なかにし礼のレビュー一覧

  • 生きる力 心でがんに克つ

    Posted by ブクログ

    がん治療は、医者任せにはしてはいけない。たたく、きる、あてるの常套手段だけに頼ることは、命を縮めるだけ。

    0
    2016年08月26日
  • 天皇と日本国憲法 反戦と抵抗のための文化論

    Posted by ブクログ

    満州で生まれ育ち、戦後の艱難辛苦を乗り越えてきた、なかにし礼氏の、平和を願う気持ちと芸術を愛する心が満ちた随筆集である。特に、現安倍政権の集団的自衛権、秘密保護法、憲法改正に流れに対して、平和への危機感を強く訴える。また、芸術、文学、政治などに関して、博学の氏に教えられるところが多い。

    0
    2015年02月26日
  • 戦場のニーナ

    Posted by ブクログ

    初めてロシアで発見された中国残留遺児のお話です。
    ニーナと名づけられた小さな女の子は自分のルーツがわからないことに苦悩します。その人生は壮絶です。

    ニーナにかかわる人々も、それぞれの苦悩を背負っています。彼らの苦悩が明かされることによって、より物語が現実性を帯びた気がしました。

    物語は戦争がもたらした悲しみ、ソ連という国家の強大さという負の要素もありますが、愛や喜びといった正の要素も確かにある。外的問題と内的問題を見事に織り交ぜた物語だと思います。

    0
    2012年05月05日
  • 血の歌

    Posted by ブクログ

    昭和の大作曲家、なかにし礼の姪は森田童子だった。
    しかし、この小説が世に出た時には、2人とも故人となっていた。

    巳年に生まれたから「美納子」
    「昭和28年1月15日夜9時。極寒の青森市であった。
    この子が20歳を過ぎ、突然、森谷王子となって、自作の歌を歌い始めたのだ」

    「兄弟」で登場する兄の中西正一は、娘の正体は決して明かさない。それは神秘性を守るためではなく、情婦から金を借りるためだという。

    デビューは昭和49年秋の終わり頃、なかにしが正一をレストランに呼び出し、森田の身元を隠すことに協力を求める。「なかにし礼の姪ってことを当分伏せておきたいの。なかにし礼は売れ過ぎちゃって、どこか体制

    0
    2022年04月22日
  • 遺言歌

    Posted by ブクログ

    自伝的な作品2本 シャンソン「銀巴里」の思い出
    カラオケで心を解き放ち変身する話。軽妙で面白かった。落ちもよい。

    0
    2022年02月07日
  • 芸能の不思議な力

    Posted by ブクログ

    リアリストでミニマルな自分には芸能の世界はどうも合わないなと思いつつ読み進めた。この世界、実力や努力はもちろん大切だけどそれよりも運や運命が大きく作用するのだなと実感。違う世界を知れたという意味では面白かった。

    0
    2021年07月20日
  • 作詩の技法

    Posted by ブクログ

    作「詩」家だけでなく、小説家としての顔も持つ著者のタイトル通り、作「詩」講座が中心。ただ、冒頭に自身の学生時代から作「詩」家デビューまでの経緯が手記風で掲載されている。

    ちなみに作「詞」ではなく、作「詩」なのは著者のこだわり。著者によれば「詞」は「詩」よりも格下の言葉との事で、歌われるための言葉は「詩」と表記されるであるべきとのこと。

    著者の半生や身辺雑記のエッセイ集だと思って手に取ったが、本当にタイトル通りの作「詩」作りのレクチャーだった。おまけに本書は1980年に出版されたものの加筆修正版だったので、取り上げられている作品、内容ともにはちょっと古め。

    それでもトップの作詩家の作品作り

    0
    2020年11月21日
  • 芸能の不思議な力

    Posted by ブクログ

    子供のころの私はTVをあまり見ない子で、今は見るとしても海外ドラマとドキュメンタリーとニュースがほとんどで、日本の芸能界のことを、それはもう、本当にもう、自分でも愕然とするくらい全く知らないので、なぜこの本を読もうと思ったのか・・・。
    記憶がすでに定かではないのだけれど、たぶん新聞の書評欄か何かで見かけたんだと思う。

    そんな芸能知識ゼロの私でもけっこうおもしろかったです。
    プロレスとか日本の伝統芸能の話はやはりあまり理解できなかったのですが、第4章の「異郷からの衝撃」は、私ももともと海外ドキュメンタリー好きなので、大変におもしろかった。

    政治的な話は割と左寄りな感じの考えが多く(極端ではあ

    0
    2019年04月04日
  • 平和の申し子たちへ 泣きながら抵抗を始めよう

    Posted by ブクログ

    中国に生まれ、戦争の悲惨を体験したなかにし礼氏の、平和への祈りの詩が書かれている。戦争を憎み、そして現代の流れに少し悲観的になってしまっているが、のぞみを捨ててはいないなかにし氏の想いが、叙情的に伝わってくる。

    0
    2015年02月21日
  • 夜盗

    Posted by ブクログ

    高校の頃に母の本棚から拝借。

    内容は何となくでしか覚えてないのですが、
    何年後かに なかにし礼さんの作品を読み漁りました。

    担任の先生に、女子高生にしては渋いもん読んでんな。と言われたなぁ。

    0
    2014年11月14日
  • 夜盗

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最初からこの人犯人なんだろうなあ、と読んでる自分にうんざりしつつ最後まで読み、でも、もしかして最後にびっくりの事実が!?…と読んだけど…。
    なんもなかったわ。がっくし。
    ハッピーエンドで終わると とりあえずほっとするんだけど、心にも残らないんだよなあ。
    人間の心理って不思議だわ。

    0
    2014年10月16日
  • 戦場のニーナ

    Posted by ブクログ

    ロシアに取り残された幼い子供の生涯を描くというところは興味深いが、この物語を通じて彼女の、その時代の何を描こうとしているかという観点が私には少々響かなかったようにも思う。

    0
    2012年06月23日
  • 戦場のニーナ

    Posted by ブクログ

    ロシアに残留邦人がいたことは分かった。

    でも、饒舌に語るところと、さらっと流していくところの割り振りとか、
    面白みに欠ける感じになっちゃってる。
    中国残留邦人の一時帰国のスケジュールとか、そんなに詳しくいらんでしょ。

    繰り返し描かれる、ニーナが戦場で助けられたシーンも、
    もっともっと、死が積み重なっている戦場で、生があって、
    しかもそれが無垢な子どもであったというところを感動的に描いてほしかった。

    0
    2010年05月01日
  • 戦場のニーナ

    Posted by ブクログ

    自分が拾われたのは戦場だったということ以外、両親の名も、自分が何人であるかもわからないニーナ。
    しかし、ロシアへ遺骨収集に訪れたフクシマとの出会いが、ニーナに流れる日本人の血のルーツを呼び覚ました。

    ロシアで見つかったただ一人の日本人残留孤児がたどる『自分』を探す旅。

    ニーナの台詞にこんなものがある。


    −私は何処から来たのか。私は誰なのか。そして私は何処へ行こうとしているのか−


    同じような台詞を真賀田四季も言っていた。


    −どこから来た?私は誰?どこへ行く?−



    自分のルーツを探るというのは本当に難しい。

    四季は言う。


    その3点に答えることに価値があるわけではない。

    0
    2010年03月29日