伊藤俊幸のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
組織改革を行うにあたり、組織を構成する8割のフォロワーの在り方にメスを入れた方が圧倒的に効果的という観点から、フォロワーシップについて書かれた本です。
大変面白かった。なぜ面白かったのか?
現実的な内容だったからだと思います。
オススメの理由は、以下備忘録記載。
⚫︎理性ある服従
言われたことをこなすだけ=服従はするが、理性に欠けた状態
上司を上司と思わない=理性はあるが服従しない状態
クリティカルシンキングが大事。
⚫︎正しいフォロワーシップとは
批判力と貢献力が、高い協働者を指す。
⚫︎使命の分析と意図伺い
そもそも何のためにそれをするのか。
わからなければ意図を聞く。
⚫︎高い人格
廉恥 人として恥ずかしい行動をとるな、恥を恐れて卑怯な真似はするな。
真勇 正しいと思うことは臆せず行動する。
礼節 リスペクト。礼儀だけではなく節度を持て。
⚫︎正論=正義の落とし穴
正義は勝つではなく、力があるものが勝つ。
感情は理性をいとも簡単に上書きする。
⚫︎自分たちのプロジェクトだ、ステークホルダーに対してのホウレンソウ、巻き込みをサボった。
⚫︎信頼関係の構築、それは踏んではいけない地雷がなにかを知ること。自分の意思があるかないか。
⚫︎ボスマネジメントをしよう。ボスを ツールに。機能的に考える。
⚫︎五省
至誠に悖るなかりしか(不誠実なことはしなかったか)
言行に恥ずるなかりしか(言動に反省すべき点はなかったか)
気力に欠くなかりしか(気力は十分だったか)
努力に憾みなかりしか(努力を惜しまなかったか)
不精に亘るなかりしか(怠けることはなかったか)
⚫︎ちょっと一手間をかける。
10の仕事であれば、11。
-
Posted by ブクログ
参謀ロジックにこだわる。
結論と根拠を先に述べる。何が目的で何が手段か何が結果で何が原因なのか、それらを全て言語がかつ構造化かつ数値化することが参謀には求められます。
この情報過多の時代、情報整理のコツはまず分けることです。そして、それらの情報を重複させないような工夫が必要です。
その組織の最高の頭脳を目指す。
例えば一般社員に求められるのはロワーマネジメント、すなわちテクニカルスキルといったものです。実務能力や専門知識を高めるといったことがそれに当たります。しかし、ミドルマネジメントといった中間管理職になると、ヒューマンスキルが求められます。それはコミニケーション能力が傾聴能力はもちろんのこと、協調性も求められます。
そして幹部と言われるトップマネジメントはコンセプチュアルスキル、すなわち概念化能力が必要になってきます。それは業務の本質を見抜き置き換える能力等がそれに当たります。 -
Posted by ブクログ
再読。
初めて読んだ時は1年前。自分の仕事に疑問を抱いた時に読んだ。
立場が変わってから読むと、また気づきがある。今回一番心に残ったのは最後の法の部下とのエピソード。後輩の成長度にあわせ、ここまで自分に出来ることをやりきれているのだろうか…まだまだ自分に出来ることはあるんじゃないかと思わせてくれた。
この本を読んだ時に
経済学者 アルフレッド・マーシャルの
「cool head but warm heart 」という言葉を思い出した。
仕事はひとりでは出来ないもの。だからこそ、人のあたたかい心は絶対必要。でも、戦略を練り、実行し、人がついてくるためには、冷静に現状を分析できる頭脳が必要。どちらも欠かせないもの。 -
Posted by ブクログ
「理性ある服従」が基軸。
「礼節」「連絡・相談・報告」「テクニカルスキル・ヒューマンスキル・コンセプチュアルスキル」がビジネスに必須。
「組織においては上司の指示は絶対である」といった昔ながらの考え方がなかなか通用しなくなっている。服務規律の理解が不十分な点も一つであるが、個人主義や人権意識の高まりから、部下世代は仮に自分の能力不足であっても理解できない上司の指示を素直に聞けなくなっている。仮に業務に必要な指示であっても言い方ひとつで気分を損なうこともある。
かくいう私自身も上司の指示に反感をもつこともあり、「どうすれば苦手な上司であっても、業務の指示を素直に聞き、的確に理解することができるのか」と言った問題意識をもっていた。「気持ちよく」聞けた方が結果もよいものになるだろう。
