶悪な事件が起こらない(つまり殺人)のかなあ‥と思ってたら、残念ながらかわいそうな展開が待っていた。スコットランドヤードという名の機関がまだ誕生する前の話。この小説が後の探偵小説などにも影響を及ぼしているらしい。 -
Posted by ブクログ
漂流、そして孤島でのサバイバル物の原点。大変読みやすく、また興味深い展開に終盤までは大変興味深く読めた。無人島に謀反をおこした悪人が乗った船の攻略作戦あたりから少し退屈になり、スペインに戻って一財を築くあたりからかは蛇足と感じた。孤島で1人生き抜く知恵はいつか陥る(筈はないが)時のための教訓として本能的に興味深く読むが、宗教に目覚めて心の支えになる所からは精神論に共感する。
読んているときはあまりにリアルで、すっかり事実に基づく物語と思っていたが、一部事実を引用した創作物であるである事に納得。出来過ぎた展開ですよね。
300年前の小説、イギリスでの初めての文学小説に出会えた幸運を感じる。