【感想・ネタバレ】右園死児報告 久のレビュー

あらすじ

令和■年、発見された一連の有害情報群。
編纂者は不明。
本情報群は、「右園死児報告」を補完する性質を持ち、
その構成は、怪文書、または報告書から散逸した断片的文書によって成り立っている。
この記録群は、ヒト型右園死児「三田倉九」に関連している。
――「久」とは、「九」の同義文字。
すなわち、「永久」「無限」「天」「皇帝」……
尽きることなき概念を内包する。

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Posted by ブクログ

「この情報群は『右園死児報告』を補完する性質のものである」
紹介文にも記載がある、本作冒頭に出てくるこの一文は、もちろん“作中の報告書が前作(『右園死児報告』)中の報告書群を補完する”という意味だと考えられるけど、同時に“本作は前作を補完する作品である”というメタ的な意味もあると捉えることができる。なので前作と合わせて一つの作品と考えて読むと良い。

前作では単なる脅威・害敵・悪党あるいは兵器としてしか描かれていなかった三田倉九がメインの語り部となっている。
右園死児の脅威から日本を守ろうと奮闘した憂国の士はいかにして怪物になっていったか。前作で語られなかった歴史の裏側が明かされている。

前作で残された謎をいくつも解明してくれていて親切。「移動する穴」の最深奥にいた男の正体とか。あと何よりも神谷修二が登場するのは胸熱だった。
前作を読み返したくなる良い続編。

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2025年09月26日

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最高だった。
こんなこと考えられる作家さんのもっと作り出す新しいものも読んでみたいし、まだまだ右園死児がどんなふうになるか知りたいし、三田倉九の哀しい物語と探偵神谷修二とのかかわり合いとか、犬骨一族のはなしとか掘り下げられていて最高だった。
右園がエデンみたいなはなしとかも最高だった。
漫画も読みたいかも。
画になればさらに深まりそう。
最高だったとしか言えないくらい面白い。

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2025年09月10日

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前作「右園死児報告」にて、すべての惨事の元凶である三田倉九に関する報告。

スピンオフとしての完成度と言うよりも、前作で葬られていた三田倉九がどのようにして右園死児を認め、いかなる手法で右園死児化したのか。

そして、その活動理念はなんだったのか。

右園死児とは何なのかについては、語れるほど情報もなければ、語ることにまったく意味はない。
人類が意味に至ることができないものが右園死児だから。

そんな右園死児に「存在理由」を与えたのが三田倉九だ。

まさに、右園死児の序幕編。

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2025年08月29日

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モキュメンタリーぽさとファンタジーバトルものの融合みたいだった。資料が膨大なので一気読みしないと忘れるけど、不思議な設定で読み応えある。

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2025年08月09日

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ネタバレ

続編でした。
終盤で令和になってからのお話も挟み込まれるけど、時系列的にはこっちが先になる感じ。
だから、
先に世に出た「右園死児報告」を読んでからでも、
先に「久」を読んでから「右園死児報告」に進んでも、どっちからでも楽しめそうで。
真島さん、ありがとうございます。

「久」の漢字の発音から、今回の主要人物は三田倉さんなんだけど、他のメンバーさんも前回活躍してた方や、そのご先祖さんらが出てきたりしてたから、
私は傍らに前回の報告書を置きながら楽しんでました。

前回マイナスポイントにしたちょっとグロテスクな物たちも、やっぱり今回も登場してきたけど、私が慣れたのかな? そんなに うわ〜(泣)な感じにはならなかった。
あと、報告の後に三田倉さんの手記が時々挟み込まれてて、それが報告の補完的な役割をしてくれてたからか、前回よりは飲み込みやすいような印象も受けました。

