村山治のレビュー一覧

  • 工藤會事件(新潮文庫)

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    警察小説でよくある検察と警察の足の引っ張り合いみたいなのが、本当のことなんだなぁと実感。
    報復を恐れて被害者すら証言したくないって言う恐ろしい状態が改善されて良かったなぁ

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    2025年01月13日
  • バブル経済事件の深層

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     経済の知識もなく、バブル経済事件と言われても、何のことか具体的に思い起こされることもない経済オンチである。しかし、この本を読んで、複雑で難解な事件の一端を知ることとなり、時代の大きなうねりの中で人生を狂わされ、大きな代償を払うことになった人々の人間ドラマに大きく感情を揺さぶられた。バブル絶頂期に放漫経営で銀行に多くの損失を積み重ねた経営陣は、巨大な利益を手に逃げおおせ、たまたま悪い時に、いるべきでない場所にいたと言うだけで、多大な犠牲を強いられる理不尽に、怒りが収まらない。
     ひとつ新鮮に感じたのは、大蔵省や政権の腐敗と失政に国民が怒り、為政者の決断に変更を迫っていたということだ。不正を怒り

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    2024年11月24日
  • 安倍・菅政権vs.検察庁 暗闘のクロニクル

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    久しぶりに面白い政治モノを読んだ。推測だが事実の積み重ねで確かにそうかもと思わせる筆力、取材先への食い込み。確かに政治とはこういうアヤの中で動いていくのだろう。

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    2021年01月04日
  • 安倍・菅政権vs.検察庁 暗闘のクロニクル

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    すごく面白くてあっという間に読み切っちゃいました。芸能人もTwitterのハッシュタグを使ったいわゆるオンラインデモで反対されたとされる検察庁法改正案、その舞台裏が垣間見える手に汗握る内容でした。著者は今回の人事騒動は、「安倍政権の、安倍政権による、安倍政権のための人事劇」であって当事者であった黒川さんはもちろん、名古屋に転出された林さん、法務事務次官で人事を握った辻さんは被害者であったという結論を下しています。確かにその認識は正しいと思いますし、長年不文律であった検察の人事を破り、介入してきた安倍政権はかつての戦前の軍部政権すらの様相すらも覚え、戦々恐々ですが、検察も政治に対して隙を見せすぎ

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    2021年01月01日
  • 安倍・菅政権vs.検察庁 暗闘のクロニクル

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    これまでは官邸vs一部マスコミ(+世論)で見聞きしてきた一連の流れを検察庁という視点を通してみると
    違った感覚が沸き上がってきて自分事ながら驚いた
    なんか切なさすら感じた

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    2022年09月14日
  • 安倍・菅政権vs.検察庁 暗闘のクロニクル

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    政権による検察への人事介入が疑われた、黒川弘務氏と林真琴氏のいずれが検事総長のポストに就くかということを巡る一連の騒動について、著者の取材メモをもとに過去の経緯から解き明かしている。
    関係する本人たちはいずれも取材拒否だったとのことだが、ここまでよく取材して一連の流れを再構成したな、という内容だった。黒川氏と林氏の人となりもよくわかり、黒川氏はある意味被害者であると感じた。

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    2021年07月04日
  • 安倍・菅政権vs.検察庁 暗闘のクロニクル

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    ここでも学術会議と同じように菅と杉田が関わっているんだ。何だか戦前のようで背筋が寒くなるね。
    本書を読むまでは、黒川氏が検事総長を狙って官邸と一緒にこの騒動を引き起こしたと思っていた。そして賭け麻雀で失脚して溜飲を下げた。(市井の一般庶民の大半はそう思ってるだろうね)
    でも黒川氏は一番の被害者だったんだね。一旦は黒川氏の勤務延長を承知していた稲田の責任も重い。新聞だけを読んでいてもこう言った事は分からない。
    黒川氏と賭け麻雀をやっているような近しい新聞記者がこう言う政府の驕りを真っ先に追及しなければならないのに、文春砲の尻馬に乗るようでは恥ずかしいね。

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    2021年05月23日
  • 安倍・菅政権vs.検察庁 暗闘のクロニクル

