アンドレ・アシマンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ前に最初の10分で見るのをやめていた同名の映画、あらためて最初から集中して観た。あんまり良かったので、ジェームスアイボリー監督の脚本はどんな原作を元にしているのか、気になって本を購入(原著のほうが安かったので原著)。読み始めたら止まらなくて、1週間で一気に読んでしまった。
延々と続く17歳の少年エリオの思慕の独白。
恋する相手と一緒に過ごしたイタリアの小さな街の昼と夜の2週間、最初で最後のローマ旅行(別れへ向けての駆け落ち)、そして彼は自分の人生から消え去り、夏の数週間は置物のようになってしまっても、想いは消えない。15年後に思い立って彼を突然訪問したときも、40代手前になった彼の手にそばかすがたくさんできているのを見て、その一つ一つに口づけしたいと思うほど恋焦がれている。彼が死んだ時、自分も一緒に存在しなくなると告白するほどに。
一方のオリバーは、自分の思い描く理想の人生を歩むことを決めた。その選んだ人生のことを彼は「パラレルライフ」と呼ぶ。二人の息子と妻のいる幸せな家庭、順調な人生。エリオのことを自分の名で呼ぶことはなかった。しかし、本当はあの夏のことを忘れているわけではないだろう。オリバーの人生のほうが大変だ。少なくともエリオは一つの自分を生きているわけだから。
君は自分で、自分は君になる。恋ってそういうもんだよね。
物語最後のエリオの言葉が切ない。いつかその恋が成就しますように。 -
Posted by ブクログ
ずっと前に表紙とタイトルに惹かれて買ったけど、途中で読むのをやめてしまっていたので再読。
映画より小説の方が好きだった。映画はイタリアの情景とティモシーシャラメがめちゃいいけど、映画と小説は別物って感じ。
小説の自分の気持ちを一から百まで教えてくれるエリオの感じの方が好き。ずっと色々考えてる感じが自分の思考の中みたいで好きだった。
比喩に富んだ文章の表現が美しくて大好き。
特に好きだったところ3つ。
「あの目を長く見つめていることはできないけれど、どうしてできないのかを知るには、それでも見つめつづけないといけない。」
「一緒にいないときは、他人といるときの彼が僕といるときと同じ人間でいるかぎり、彼が何をしていようが平気だった。外出しているときのオリヴァーが別人でありませんように。僕が見たことのない人間になりませんように。僕たちと一緒にいるときと別の人生を送りませんように。」
「彼は知ってもいい、見てもいい、彼が非難したいなら非難してもいい一一世界じゅうに言わずにいてくれるなら。といっても今は君が僕の世界なんだけど。君があきれて軽蔑したまなざしを向けてきたって構わない。だけどオリヴァー、面と向かって話したとき、君の冷たい表情と向き合うくらいなら、僕は死んだほうがましだ。」
僕は君で、君は僕なんだよ
なんて素敵な感覚なんだろうか。 -
Posted by ブクログ
一読目 2021.4.27
二読目 2024.7.14
一読目の時、読感としては少し気持ち悪さが残っていた。それは性描写が沢山あり、エリオの考えてるぐちゃぐちゃな感情のすべてが分かってしまうことから来たものだと思ってた。
それは感覚的なものであっても間違ってはなかった。けど、今回そう感じたことをより掘り下げて考えられたので、共有する。
この小説は、かなり強いエリオの主観。
更に文の精巧さゆえに、エリオの心理が私の中に溢れんばかりになだれ込む。そうして、自他の境界をうまく保てなかったことで、私は気持ち悪さを感じたのではないかと思う。
今回ものめり込みはしたが前回ほどの気持ち悪さは感じなかったのは、こういったことに気がついたからかもしれない。
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Posted by ブクログ
映画では情景綺麗だな。音楽いいな。この世界観好きだなって感じてた。それもそのはずで原作ではこれでもかってくらいエリオの言葉(心情)が出てくるけど、映画ではそれがほとんどない。そもそもエリオは心の中ではキャパオーバーなんじゃないかってぐらいの情報量で溢れているのに、言葉に出すのはほんの少しだけ。だから傍から見たら映画のように言葉が少ないんだろうな。
