加藤潔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「奈緒子」というマラソン漫画を長く続けたことでこの作家にはある種の“色”が付いてしまったように思う。家族や仲間への純粋な思い、マラソンという孤独なスポーツのストイックさというものを長いこと描いたことで、簡単に言うと地味ながらも味わい深い作品を書く作家という風に認識されたように思う。その作家が描く新作ということで正直期待していなかったんだが、おそらくそのイメージに作家自身もうんざりしていたのだろう、今回はあざといまでの変化球を投げている。物語の構成も毎回過剰な引きで終り、次がどうなるか期待させるような展開を意図的にしている。高校野球という舞台で部員との心の交流や挫折、ショウリの喜びを描くというよ