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    組織の中で働き続けるというのは大変なことで、「人事」は一筋縄ではいかないものだということがよくわかった。
    著者は、かつては大手新聞社におられた。その時から地道に取材を続けてこられたことが、この著作に繋がった。検察と政府の「暗闘」がわかりやすく、興味深く描かれている。

    新聞社やテレビの力は今でも大きいはずなのに、自分たちで自分たちの首を絞めているかのような、どちらを向いてるの?というような記事や番組。
    マスコミがしっかりしてくれないと国民が真実を知れなくなってしまう。怪しいネット記事に騙されてしまう。お願いだから、笛美さんや文春に負けずにしっかりして!

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    2021年02月24日
  • 検察―破綻した捜査モデル―

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    検察について記者の立場から分析した一冊。

    検察の恐ろしさについて、これまで以上に深く知ることができた。

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    2019年07月29日
  • バブル経済事件の深層

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    経済記者による、バブルを象徴する事件の当事者たちへのヒアリングをまとめた本。
    事件後に当事者に取材を当てているだけでなく、事件時・あるいは事件前から接触をしているケースもあり、他の経済事件本とは臨場感が違う。

    一番面白いのは終章で、定期的に昼食会を開くほど仲睦まじかった大蔵省と特捜部のキャリア組が次第に険悪になっていく様が淡々と描かれるところ。
    その昼食会にずっと参加していた著者でしか書けない。
    この章だけ具体的な単独の事件を追った内容ではないので浮いた感じになっているが、この部分だけでもこの本を読む価値がある。

    著者らにとってはバブル崩壊は人生をかけたテーマだという。
    何らの解答もまだ得

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    2019年06月09日
  • 田中角栄を逮捕した男 吉永祐介と特捜検察「栄光」の裏側

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    巨悪と検察というプロローグで始まり、ロッキード事件前夜から検察の動きを、吉永祐介という検事と深く関わった記者の鼎談だ。
    検察も、政治家も、企業人も、記者もすべて人の子、自分と深く関わった人間との心の機微、悩み、怒り、喜び、お互いに一喜一憂してきた過去が、一定の時間が過ぎ、客観的に俯瞰できる。
    人間の造った制度で完璧なものはできるはずはない。
    だけれども、それぞれの心に宿る正義感、これとて、人それぞれに微妙に異なる。
    検察が取り上げようとする事件、その中身の動向を知りたい記者、また、その時々の世の中のトレンド、価値観、何が正しいのか、何が正しかったのか、それは、誰も評価できない。
    本の中で、吉永

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    2017年02月02日
  • 検察―破綻した捜査モデル―

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    検察の不祥事が何かと取り上げられるけど、それは捜査モデルが破綻しているからなんだって。
    著者は検察取材の第一人者と言われているだけあって、取り上げる内容は含めて説得力がある。いろいろ配慮して、あえて伝聞を装っている部分もあるんだろう。
    被疑者を検察のストーリー通りに供述を固める「割り付け」という手法なんて恫喝もいいとこ。強力な利益誘導も当たり前。
    取り調べと調書を偏重するのが検察モデルの破綻につながると著者は指摘しているが、わが国も海外諸国に倣って刑事免責や司法取引を導入するなど刑事司法が大きく変わるようなことはこの先あるのだろうか。82点。

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    2013年04月15日
  • 工藤會事件(新潮文庫)

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    福岡では一時期頻繁に報道されていた、共同謀議を根拠とした工藤会のトップの逮捕と裁判についての取ルポ。事件の経緯については時系列が前後するなど読みずらいなど構成に難ありと感じたが、全体的には読みやすく、事件全体をよく理解できた。

    頂上作戦の起点となった梶原射殺事件。新聞やテレビではでは、港湾利権をもつ一般市民が犠牲となったように報道されていたが、元梶原組の組長であり、当時の工藤組系組織と抗争し、殺人未遂で服役していたなどグレーな存在。そういう人物だからこそ、工藤会は執拗に利益供与を強要しようとしたのだろう。
    2012年に「暴力団立入禁止」標章を掲示するよう飲食店経営者に警察が指導したが、その約

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    2025年03月09日
  • 工藤會事件(新潮文庫)

