柿沼陽平のレビュー一覧
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官吏はルックス採用が多く美男子の要素の一つは髭であり、髭を剃っているものは宦官や犯罪者とみなされた。
髭を剃る刑罰があった
庶民の多くが氏を持つようになったのは紀元前前後
気軽に名字を変えた
家族などの親密でない他人を名で呼んではいけなかった、特に皇帝の場合は公文書にも使ってはいけなかった
姓+官職・役職名
地図は北が下、南が上
郡>県>郷>里
中国北部は人口密集地帯、南部は過疎
普通語や共通語の概念がなかった
長江流域は鬱蒼とした森林に覆われて今とは生態系が異なっており、象が生息していた。また在任や民がそこに逃げ込めば捕まえるのは難しかった
毛先から魂が抜けてゆくと信じて毛先を隠していた -
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古代中国で、人々がどう暮らしていたのか。
膨大な資料から生活習慣に絞って集大成した十年がかりの労作。
古代にタイムスリップして一日を過ごしてみたら?
といった体裁でまとめられていて、ユーモアもあり、読みやすいです。
秦や漢という大国がすでにあった頃、何百年にも及びますが、ほぼ紀元前という。
ドラマでは現代感覚も加味してあるので、いや、ここまで豪勢じゃないでしょ、精巧じゃないでしょ?と思う面もあるけれど、既に多くの書物があり、法律があり、文化があったことも事実。
で、日々の暮らしの実態は?
皇帝は早朝に起き、えんえんと案件を審査する。
朝起きたら口は漱ぐが、歯を磨くというところまではない。
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購入済み
素朴な感じをたたえた拓本や模写
以前「古代ローマ人の24時間」という本を読んだことがあるが、本書はよく似た手法を採用した古代中国版である。全巻トリビア蘊蓄の塊であるが、古代ローマと違ってそれらトリビアが、古代中国の格言やことわざとして現代日本語に残っているので、大変に興味深い。基礎知識的な話の多い導入部はそれほど面白くないが、中盤以降、俄然面白くなってくる。文中に様々の絵が散りばめてあるのも楽しい。特に素朴な感じをたたえた拓本や模写がいい。
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秦漢時代の庶民の暮らし24時間を細部まで再現する。人物、出来事中心の歴史とは対照的な画期的な試み。
英雄が歴史を動かすのとは異なる、筆者曰く「動かない歴史」。朝起きてから眠りにつくまでの24時間、古代は秦漢の頃の中国にタイムスリップした読者の前に展開される日常生活を生き生きと描いた作品。
筆者の想像ではなく脚注の多さで分かるようにどれも根拠のある描写、筆者の並々ならぬ労力と引き換えにリアルな生活の息吹が読者に伝わってくる。ちょっとしたエピソードや絵、像などを組み合わせたことが成功している。
筆者によるとローマ人の24時間については作品があるようだが、中国史においては画期的な試みのようだ。 -
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三国志のメイン登場人物である劉備と諸葛亮を物語的な英雄としてではなく、国家と経済の運営者として分析する。
三国志の良心として語られる劉備だが、実際は聖人君子どころか、資金難に追いかけられ、関羽や張飛などの部下にも満足な報奨を払えない。その土地の有力者に借金を重ねて、なんとかやりくり。ときには諸葛亮が連帯保証人になることもあった。
苦労を重ねて蜀の国を立ち上げるが、これだって、劉璋から土地・財産を詐欺まがいで奪い取ったものだ。当然、皇帝になったのも魏に対抗して、漢王朝の復活を目指したものではない。部下たちに官位を与えることが大きな理由だ。
と、まるでアコギな中小企業経営者のような行動。要す -
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気鋭の中国史家が、文献史料と出土史料をフル活用し、服装・食卓・住居から宴会・性愛・育児まで、秦漢時代を中心とした古代中国の1日24時間を再現。「読者が古代中国にタイムスリップし、1日24時間を生き抜く」という架空の設定のもと、ロールプレイングゲームのような体裁をとっている。逐一注釈がついていて、信頼性が高い。
限られた史資料からとはいいながら、かなり詳密に古代中国の日常生活が再現されていて、とても興味深い内容だった。2000年前の中国とはいっても、思った以上に現代の日本の生活にも近いものを感じた。古代中国においては、当時の生活をイメージしやすい壁画や明器などが豊富に残されているのが、羨ましく感 -
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ネタバレ秦漢時代の中国に異世界転生、あるいはタイムリープして24時間を過ごす中で、当時の中国の人たちの暮らし、風習を見ていこう、というテイの本。
三国志のような英雄モノなどでは決して描かれない、ごく普通の日常生活がどのように送られているのか、イケメンの定義とは?当時のトイレって?など、言われなければ気にならないけど、言われてみると気になるような内容が載っている。
すべて、史記や漢書にはじまり文選、呂氏春秋など膨大な一次資料に散らばる細々とした記述をピックアップし、考古学的資料による説明とともにまとめられている。
読んでいると自分が古代中国の町の中に迷い込んで、市井の人たちの暮らしを垣間見ている気分にな