自衛隊という特殊な組織に属したではあるが、筆者は「理性ある服従」が必要であると説いている。理性をもって服従するという考え方。斬新で腑に落ちた。ここには、対人関係で必要な「礼節」も自然と含まれる。この気持ちがあれば、「連絡・相談・報告」も容易にできる。組織で働く者のエッセンスが詰まった良書である。 -
Posted by ブクログ
これまでフォロワーシップの本は数冊読んだが、その中でもずば抜けて満足度の高い一冊だった。
上司には上司の役割、部下には部下の役割があり、それぞれが機能しフォローすることで目的を達成するためのチームになる。って言葉は拍手したくなった。
※これを本当に自覚・認識して状況を観察したり物事を考え行動できている人は少ない気がする。
リーダーシップの考え方も視野が広がり、言語化が進んだ感覚がある。
良きリーダーは良きフォロワーだと思うけど、最強のリーダーは状況により一般的なリーダーシップとサーバントリーダーシップの引き出しを起用に使い分ける人だと思った。
とは言え、リーダーに選任されたり候補に上がるための最短ルートは圧倒的な業績だと今も思ってるし事実だと思う。(定量で全て把握し、評価できる)
サーバントリーダーシップはハードル高いなー。
でも、ありがたいことに言語化されてるからどんな能力が必要かわかりやすい。
俺的バイブル認定だな、こりゃ。 -
Posted by ブクログ
参謀の教科書 才能はいらない。あなたにもできる会社も上司も動かす仕事術
著:伊藤 俊幸
部下自ら頭を使い、積極的に上司の意図を理解し、上司に意見を述べたり、働きかけたり、補佐したりできる部下のあり方のことを「正しいフォロワーシップを発揮した状態」もしくは「理想的なフォロワー」という。
組織を劇的に変えたいなら「リーダーのあり方」で悩むのではなく、8割のフォロワーのあり方にメスを入れたほうが圧倒的に効果的である。
本書の構成は以下の6章から成る。
①参謀は「最強の部下」である
②提案力 科学的思考をしよう
③提案力 最高のブレーンを目指す
④対人力 組織で生かされるには「礼節」が必要
⑤危機管理能力 プランとプランニング
⑥正しい参謀がよきリーダーになる
誰もがリーダーでもあるが、それよりも誰もが部下でもある。
そしてその部下のあるべき姿・必要能力・スキルが本書で説明されている「正しいフォローシップ」であり、「理性ある服従」等分かりやすく、ユーモアに富んだ表現で説明されている。
リーダーである前に部下であり、基礎的な力はむしろ「フォロワーシップ」に詰め込まれており、それが出来てこそ、リーダーにつながり、リーダーとしてもその根底を理解出来ていなければ、良いリーダーシップを発揮することはかなわない。
言葉遊びではなく、心にまで踏み込んだ魂のフォロワーシップが非常に分かりやすく、穏やかに熱く説明されている。今一度、重要視すべきはリーダーシップよりフォロワーシップであることを痛感した一冊。 -
Posted by ブクログ
元陸将、元空将、元海将という、自衛隊のトップクラス幹部を務めた方々が出演し、ウクライナの状況について考察を述べるYouTube番組の書籍化。
個人的にこれといったことは何もできないながら、関心を持ち続けることだけはやめないようにしようと思っている中で、プロの分析を読みたいと思い検索で見つけた。
自衛隊幹部の分析ということで、政治の延長としての戦争という現代的な定義をベースに展開される論理的な考察は、テレビでは全く聞けない具体的で実際的なものばかり。期待を上回る内容であった。
本書の元の動画は最初の5ヶ月間に公開されたものなので、2023年6月現在では新しい事実が分かっていると思われることもあるのは仕方がないところ。
専守防衛というコンセプトは個人的には賛同だが、それも攻撃的抑止力がないとなりたたないのかもしれない、ということはそう思えるようになってきた。
また、ファシリテーターである桜林氏のあとがきに興味深いことが書かれていた。
陸海空軍は基本的に別組織であり別の論理で動くものであるいうことは各国共通だが、日本の場合は同じ学び舎で4年を過ごす珍しい方式をとっていることが、統合運用の進化を比較的スムーズに進める効果をもたらしているとのこと。
こういった特長が、専守防衛というこれも珍しいコンセプトと融合して、日本式の抑止力の構築につながることを期待したい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大東亜戦争を元自衛隊幹部の方々が振り返れば・・・という、つまり軍事のプロの視点で描かれている。
