柿沼陽平のレビュー一覧

  • 古代中国の裏社会

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    タイトルが惹かれるものでしたが、なかなか面白く読めました。
    中国は歴史のある国だからこそしっかり記録があるけど、当時の事情や記録方法で表記の理由があると知ることができた。

    さて任侠の世界、時代は変わっても人殺を請負う人が居たんだね、その対価も状況も興味深い。
    当時の死刑の方法はかなり残酷なものだったよう。

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    2025年05月14日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

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    中国秦~漢時代の生活史を24時間で区切って紹介する。同じく24時間で区切って生活史を紹介する本はすでにローマ・エジプト・ギリシャがあるようだ。本書は中国版。
    古代人の生活に現代の私達と驚く程似ているパーツがある。2000年前の人も同じ人間なんだと身近に感じる。同じアジア人であるし。
    古代から顔採用は有りハゲは嫌われ口臭問題がありナンパをし酒を飲んで酔っ払い二日酔いで苦しんでいる。

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    2025年05月05日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

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    秦漢期を想定した古代中国の一日を体験する形式をとり、衣食住から性愛にいたるまで当時の日常生活を再現する内容。読むことで間違いなく古代中国についての解像度が上がる。典拠も巻末注にまとめられているので非常に有用な一冊。

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    2022年12月08日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

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    官吏はルックス採用が多く美男子の要素の一つは髭であり、髭を剃っているものは宦官や犯罪者とみなされた。
    髭を剃る刑罰があった

    庶民の多くが氏を持つようになったのは紀元前前後
    気軽に名字を変えた
    家族などの親密でない他人を名で呼んではいけなかった、特に皇帝の場合は公文書にも使ってはいけなかった
    姓+官職・役職名

    地図は北が下、南が上
    郡>県>郷>里
    中国北部は人口密集地帯、南部は過疎
    普通語や共通語の概念がなかった
    長江流域は鬱蒼とした森林に覆われて今とは生態系が異なっており、象が生息していた。また在任や民がそこに逃げ込めば捕まえるのは難しかった
    毛先から魂が抜けてゆくと信じて毛先を隠していた

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    2022年09月16日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

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    古代中国で、人々がどう暮らしていたのか。
    膨大な資料から生活習慣に絞って集大成した十年がかりの労作。
    古代にタイムスリップして一日を過ごしてみたら?
    といった体裁でまとめられていて、ユーモアもあり、読みやすいです。

    秦や漢という大国がすでにあった頃、何百年にも及びますが、ほぼ紀元前という。
    ドラマでは現代感覚も加味してあるので、いや、ここまで豪勢じゃないでしょ、精巧じゃないでしょ?と思う面もあるけれど、既に多くの書物があり、法律があり、文化があったことも事実。
    で、日々の暮らしの実態は?

    皇帝は早朝に起き、えんえんと案件を審査する。
    朝起きたら口は漱ぐが、歯を磨くというところまではない。

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    2022年09月16日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

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    タイムスリップ形式で読みやすかった。
    一日の生活を通して、政治・経済・文化…いろんな側面が見えるんだなって実感できた。
    文化史導入として「一日」を知ることから始めるの、なかなかいいかもしれない

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    2022年08月18日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

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    ネタバレ

    ともかくすごい。あっちこっちから引っ張ってきてこれだけみっちり再現してしまう。カンセキならでは。よく拾ってきたよなあ。漢代あたりが中心なんだが、読んでたら陶淵明がどんなに暮らしてたのかとかふわふわと気になってきた。悠然として東の垣根の下の菊をとるときの格好とか、彼は大金持ちの貴族で落魄してるんだから食べ物は問題なかったろうとか、四合院すでにあったのねとか。明器とか。見事なはりがたとか。

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    2022年06月07日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

    購入済み

    素朴な感じをたたえた拓本や模写

    以前「古代ローマ人の24時間」という本を読んだことがあるが、本書はよく似た手法を採用した古代中国版である。全巻トリビア蘊蓄の塊であるが、古代ローマと違ってそれらトリビアが、古代中国の格言やことわざとして現代日本語に残っているので、大変に興味深い。基礎知識的な話の多い導入部はそれほど面白くないが、中盤以降、俄然面白くなってくる。文中に様々の絵が散りばめてあるのも楽しい。特に素朴な感じをたたえた拓本や模写がいい。

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    2022年05月04日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

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    長い歴史の記録がある中国。
    時間ごとの生活習慣や衣食住について知ることができる。
    容姿の良し悪しについても言い難いことまで書かれていてその辺りは今も昔も変わらないもののようだ。
    仕事の風景、夫婦の日揉め事や離婚、いつの時代も似たようなもの悩みがあったようだ。

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    2022年04月23日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

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    秦漢時代にタイムスリップして1日24時間を体験するという設定で、当時の暮らしを描いていく。皇帝やその側近、官吏、有力者、庶民などなど登場する人々は様々だ。そうした人々のファッションや仕事、性愛、結婚や離婚、子育て、食事、飲酒、果てはトイレやハゲの話題まで「日常生活」が描かれている。日常に関する記述を様々な史料から見出した著者の多年にわたる研究の成果が平易で読みやすい文章や数々の図版で紹介される稀有な一冊。新書でありながら、しっかりと注記がされていて、典拠をたどれるのもありがたい。

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    2022年04月07日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

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    まるで、異世界転生のラノベのような
    ノリで書かれているが、
    優れた学術書。
    古代中国の暮らしが、
    想像できるように表現も
    工夫されている。

    研究成果を社会に還元しようとする
    学者の誠実さが感じられる好著。

    他の時代、他の地域でも
    こういう本が登場して欲しい。

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    2022年03月21日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

