アンドレ・アシマンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ相変わらずほろ苦いけれど爽やかな物語だ。お父さんとミランダのくだりは少し冗長だったかなと感じたが、読んで数日経つと、あとからじわじわ旨みのようなものが湧き上がってくる。
この人とはお互いに深いところで分かり合える、と思える相手とはいつ出会えるんだろうか。出会えたとしても、人生を共にすることは出来るんだろうか。
自分は昔、自分の価値観とこの人の価値観は同じだ!とびびっとくる人に出会ったことが一度あるけれど、片想いで終わってしまった。相手も少なからずそう感じていたんじゃ?とも思ったけれど、自分にすでに相手がいたのでどうしようもなかった。
前作で、エリオがオリヴァーに会いに行く前に、エリオが出会っていたミシェルという存在。普通の恋愛小説だと、当て馬的な登場人物になってしまうのに、そうはさせないミシェルの背景描写に唸った。そして、エリオとの年齢差から、ともすれば父性的なものが大きくなりそうなのに、恋人としてのエロスがしっかりあり、エリオに彼が忘れていた情熱を思い出させるきっかけになる。ミシェルがしっかりした恋人として描かれているからこそ、そこからオリヴァーに帰ることに、説得力が出てくる。つまり、エリオにとっての唯一はオリヴァーだったということに。
この小説に出てくる人物たちは、世間の夫婦とは恋人とはどうあるべきかということに悩みはするけれど、それでも自分の欲望に素直に従い、自分にとっての唯一を求めていく。
しかし、その唯一と出会ってさらに人生を共にするには、きっとそれを探す時間や、唯一とずっと共にあるために経験値を積まないといけないのだ。だから、エリオの父親もミランダに出会うのに時間がかかったし、エリオとオリヴァーも結局20年もかけなきゃいけなかった。
この物語のいいところは、唯一に出会うまでの時間を、全肯定も全否定もしないところだ。ただ、そうあった自分、無色だけれどその時間を過ごした自分達がいると描写する。
この空白の時間があるから、2人の関係性を殊更素直に受け取ることができる。自分が生きるこの世界でも、こんなふうに自分の魂と呼応する相手が見つかるのかもしれないと、希望を抱かせてくれるのだ。
今の自分、夫と子供のいる自分も、素敵だと思う。でも今後数十年経ったときに、もしかしたらびびっと来る人にまた出会えるんだろうか?それはそれで素敵な話だと思うし、生きるのが楽しくなってくる。
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購入済み
君の名前で僕を呼んで
映画を先に見てから小説を読みました。
映画と小説で多少違う部分もあり探すのも楽しかったです。
少し表現の仕方が僕の頭じゃ理解できない所もありましたが。
普段小説など読まないんですが、映画と同様小説も凄く良くて、読んで良かったと心から思ってます!
感情移入しすぎて、何度も泣きました。2人は、相思相愛なのに。。。時代背景だと無理やり納得する様にしてますが、やっぱり………泣いてしばらくあのシーンの事で頭がいっぱいになりモヤモヤしてました。いや、まだモヤモヤしてます。
エリオ側じゃなく、オリヴァー側ももっと見てみたいなぁと思いました!
2人の思い出を見させてくれてありがとうございました! -
ネタバレ 購入済み
映画のネタバレ含む
映画のさらに後の時系列にまで言及されています。
ものすごい余韻があります。
I remember everything
何一つ忘れない。
僕はなんでも覚えている。
映画の続編もあるらしいので楽しみにしています! -
Posted by ブクログ
映画が好きで読み始めた1冊。
これくらいの、大人になる前の少年少女の思春期ならではの乱高下する情緒やふいに訪れる孤独感を持て余している様子を読むのが大好き!