どっちにしろ面白かった〜
また時間あけて「右園死児報告」を再読したいなと思えるくらい私はハマったけど、どうだろ、苦手な人は苦手かもしれない。。

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2025年08月04日

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ネタバレ

 (前作についての記述も多少含みます)
 前作の勢いから劣らず。
 前作と同様、右園死児事案の報告書は発想のデパートである。近年のネット怪談やクリーピーパスタ、SCPにみられる「根源の不明な発生」・「不条理」・「多種多様なスケール感」といった要素がこの作品にも盛り込まれている。右園の根源に関してはある程度まで推理されているが、完全究明までは行っておらず、個々の事案が何故その形で現れるのかは不明である。部隊が制圧出来るものから、対症療法しか行えない自然大災害級のものなど様々な事案が作品に織り交ぜられ、対策可能性と不可能性の間で登場人物たちは弄ばれている。
 今作は三田倉九という人物の内面を本人が書いた手記を通じて多く露出することで、ドラマチックな面が強調されていた。
 三田倉九は右園死児に対する対策の責任を政府及び帝国から押し付けられており、またその役割から政府が行ってきた愚行を代理で非難されることがある。三田倉は前半有能な人物として描かれるが、前述した責任についてと最愛の人に関する事象が原因で後半はほぼ壊れている。
 今作はその三田倉九の崩壊を極めて丁寧に描写しているわけではないが、少なくとも人間の理性がいかに不条理の前では脆いものか、理性や人格の崩壊が恐怖表現の一つとして効果的に用いられていると思う。また、丁寧に描写しないことは、事案報告という体裁をとった本作のテンポを保つ上で重要である。
 前作のラストバトルから考えるとかなり地味ではあるが、恐怖感とエンタメ性を損なうことなくバランスのとれた作品だったように思う。また、前作が好きな人には楽しめる繋がりがあったりと読者を楽しませようという気立てがみれる。個人的には大変楽しめた。
 最後に。注意したいのは昔からのホラーが好きな人には合わないかもしれないことだ。どちらかというと、現代ホラー特有の急に立ち現れる理解不能な概念や表象化しがたい設定を「それはそれ」としてすんなり飲み込めるような人が楽しめるものであって、フィクションのホラーにも現実の概念との厳密な関係を求める人には全編キツい可能性がある。親しみ深い幽霊や妖怪などはほぼほぼ出てこない。かといって別に難解ではない。要するにストライクゾーンの問題だ。自分のストライクゾーンは広いぞ!という方には是非オススメしたい。

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2025年07月31日

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ネタバレ

前作ではすでに右園死児と化していた三田倉九と前作で大活躍した神谷修二との関係が明らかになったり、その他にも魅力的な登場人物が新たに登場しており読んでいて楽しめた。
前作ではあまり触れられていなかったけど、前作に出てきたあの封印用生体七号の秘密や、け胃ぶまンの正体とかも明らかになって読んでいてカタルシスを得られた。

三田倉や神谷と行動を共にしてきた、犬骨清だけが死ぬこともできず、孤独に暗い横穴の中でけ胃ぶまンとして佇み続けていることに心が痛む。前作の「右園死児報告」の体系が確立された時代の人たちはそりゃ知らないもんね、け胃ぶまンこそが亜人討伐に自らを犠牲にして右園死児として戦い続けていることなんて。神谷だけがそれを知っているのが唯一の救いだなと思う。

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2025年11月30日

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前作よりも全体の流れがちゃんと物語になっていて読みやすかった

SCPというよりは、何か分からない神様みたいな不条理という描かれ方に見えた
こちらの方が好みです

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2025年10月22日

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一つ一つが短い報告形式なのでサクサク読める。あこれさっきのこの報告と…を繋げていく感じで面白かったが、残念なことに間違えて久から読んじゃった。

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2025年09月29日

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怪異の報告書まとめ、のような感じ
1つ1つの報告は面白いのに、全てを覚えきれず面白い繋がりをスルーしてしまっているところがありそう

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2025年09月22日

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物語の大半は前作よりも過去の時系列。
前作では本が報告書の抜粋の形で書かれていたため、キャラクターの内面描写はほとんどなかったが、こちらでは独白描写も多く、前作でもキーポイントになった、この国が抱える歪さがより際立っているように感じた。
前作のアレってこういうことだったのか!が多く、前作の記憶が薄れないうちに連続して読むとより楽しめる。
錯視的首吊り死体はあの後封じ込めできるのだろうか…。

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2025年09月16日

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 前作の前日譚とも言える作品で、正体不明の存在『右園死児』の明治時代からの記録や手記、テープ起こしなどの資料の数々とキーパーソン・三田倉九の壮絶な半生が異常かつハードながらも読み応えがあって前作のファンなら読んで損はない作品だった。

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2025年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作の重要人である三田倉九が右園死児を関わりを持った時からどんと堕ちていく物語
仲間たちと出会い、そして袂を分つ道程はなかなかにハード
フーティエに憧れ、焦がれ、そして破壊する三田倉の崩れ方、そして彼女に否定して欲しい心境は異様なものと戦い考えも何もかも変容していく彼に対するある種の救いだったのだろ

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

事案44
記録者 不明

前作を補完する位置づけの続巻

右園死児(うぞのしにこ)と名付けられたり物理的に刻印されたりすると、人も人以外も心身に凶々しい異常をきたす
そんな異常事象が1〜4ページくらいの報告書にまとめられていて、その報告書の集大成が本書となっている

Case 44
Recorder: Unknown

A sequel positioned as a supplement to the previous work.

Those who are named or physically inscribed with the words “Uzono Shiniko” suffer ominous and grotesque disturbances of both mind and body, whether they are human or otherwise.
This abnormal phenomenon is documented in a series of reports, each about one to four pages long, and this book serves as a compilation of those reports.

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2025年11月16日

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