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    村山治『工藤會事件』新潮文庫。

    北九州を修羅の街に変貌させた日本最凶の暴力団と警察・検察との闘いを描いたノンフィクション。『第11章 工藤會事件のその後』を書き下ろしで追加。

    極めて淡々とテロ組織と化した指定暴力団の凶行と警察と検察の頂上作戦の状況が綴られる。


    暴力団追放を図るクラブの襲撃、工事利権を巡る建設事務所への発泡、見せしめのための造反者の射殺と一般市民への攻撃を繰り返す指定暴力団の工藤會。工藤會の暴走を打破するために警察と検察はタッグを組み、全国から精鋭を集結し、史上最大の頂上作戦を展開する。

    本体価格710円
    ★★★

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    2025年01月22日
  • 工藤會事件(新潮文庫)

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    事実を大切にしたとても誠実な内容。淡々とした語りの中でも際立つ工藤會の言動や脅し。
    逮捕までの紆余曲折も面白いが、個人的に法廷での主張のぶつかり合いが見所
    印象的なワード「金の切れ目は、射殺」

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    2025年01月15日
  • 安倍・菅政権vs.検察庁 暗闘のクロニクル

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    黒川さん問題だけでここまで話を広げて書けるのは、さまざまな取材の賜物だと思うけど、いかんせん長く、それほど痛快な内容ではなかった。。
    官僚機構の闇、旧態依然の政治家、その辺のところは事前に知っていたので、、、若干期待外れ。。

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    2021年07月18日
  • 安倍・菅政権vs.検察庁 暗闘のクロニクル

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    表面に見えたことだけしかわからない新聞やテレビの報道と比べて、深く、歴史的な因縁まで解き明かす迫力ある記述だった。
    が、繰り返しが多いのが気になる。もっと簡明に書けたのではなかろうか。

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    2021年02月10日
  • 安倍・菅政権vs.検察庁 暗闘のクロニクル

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    2020/12/13検察庁vs安倍菅政権
    黒川vs林の検事総長争いより政権の検察庁支配
    黒川も犠牲者 本人は希望せず 
    政治に近い存在はマイナス
    現政権=安倍と菅が必要とした 

    総長人事権と捜査指揮権は一体
    検察庁独立の揺らぎ 検察の信任
    安倍一強政権の権力欲と驕り
    内閣法制長官 日銀総裁
    そして検察庁総長、学術会議、マスコミ
    人事支配でオールマイティを目指す
    安倍は「日本国の王」たらんとしたのか

    権力のチェックシステムをいかに構想するか?

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    2020年12月28日
  • バブル経済事件の深層

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    自行が発行した債券(金融債)を顧客に買わせ、それを担保とした融資を「ノーリスク」と表現し資金使途も確認せず過剰に貸し出す。破綻の危機にある融資先に自行職員を送り込み、自行に有利な偏頗弁済をさせる。大蔵省(当時)担当局長の意を忖度するあまり、海外当局への事故報告を怠ることのリスクを見失う。不良債権の早期処理を標榜しながら、個別の銀行の問題では資産査定のエンピツを舐める弥縫策に終始する…

    ひどい話だと思うが、これらがバブル期特有の奇特な症状であるとも言い難いのが虚しいところ。おそらく今後金融システムに異常が起こるたび、似たようなことは起こるだろうし、今現在も程度の差はあれ密かに行われているはず。

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    2019年09月24日
  • 検察―破綻した捜査モデル―

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    『江戸時代の罪と罰』を読み、現代の司法制度について学びたかったので、読んだ。
    まず、著者の村山治氏がどれほどの人なのかは分からない。検察関連の著書が多いが、実際に検察の内部にいた人間ではない。
    しかし、検察という組織の概要はつかむことができた。
    検察は起訴をする権利を持つ、巨大な権力である。そして、権力には必ず腐敗がある。法を扱う権力ゆえに、他の権力に比べて腐敗は少ないかもしれない。しかし、現実に腐敗があった。保身もあった。
    司法制度改革が進んできた昨今ではあるが、さらなる改革が必要だ。
    この辺りは別の本も読んで、勉強しよう。

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    2016年04月14日