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    秦漢時代の庶民の暮らし24時間を細部まで再現する。人物、出来事中心の歴史とは対照的な画期的な試み。

    英雄が歴史を動かすのとは異なる、筆者曰く「動かない歴史」。朝起きてから眠りにつくまでの24時間、古代は秦漢の頃の中国にタイムスリップした読者の前に展開される日常生活を生き生きと描いた作品。

    筆者の想像ではなく脚注の多さで分かるようにどれも根拠のある描写、筆者の並々ならぬ労力と引き換えにリアルな生活の息吹が読者に伝わってくる。ちょっとしたエピソードや絵、像などを組み合わせたことが成功している。

    筆者によるとローマ人の24時間については作品があるようだが、中国史においては画期的な試みのようだ。

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    2022年02月11日
  • 劉備と諸葛亮 カネ勘定の『三国志』

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    経済を軸に見た三国志。劉備と諸葛亮に焦点を当て、その実像に文献史料のみならず出土史料等の数多くの史料から迫っている。古い研究から直近の研究までが参考にされていて、端々に誰の何年の研究に基づいてそう言えるのか典拠が示されているのも良い。こうした新しい劉備・諸葛亮像で物語を描いても画になる気がした。ただ著者も認める通り当時の人口・個数統計は不正確で、戸籍に乗らない人口が相当数あったことは事実である。そういう人口が国力に何も影響を与えなかったとは思えないので、今少し掘り下げる必要はありそうだと思う。

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    2021年12月26日
  • 劉備と諸葛亮 カネ勘定の『三国志』

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    三国志のメイン登場人物である劉備と諸葛亮を物語的な英雄としてではなく、国家と経済の運営者として分析する。

    三国志の良心として語られる劉備だが、実際は聖人君子どころか、資金難に追いかけられ、関羽や張飛などの部下にも満足な報奨を払えない。その土地の有力者に借金を重ねて、なんとかやりくり。ときには諸葛亮が連帯保証人になることもあった。

    苦労を重ねて蜀の国を立ち上げるが、これだって、劉璋から土地・財産を詐欺まがいで奪い取ったものだ。当然、皇帝になったのも魏に対抗して、漢王朝の復活を目指したものではない。部下たちに官位を与えることが大きな理由だ。

    と、まるでアコギな中小企業経営者のような行動。要す

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    2018年07月27日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

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    前漢中期を思わせる、比較的平和な古代中国の日常を、史書の記述を元に活写した一冊。史記や三国志が好きな人なら楽しく読めるのでは。現代人と大差ない人の営みを描いていて親近感が湧いたけれど、実際にはもっと治安が悪くて人の命が紙より軽い、恐ろしい世界だったのではないか、という気はする。義侠の人々と貪官汚吏とが入り混じった、アンダーグラウンド色強めの社会を描いたらさらに面白い本になりそう。

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    2025年08月20日
  • 古代中国の裏社会

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    史記游侠列伝において筆頭に挙げられる郭解に焦点をあて、その生涯と活動内容へと実証的に迫る試みであり、読みやすい本文と詳細な注釈が合わさって、古代中国民衆社会の一端が身近に感じられる興味深い内容だった。

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    2025年07月05日
  • 劉備と諸葛亮 カネ勘定の『三国志』

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    『三国志演義』に描かれる劉備や諸葛亮、その他の登場人物のイメージと、歴史学の知見から見た実際の姿のギャップを明らかにする一冊です。この本を読むことで、劉備や諸葛亮が必ずしも理想的な人物ではなかったことが分かりました。
    さらに、三国志の時代の武将たちがどのように財源を確保し、それが国の強さに直結していたかについても詳しく解説されています。

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    2024年07月12日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

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    古代中国にタイムスリップしたという体で、当時の人々の24時間を体験するというもの。
    農民や商人、貴族や皇帝など、立場の違う人々が出てくるので完全とは言えないが、そもそも文献に残っている日常は少ないのでこれだけでも十分楽しめた。
    歴史的な出来事は残しても、当たり前の日常は記録に残さないだろうし。
    そういう意味では日記というのは後世においては貴重な文献になるのだな。

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    2023年10月29日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

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    気鋭の中国史家が、文献史料と出土史料をフル活用し、服装・食卓・住居から宴会・性愛・育児まで、秦漢時代を中心とした古代中国の1日24時間を再現。「読者が古代中国にタイムスリップし、1日24時間を生き抜く」という架空の設定のもと、ロールプレイングゲームのような体裁をとっている。逐一注釈がついていて、信頼性が高い。
    限られた史資料からとはいいながら、かなり詳密に古代中国の日常生活が再現されていて、とても興味深い内容だった。2000年前の中国とはいっても、思った以上に現代の日本の生活にも近いものを感じた。古代中国においては、当時の生活をイメージしやすい壁画や明器などが豊富に残されているのが、羨ましく感

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    2023年10月01日
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで

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    ネタバレ

    秦漢時代の中国に異世界転生、あるいはタイムリープして24時間を過ごす中で、当時の中国の人たちの暮らし、風習を見ていこう、というテイの本。
    三国志のような英雄モノなどでは決して描かれない、ごく普通の日常生活がどのように送られているのか、イケメンの定義とは?当時のトイレって?など、言われなければ気にならないけど、言われてみると気になるような内容が載っている。
    すべて、史記や漢書にはじまり文選、呂氏春秋など膨大な一次資料に散らばる細々とした記述をピックアップし、考古学的資料による説明とともにまとめられている。
    読んでいると自分が古代中国の町の中に迷い込んで、市井の人たちの暮らしを垣間見ている気分にな

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    2023年04月21日