真島文吉のレビュー一覧
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ネタバレ続編でした。
終盤で令和になってからのお話も挟み込まれるけど、時系列的にはこっちが先になる感じ。
だから、
先に世に出た「右園死児報告」を読んでからでも、
先に「久」を読んでから「右園死児報告」に進んでも、どっちからでも楽しめそうで。
真島さん、ありがとうございます。
「久」の漢字の発音から、今回の主要人物は三田倉さんなんだけど、他のメンバーさんも前回活躍してた方や、そのご先祖さんらが出てきたりしてたから、
私は傍らに前回の報告書を置きながら楽しんでました。
前回マイナスポイントにしたちょっとグロテスクな物たちも、やっぱり今回も登場してきたけど、私が慣れたのかな? そんなに うわ〜(泣)な -
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ネタバレ(前作についての記述も多少含みます)
前作の勢いから劣らず。
前作と同様、右園死児事案の報告書は発想のデパートである。近年のネット怪談やクリーピーパスタ、SCPにみられる「根源の不明な発生」・「不条理」・「多種多様なスケール感」といった要素がこの作品にも盛り込まれている。右園の根源に関してはある程度まで推理されているが、完全究明までは行っておらず、個々の事案が何故その形で現れるのかは不明である。部隊が制圧出来るものから、対症療法しか行えない自然大災害級のものなど様々な事案が作品に織り交ぜられ、対策可能性と不可能性の間で登場人物たちは弄ばれている。
今作は三田倉九という人物の内面を本人が -
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ネタバレ2024年刊行の『右園死児報告』の前日譚にあたり、明治期に右園死児対策の責任者であった内務省秘書官三田倉九が自ら右園死児化した理由と経緯が描かれる。読者の視点となるキャラが明確なため物語の流れは前作よりわかり易くなった感有り。
現代の日本とは異なる世界線における明治時代、内務省秘書官安藤忠正の部下として右園死児に関わるようになった三田倉は、安藤の死後紆余曲折を経て右園死児対策のほぼ全権を掌握する。その過程で、父親の敵を探しながら三田倉の秘書となる美女フーティエ、不死者の棚主一朗太、探偵の神谷修二、陰陽師の末裔である犬骨刺月と息子の清らとの邂逅、共闘そして別れ。孤独と絶望の戦いの果てに三田倉が -
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「うぞのしにこ」と命名された場所、物、人物は説明できないような怪現象が周囲で起こってしまう。それらを世間の目から隠すために政府が秘密裏に調査しており、それらの報告書をまとめたモノという設定の書物。その為、殆どは報告書のような記述方法で書かれているのだが、バラバラの記述が少しづつ「うぞのしにこ」の真相に迫っていくといったホラー&ミステリーのような形態である。…のだが、物語の終盤で異常物体への抵抗の為に異常物体をぶつける展開になり、その部分が下手なラノベ臭いストーリーに感じてしまう上に報告書としての形態も完全に失ってしまう。終盤の展開をどこまで許せるかで評価が割れそうな感じ。
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ネタバレ前作ではすでに右園死児と化していた三田倉九と前作で大活躍した神谷修二との関係が明らかになったり、その他にも魅力的な登場人物が新たに登場しており読んでいて楽しめた。
前作ではあまり触れられていなかったけど、前作に出てきたあの封印用生体七号の秘密や、け胃ぶまンの正体とかも明らかになって読んでいてカタルシスを得られた。
三田倉や神谷と行動を共にしてきた、犬骨清だけが死ぬこともできず、孤独に暗い横穴の中でけ胃ぶまンとして佇み続けていることに心が痛む。前作の「右園死児報告」の体系が確立された時代の人たちはそりゃ知らないもんね、け胃ぶまンこそが亜人討伐に自らを犠牲にして右園死児として戦い続けていることな -
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宮部みゆき今年の3冊2024に入っている一冊
本屋さんでタイトルは気になってたけど、園児のホラーってイヤだなとか思って手に取ってなかった
読んでみたら、右園死児(うぞのしにこ)という怪異にまつわる有害情報を集めた報告書形式のモキュメンタリーだった
One of the works selected for Miyabe Miyuki’s Three Picks of 2024.
I had noticed the title at a bookstore, but the notion of a horror story involving kindergarteners made me -
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【短評】
当世流行「モキュメンタリー・ホラー」に再び挑戦である。
良質な素材を揃えて「物語」を浮かび上がらせるという手法は明確に好みだが、未だ実験段階或いは発展途上の領域という印象であり、巷間に上る名著を摂取しながら「これぞ」という逸品を待ち望んでいる私である。
本作は「右園死児(うぞのしにこ)」という名称を冠する人物、動物或いは無機物が、狂気猟奇を励起した一連の事象を「報告書群」という体裁を取って纏めたものである。
以前読んだ『近畿地方のとある場所について』が種々の媒体に由来する「寄せ集め」であったのに対し、本作は一定の体裁のもとに記述された「報告書」である。どちらが優れているということ -
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次々と断片的な報告が積み重なっていくことで、少しずつ全体像が立ち上がってくる構成が印象的で、読んでいてワクワクしました。モキュメンタリーのような「調査報告」形式の体裁や、SCP風の異常存在の報告書のようなリアリティがあり、その形式自体が作品の魅力になっています。
各報告は短いですが、そこに描かれている怪奇現象がどれも鮮烈で魅力的です。また、「右園死児(うぞのしにこ)」という名前も強烈で、一度聞いたら頭から離れません。架空の怪異としてのネーミングセンスも、SCP的な「固有名を与えられた異常存在」としての存在感を強めています。
別々に行動していた登場人物たちが、最後に集結して共闘する展開も痛快 -
購入済み
ジャンルエラー?
ラノベだと思って軽く読もうとしてたら、恐らく前半の一二章で挫折する。
根気良く読んで初めて面白さが伝わってくるので、それなりの時間を要する比較的本気のSF小説かと。
1巻を読み終えても、内容を把握し切れない展開とストーリー。
難しくもあり固く重たい。
読み応えはあるが、好みの差が著しく激しいと思う。 -
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前作があることを知らず、本作から読み始めました。
報告書形式で進む物語のため、本来なら深く掘り下げられそうな出来事が数行で淡々と処理されていくため、少し物足りなさも感じました。一方で、物語がテンポよく進むため、読み心地は非常に爽快でした。
口コミを見る限り、前作では三田倉久が悪役として登場していたようで、本作は前作を補完する位置づけの作品なのだと感じました。序盤で安堂忠正が右園死児化していたこともあり、三田倉久もそうなる運命なんだろうと思いつつ、ハッピーエンドを期待して読み進めました。(前作から読んでいたらそんな期待もしなかった訳ですが)
変わった構成の作品で、とても面白かったです。