でも原作ではエリオの思春期特有の感情のぐちゃぐちゃ状態が延々と描かれていてそれがまた良かった。そしてエリオの感情の解像度がすごい。思春期って漠然とした不安に駆られたりして、それを言語化するのってすごく難しかったりするけど、そういう葛藤とか苦悩を17歳でここまで言語化できるのすごい。
理屈っぽくて皮肉的なところも含めて、今まで読んできた小説の人物の中で一番好きかも。
君の名前で僕を呼んでというのは、相手が自分の半身になること。一つになること。
時間が経ってもそれは変わらなくて、オリヴァーとエリオはずっと一つのまま。
君の名前で僕を呼んでって、誓いみたいで良いな -
Posted by ブクログ
先に映画を見てから読んだ。ティミーエリオ実はこんなに感情ぐちゃぐちゃやったんやな。
わかる〜〜〜〜〜( ; ; )って思う場面ばかりで読んでる私も情緒不安定になったよ。
君の名前で僕を呼ぶこと、私は凄く素敵なことだと思った。
実際好きな人を思い浮かべながら自分の名前でその人を呼ぶ振り?をしてみたら「こんな風に呼ばれたいな」とか「あの人が私の名前を呼ぶときこんな感じのイントネーションだったな」って思って、自分の名前なのに頭の中はその人でいっぱいになった。
だからこそエリオは自分が呼ぶのではなくオリヴァーに呼ばれたかったのかも。
凄く素敵って書いたしあの最後も良い思い出として輝き続けるよねって思ったけど、この感想書いてあの最後やっぱ切ないわって泣いた( ; ; ) -
Posted by ブクログ
ネタバレCall me by your name の続編
「ボロボロに傷付けたのは俺の方、そしてむしろ俺の方が立ち直れていない」
全体の比率として、エリオパパの恋愛の章のボリュームが多く、戸惑いました。やっと最後でエリオが出てきて私の読む気力が急上昇しま
した笑。しかし、パパとミランダとの間にできた息子に「オリバー」(エリオに弟が!!!!!)と名付け、エリオとオリバーの組み合わせだとどうしたって血のつながった子供は授からないのですから、その点でエリオパパの恋愛の章の必要性を感じました。エリオとオリバーはお互いのことを、完全に忘れるでもなく、そのことで頭がいっぱいでもなく、目の前にある恋愛を楽しんだりもしています。
エリオにとってはオリバーとのこと、「大失恋」だったけど、お金持ちのサミュエルに大事に大事にされて、読んでいて少し救われました。なのですが、エリオはふとした瞬間に「やっぱり自分が1番大切な人はあの人」と気づくのですね。そうオリバーも、お互いに。「君の名前で僕を読んで」の最初から、「Find me」のオリバーの章の手前までは、エリオ目線でずっと書かれています。なのでエリオだけがオリバーを懐かしんでいるとどうしても感じます。ですが、オリバーの章ではオリバーもまたエリオのことをどれだけ好きだったか、ということがわかります。あの映画を観れば「あの二人がまたいつか出会ってほしい」とほとんどの方が思われたと思います。永久に別れたままなんで絶対嫌だと。ラストはとても素敵な終わり方になっています。私はこの結末に本当に救われたし、心から読んで良かったと思いました。映画を観た方にはぜひ読んでいただきたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ美しい映像、美しい音楽、美しい男。
映画版「Call me by your name」がとてもよかったので、原作を読みました。
映画ではさほど描かれていなかったエリオの心の葛藤がよくわかります。
エリオとオリヴァーが、駅で別れる描写、まるごと原作にはないです。映画でのこの描写もとても良かった一方で、全く書かれていないことで、私の想像力が掻き立てられとても悲しくなりました。映画のラストはオリヴァーが電話でエリオに結婚を告げ、暖炉に向かってのエリオの涙顔で終わりますが、原作はその後も少し描かれていて、「大失恋」だったかもしれませんが、原作のラストは悲しみの大きさは減らないにしろ、気持ちをストンと着地させることができました。映画のような終わり方だと、「エリオが気の毒すぎてどうしよう?」とかなり動揺していたものの、これを読んでしみじみとした気分になりました。原作のラストの数行、とてもいいですよ。映画を観て気に入った方はぜひ読んでほしい一冊です。また原作を読んでも、映画のあの美しい世界が色褪せることもないので安心です。