前段で述べられている通り、これは「正解」ではないということである。歴史問題であるから視点によって変わるから当然でしょうね。反省すべき点は現代に活かしてほしい、というメッセージが含まれていると思います。
所々、現代の政治や企業組織運営論にも述べられていました。また、対話書き起こし形式の書籍でしたこともあり、割と軽く読み進めることができました。
自分自身、大東亜戦争について誤解していたと思われる部分もあり(何が正解なのか、ではありますが)、読み終えて意識をアップデートしたような気分です。 -
Posted by ブクログ
これからの時代に必要なのは、命令を待つ人材ではなく、使命を読み取り自ら動ける“参謀”。参謀に求められる三大能力は、提案力・対人力・危機管理力。エレベーターピッチのように短時間で要点を伝える訓練が、論理的思考と伝達力を磨く。言葉にできるのは思考の6割、聞き手が理解できるのも6割。情報は想像以上に伝わらない。
仕事を受け取った際に最も重要なのは「使命の分析」。目的=到達点、目標=実現の通過点、手段=具体的アクション。意思決定の基準は「適合性・可能性・受容性」。とくに適合性、すなわち使命と行動の一致が最も重要。迷った時は、結論に至るまで考え抜いたかを問う。
参謀の本質は、上司の意図を汲み、かみ砕いて形にする力。航空自衛隊では「意図伺いしていないお前が悪い」という文化がある。命令の背後にある意図を分析・咀嚼・実行する力が求められる。役職が上がるほど必要なのは、実務スキルではなくコンセプチュアルスキル。概念化し、別の言葉や例に置き換えられる能力。経営者同士の異業種交流も、視点の転換と応用力強化の場となる。
現場からの正しい報告と進言がなければ、危機には対応できない。それを可能にするのが「心理的安全性」。普段から「そもそも」と問い合える関係性が土台。
アイデアは、問題意識の強さと日常の観察力から生まれる。アンテナを張り、ある日突然、異なる事象が結びつくことで視界が開ける。
最も重要なのは礼節。ドラッカーの言葉にもある通り、礼節なき人材はいかに能力があっても組織を腐らせる。廉恥、真勇、礼節を柱に据え、知(戦略・思考力)、情(感情理解・共感力)、意(目的意識)のバランスをもつ人材こそ、変革の中核を担う。 -
購入済み
顧客に紹介できる一冊
お手伝いしている企業の多くで遭遇するのが、上司と部下との連携不備。
上からの命令は絶対という文化の中で仕事をしていた方達が、新たな事業に関わろうとしたときに同じ流れで、滞ってしまう場に何度も遭遇しました。
大手企業ほどこういうケースが多くどうしようかと考えていた時の出逢った一冊です。
自分なりに翻訳して伝える必要はあると思いますが、上司の参謀というスタンスを認識させるには大事な一冊だと感じました。
色々言ってくる上司や、周りの権力者とのコミュニケーションをはかる為の指南書だと思います。 -
Posted by ブクログ
戦争を“歴史の出来事”としてではなく、“人の営み”として見つめ直す。
本書にはそんな静かなまなざしがある。
本書は、陸上自衛隊と海上自衛隊の元幹部が、
昭和の大戦――すなわち大東亜戦争を、
それぞれの立場から冷静に振り返りながら、
なぜ日本は敗れたのか、そして何を学ぶべきだったのかを探る一冊だ。
著者たちは、単に戦略や兵器の話をしているわけではない。
現場の兵士たちが、どんな状況で、どんな思いで戦っていたのか。
補給の尽きた戦地で、命令と現実の狭間に立たされた人々の苦悩。
その“声にならない声”を拾い上げようとしている。
読んでいると、戦史の裏に生きた「人間の気配」が立ちのぼってくる。
生きて帰ることを許されなかった兵士。
部下を守れなかった指揮官。
家族に何も言えぬまま、遠く南方の島で散っていった若者たち。
彼らの姿を思うとき、歴史は数字や地図ではなく、ひとつの“祈り”として胸に迫る。
著者たちは、それを感傷ではなく、理性で語る。
「彼らの犠牲をどう次代に生かすか」
それがこの本の核にある問いだ。
過去を美化することも、ただ批判することもない。
その中間にある「考える姿勢」こそが、
クリティカルシンキング――つまり“批判的に考える力”なのだと思う。
歴史を学ぶとは、戦った人々の痛みを受け止めることでもある。
その痛みの上に、今の平和が成り立っている。
そう感じさせてくれた一冊だった。