文章が詩的で抒情的で、映画の場面を思い描きながら読めた。イタリアのあの風景が文章でも読めるのは嬉しい。そしてまさかエリオの中にこんなにも熱い、時に変態的でともすれば気持ち悪いくらいの激情が、あんなに初期から秘められていたのにはびっくりした。
映画を見た時には、気に食わないけどなんか気になる存在、としてオリヴァーと出会うところから始まって、徐々に特別な感情が育まれているように見えていたので。
映画は小説と異なり、オリヴァーが突然かけてきた電話で結婚を報告するところ、気にしてない風にさりげなく祝福して受話器を置いたエリオが、ひたすら静かに涙を流し続けるシーンが長尺で流れる(これがもうめちゃくちゃ泣けるので映画見てほしい…!)から、20年後を読めてちょっとだけ救われた気持ちになりました。
「いちばん好きな人とは結ばれない」とはいうけど、この二人もまさにそうだったということか。
最後にあとがき。
高岡香さんのあとがきを読んでなぜか感動した。なんて作者を立てられる訳者さんなんだ、、 -
Posted by ブクログ
なぜ十代の自意識過剰で繊細な少年が永遠に悶々と悩み続ける様を描いた小説はこうも魅力があるのか。「潮騒の少年」はまさにこの小説のアメリカ版って感じだったけど、「君の名前で〜」の方が上品。どっちが良い悪いとかではない。なぜどちらの少年も好きな男がはいたパンツを頭に被るのか。もしこの小説と同じような設定の作品を探してるなら、「潮騒の少年」はオススメ。「君の名前で〜」のような静かで美しくてハイソな雰囲気ではなく、精子の匂いが立ちこめるような思春期男子!て感じだけど。
映画が最高だったから原作はあまり期待していなかったが、いい意味で裏切られた。本当にこの小説の雰囲気をそのまま映画にした感じだったんだなと思った。映画ではよく分からなかった二人の行動の意図とかが、小説には書かれていたりして、また映画を見返したくなる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレエリオパパの恋愛パートが長め
ミランダとの列車での出会いからの、一夜のゆきずりの恋かと思いきや後ほど子供もできる関係までになってるなんて。
エリオ、エリオパパ、ミランダとのヴィジリアは、「君の名前で僕を呼んで」の父との会話と呼応している重要なところだと思う。
「父親としてじゃなく、恋をしている男として。とてもうらやましい」
と言うエリオ。
エリオとミシェルとのパートでは、過去を遡っていくとヨーロッパはユダヤ人、収容所などにつながっていくのはつらい。
2部のエリオ、3部のオリヴァーでどちらともお互いを心の中でずっと求めていることを20年の年月を経てからの4部はよかった。
まずは「君の名前で僕を呼んで」映画を観よう。
続編の映画がどんな切り取り方をするんだろう。 -
Posted by ブクログ
P5 「わが心の友、アルビオに」
アルビオは作中の登場人物ではなく、作者が友人のアルビオに捧げる様子を記載しているようだ
P17「海岸に残った彼の足跡のところに戻って、こっそりそこに自分の足を置きたいと思った」
触ったあとの部分を触りたくなる感覚とか、特別に感じる感覚凄くわかる。
P36 「お願い、僕を傷つけないで(好きなだけ傷つけて)」の真の意味が悦すぎるし、分かりすぎる。
P63 一心同体でありたいからこそ、一緒の考えをもってると思ってたからこそ、オリヴァーとキアラが付き合ったのならオリヴァーが女の子を好きなように、自分も女の子好きと思いたかったのかな、
P147 オリヴァーが毎晩夢に出てきて、懇願して求めてくるような夢を見てて、よっぽど好きなんだよな
夢の中で聞いた「君がやめたら僕は死ぬ」を告白よりも感謝してる心中を思い起こすような心境
P191オリヴァーがエリオの息子さん口に含んだタイミングが心見透かし過ぎてる。賢者なのかなんでこんなにオリヴァーを求めてたのかわからなくなったタイミングでそれは、オリヴァーがエリオにもっと求められたいとかそういう事なのでは?!
P194オリヴァー「君と寝たのを僕はどんなに喜んでるか分かってるのか?」ってあんなにしゃべらなかったりしてたのにメロすぎんか?
P335 達筆のハガキは暁からだった。 -
Posted by ブクログ
恋愛描写、会話の機微がきっと原文には豊かに取り入れられてるだろうに、翻訳の仕方が全然汲み取った感じがしなくて、変にむず痒くなる文章に何度も途中で諦めそうになった。翻訳者のニュアンス解釈どうなってるんだと思ってしまった。
さておき、内容としては、そこもまた「そんな瞬時に情熱的になる、、親子の遺伝子やなあ」と終始俯瞰してしまう部分もあり、と同時に人生を振り返る系の物語はとても好み。訳文への違和感のせいで?おかげで?心を持ってかれすぎずに読めたのはある意味良かったと思う。自分の今の心持ち的に。
他人との向き合い方を月面に例えていた部分がなんとなく好きでした。