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ゴシック小説に夢中な十七歳のキャサリンは、逗留先のバースで社交界デビューを果たす。舞踏会で知り合ったヘンリー・ティルニーに惹かれ、彼の妹とも懇意になる。親友の兄ジョン・ソープの身勝手な妨害のために、関係が危うくなりもしたが、ついにティルニー家の自宅に招かれることに。そこは小説の舞台さながらの古い元僧院だと聞き、キャサリンの期待はいやがうえにも高まるが……。夢見がちな女子の成長と恋愛を描く。
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Posted by ブクログ
1. 文体の魅力:初々しさと、新しき「メタ的なユーモア」 主人公キャサリンの純粋さや無垢さがそのまま滲み出ているような文体で、非常に読みやすく、すんなりと物語に引き込まれた。 特に後半にかけて、筆者(語り手)自身がユーモアを交えながら、主人公の心情や物語の展開について作中で直接言及(介入)してく...続きを読むるような仕掛けが印象的。当時の文学の枠組みの中で、非常に斬新でモダンな試みだったのではないかと感じた。 2. 「空想と現実の境界」というテーマの面白さ 当時流行していた「ゴシック小説」が大好きなキャサリンが、そのダークで劇的な世界観をそのまま現実の日常生活に持ち込んでしまう、という構造をコミカルに風刺している点がユニーク。 「空想と現実の境界線をしっかり持つべきだ」という教訓・テーマ性としても、非常に興味深く読めた。 3. 多層的な読書の愉しみ(風刺の先にあるもの) 風刺というメインテーマに留まらず、登場人物それぞれの「性格の出方」が実に生き生きと描かれている点が何より面白い。 「この人は本当は裏でどう思っているんだろう?」と、行間の心理を想像しながら読む愉しさがあった。 同時に、当時のイギリスにおける階級制度、結婚観、家柄へのこだわり、社会の空気感や風俗・文化といったものが、物語を通じて立体的に知ることができる知的満足感も高かった。
ゴシック小説に夢中のキャサリン。気になる男性ヘンリーの実家に訪問する機会を手に入れたと思ったら、そこはなんと「ノーサンガー・アビー(僧院)」だった。まさにゴシック小説の舞台!ヘンリーにもノーサンガー・アビーにも興奮するキャサリン。彼女が夢見るゴシック小説的展開は訪れるのか⁉︎そしてヘンリーとの恋の行...続きを読む方は⁉︎ってな話。 私は本当に恋愛小説には全く興味がないんだけど、ジェーンオースティンだけは別。「分別と多感」は楽しく読んだし、「高慢と偏見」は大好き。それもこれもオースティンの文章から漂う観察眼の鋭さとユーモアのせい。今回も楽しく、時には声に出して笑いながら読んだ。この作品には作者が顔を出して説明を始めるところがあるんだけど、それももう自分の大好物で楽しかった。と同時に、人間関係のいろいろは時代や国が違っても共通してるところがあるんだなとか、人間ってダメなところあるよなとか、人間について考えさせられながら読んだ。難しいってわけじゃないんだけど、考えちゃう。オースティンの観察眼の凄さだと思う。
格調高いとはいいかねるがわかりやすい新訳。いや、でもやっぱりオースティンはちくま文庫の中野康司かなあ。お話はゴシック小説に耽溺するあまり現実と創作の区別がつかない主人公や、通俗的な登場人物への皮肉など、初期作品ながらもオースティンらしさに満ちている。父将軍は、いるよねこんな人。訳者解説も良かったです...続きを読む。意外とオースティンのファーストチョイスに向いているかも。
自分の話を誇張して話すナルシストなジョンみたいな人はどの時代にもいるね〜。 最初から最後までジョンは嫌な奴。でも彼がいなかったらこの物語は成り立たない。 厳格で冷静なティルニー将軍はキャサリンみたいな物事を多角的に見ず一喜一憂する人が苦手そうなのに、彼女に優しいのは何故なんだろう。 ↑の謎は終盤に明...続きを読むらかになる。将軍も単純な人だ..... 妄想癖のあるキャサリンの暴走っぷりがノーサンガー・アビーに到着してから炸裂するのが面白い。オースティンもキャサリンを描くのが楽しかったのではないか。キャサリン、憎めなくて可愛い。 偏見にとらわれずに人、物事を多角的に見ることが大切だと改めて思った。
途中、ハラハラしたりイライラしたり、がんばれーと思ったり。小粒ではあるけれど、軽快で楽しかった。キャサリン、なかなかいいキャラですね。
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