唐戸信嘉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
漂流、そして孤島でのサバイバル物の原点。大変読みやすく、また興味深い展開に終盤までは大変興味深く読めた。無人島に謀反をおこした悪人が乗った船の攻略作戦あたりから少し退屈になり、スペインに戻って一財を築くあたりからかは蛇足と感じた。孤島で1人生き抜く知恵はいつか陥る(筈はないが)時のための教訓として本能的に興味深く読むが、宗教に目覚めて心の支えになる所からは精神論に共感する。
読んているときはあまりにリアルで、すっかり事実に基づく物語と思っていたが、一部事実を引用した創作物であるである事に納得。出来過ぎた展開ですよね。
300年前の小説、イギリスでの初めての文学小説に出会えた幸運を感じる。 -
Posted by ブクログ
ルーマニア帰国後に読まなければと思って手に取る。
日記、手紙、蓄音機という語られる形式で物語がすすみ、最初の方にドラキュラ伯爵がでてきただけで、あとは噛まれた女性と博士たちの推理劇だった。
パムクを読んだとき、ディッシュのアジアの岸辺を読んだとき、トルコにいきそこの人とかかわり、ルーマニアにいってそこの人とかかわったあとだと、辺境とする場所へのエキゾチズムで偏見の塊であるように感じる。
それでも一人歩きしまくったドラキュラというキャラクターがここにあったのか、という再発見が読んでいてたのしい。
ちょいちょい爆笑してしまう箇所があり、ドラキュラ伯爵が自分が手鏡に映っていないことに気づいて
「そ -
Posted by ブクログ
ネタバレ元祖ドラキュラです。アニメやTVで子供の時から知ってるあの俳優の吸血鬼や、小野さんの屍鬼やキングの呪われた町など怖い吸血鬼を知ってるけど、そもそも元祖がどうだったのか気になってた。本家本元は意外に共通項も多く、ニンニクと十字架が弱かったり、コウモリや狼に化身する一方で、血を1回吸って、はい、バンパイア仲間の出来上がりと言うわけにはならないのである。
で、電子書籍では気づきにくいけど結構分厚くて立派な怪奇小説の本作、とても長くて読むのにすごく時間がかかった。日記形式で、各登場人物のモノローグで進むから、個々の心情が細かく色濃く(しつこく)語られ、良い意味で雰囲気がじっくり味わえる。恋人が徐々に冒 -
Posted by ブクログ
平井呈一訳の『ドラキュラ』を読んだのは一昔前のことで、ストーリーをほとんど覚えておらず、まるで初読のように読み進んだ。映画の(どの映画だったかは覚えていないが)ドラキュラの印象が強かったので、「ああ、こういう話だったのか」と思うところが多かった。
もちろんメインとなるのは、 ”ドラキュラ” vs. ”ドラキュラを倒し、その企てを防ごうとする人たち” の戦い振りということになるのだが、「解説」にもある通り、この小説が書かれた時代、19世紀末のイギリスの社会状況が小説の中にいろいろと反映されているところに興味を惹かれた。
例えば、迷信深いルーマニアの人々に対する、魔術や迷信を否定するプロテ