なかにし礼のレビュー一覧
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昭和の大作曲家、なかにし礼の姪は森田童子だった。
しかし、この小説が世に出た時には、2人とも故人となっていた。
巳年に生まれたから「美納子」
「昭和28年1月15日夜9時。極寒の青森市であった。
この子が20歳を過ぎ、突然、森谷王子となって、自作の歌を歌い始めたのだ」
「兄弟」で登場する兄の中西正一は、娘の正体は決して明かさない。それは神秘性を守るためではなく、情婦から金を借りるためだという。
デビューは昭和49年秋の終わり頃、なかにしが正一をレストランに呼び出し、森田の身元を隠すことに協力を求める。「なかにし礼の姪ってことを当分伏せておきたいの。なかにし礼は売れ過ぎちゃって、どこか体制 -
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作「詩」家だけでなく、小説家としての顔も持つ著者のタイトル通り、作「詩」講座が中心。ただ、冒頭に自身の学生時代から作「詩」家デビューまでの経緯が手記風で掲載されている。
ちなみに作「詞」ではなく、作「詩」なのは著者のこだわり。著者によれば「詞」は「詩」よりも格下の言葉との事で、歌われるための言葉は「詩」と表記されるであるべきとのこと。
著者の半生や身辺雑記のエッセイ集だと思って手に取ったが、本当にタイトル通りの作「詩」作りのレクチャーだった。おまけに本書は1980年に出版されたものの加筆修正版だったので、取り上げられている作品、内容ともにはちょっと古め。
それでもトップの作詩家の作品作り -
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子供のころの私はTVをあまり見ない子で、今は見るとしても海外ドラマとドキュメンタリーとニュースがほとんどで、日本の芸能界のことを、それはもう、本当にもう、自分でも愕然とするくらい全く知らないので、なぜこの本を読もうと思ったのか・・・。
記憶がすでに定かではないのだけれど、たぶん新聞の書評欄か何かで見かけたんだと思う。
そんな芸能知識ゼロの私でもけっこうおもしろかったです。
プロレスとか日本の伝統芸能の話はやはりあまり理解できなかったのですが、第4章の「異郷からの衝撃」は、私ももともと海外ドキュメンタリー好きなので、大変におもしろかった。
政治的な話は割と左寄りな感じの考えが多く(極端ではあ -
Posted by ブクログ
自分が拾われたのは戦場だったということ以外、両親の名も、自分が何人であるかもわからないニーナ。
しかし、ロシアへ遺骨収集に訪れたフクシマとの出会いが、ニーナに流れる日本人の血のルーツを呼び覚ました。
ロシアで見つかったただ一人の日本人残留孤児がたどる『自分』を探す旅。
ニーナの台詞にこんなものがある。
−私は何処から来たのか。私は誰なのか。そして私は何処へ行こうとしているのか−
同じような台詞を真賀田四季も言っていた。
−どこから来た?私は誰?どこへ行く?−
自分のルーツを探るというのは本当に難しい。
四季は言う。
その3点に答えることに価値があるわけではない。