【感想・ネタバレ】君の名前で僕を呼んでのレビュー

あらすじ

「あとで!」乱暴で無愛想でそっけなくて冷淡なその響きは、オリヴァーについて真っ先に思い出す言葉だ。十七歳のあの夏、エリオがオリヴァーと過ごした日々は、鮮やかな記憶として今も消えずに残っている。毎年、夏休みになるとエリオの家に滞在する若い研究者のひとりでしかなかった彼の最初の印象は、好きになれるかもしれないし、大嫌いになるかもしれない男だった。しかし、すぐにエリオは彼から目が離せなくなり、話ができれば幸せに、よそよそしい態度をとられれば傷つくようになって──。切なくも甘いひと夏の恋を描いた青春小説。

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Posted by ブクログ

青春小説で言い表せない、私にとって至高の一冊だった。まず、自殺願望や殺意すら湧く片想いの心理描写に、溺れるように引き込まれる。純文学的で好みは別れそうだが、この繊細で赤裸々な心理描写ほど小説の極みだと。エリオの心に四六時中駆け巡る思慕が、痛々しいほど生で綴られていく。

映画だと軽薄に見えるオリヴァーだが、本書の後半では、彼の葛藤や優しさが伝わる。父の言葉もより説得力があり、原作読んで良かったと実感。

十二年後のシーンがすごい。愛の頂点に至って別れた二人にしかできない会話が聞ける。最後の一行まで容赦なく心に響き渡ります。

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

切ない。二人が溶け合ってる感じがタイトルになってて良い。お父さんが素敵すぎて現実的ではないと思う。ほんと最後トドメの一撃感あって辛くなった。

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

「放っておけば自然に治るものを、もっと早く治すために心の一部をむしり取ってしまえば、三十歳になる頃には心が空っぽになり、新しい相手と関係を始めようとしても相手に与えられるものがないことになる。」

喪失と経過の向き合い方に正解が無いのが分かる。あるのはただパラレルのみで、干渉できない実感が首を絞める

戻れない青春。戻れないから青春。

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2024年07月13日

Posted by ブクログ

一読目 2021.4.27

二読目 2024.7.14
一読目の時、読感としては少し気持ち悪さが残っていた。それは性描写が沢山あり、エリオの考えてるぐちゃぐちゃな感情のすべてが分かってしまうことから来たものだと思ってた。

それは感覚的なものであっても間違ってはなかった。けど、今回そう感じたことをより掘り下げて考えられたので、共有する。
この小説は、かなり強いエリオの主観。
更に文の精巧さゆえに、エリオの心理が私の中に溢れんばかりになだれ込む。そうして、自他の境界をうまく保てなかったことで、私は気持ち悪さを感じたのではないかと思う。
今回ものめり込みはしたが前回ほどの気持ち悪さは感じなかったのは、こういったことに気がついたからかもしれない。

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2024年07月14日

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映画では情景綺麗だな。音楽いいな。この世界観好きだなって感じてた。それもそのはずで原作ではこれでもかってくらいエリオの言葉(心情)が出てくるけど、映画ではそれがほとんどない。そもそもエリオは心の中ではキャパオーバーなんじゃないかってぐらいの情報量で溢れているのに、言葉に出すのはほんの少しだけ。だから傍から見たら映画のように言葉が少ないんだろうな。
でも原作ではエリオの思春期特有の感情のぐちゃぐちゃ状態が延々と描かれていてそれがまた良かった。そしてエリオの感情の解像度がすごい。思春期って漠然とした不安に駆られたりして、それを言語化するのってすごく難しかったりするけど、そういう葛藤とか苦悩を17歳でここまで言語化できるのすごい。
理屈っぽくて皮肉的なところも含めて、今まで読んできた小説の人物の中で一番好きかも。

君の名前で僕を呼んでというのは、相手が自分の半身になること。一つになること。
時間が経ってもそれは変わらなくて、オリヴァーとエリオはずっと一つのまま。

君の名前で僕を呼んでって、誓いみたいで良いな

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2024年04月12日

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ネタバレ

色んなかたの感想を読んでいたらもう一度、読みたくなりました。
異国の風景をイメージしながら読みました。
夏の一時、冷たい川の水や、太陽の降り注ぐ道、他にもいっぱいあるのですが、やめておきます。
続編も読んで…ちょっと泣いてしまった。
大好きな本です。

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2024年01月13日

Posted by ブクログ

映画とともに、じっくりと味わえる物語。美しくて泣きそうになる。どのページを開いても異世界にビューンと連れていってくれる。現実逃避もの。

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2023年12月15日

Posted by ブクログ

先に映画を見てから読んだ。ティミーエリオ実はこんなに感情ぐちゃぐちゃやったんやな。
わかる〜〜〜〜〜( ; ; )って思う場面ばかりで読んでる私も情緒不安定になったよ。

君の名前で僕を呼ぶこと、私は凄く素敵なことだと思った。
実際好きな人を思い浮かべながら自分の名前でその人を呼ぶ振り?をしてみたら「こんな風に呼ばれたいな」とか「あの人が私の名前を呼ぶときこんな感じのイントネーションだったな」って思って、自分の名前なのに頭の中はその人でいっぱいになった。
だからこそエリオは自分が呼ぶのではなくオリヴァーに呼ばれたかったのかも。
























凄く素敵って書いたしあの最後も良い思い出として輝き続けるよねって思ったけど、この感想書いてあの最後やっぱ切ないわって泣いた( ; ; )

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2023年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

美しい映像、美しい音楽、美しい男。
映画版「Call me by your name」がとてもよかったので、原作を読みました。
映画ではさほど描かれていなかったエリオの心の葛藤がよくわかります。
エリオとオリヴァーが、駅で別れる描写、まるごと原作にはないです。映画でのこの描写もとても良かった一方で、全く書かれていないことで、私の想像力が掻き立てられとても悲しくなりました。映画のラストはオリヴァーが電話でエリオに結婚を告げ、暖炉に向かってのエリオの涙顔で終わりますが、原作はその後も少し描かれていて、「大失恋」だったかもしれませんが、原作のラストは悲しみの大きさは減らないにしろ、気持ちをストンと着地させることができました。映画のような終わり方だと、「エリオが気の毒すぎてどうしよう?」とかなり動揺していたものの、これを読んでしみじみとした気分になりました。原作のラストの数行、とてもいいですよ。映画を観て気に入った方はぜひ読んでほしい一冊です。また原作を読んでも、映画のあの美しい世界が色褪せることもないので安心です。

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2023年08月13日

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“君と一緒にいるとき、他には何もいらない。君がいてくれたら、僕は自分を好きになれる。君と一緒にいるときの自分を好きになれる。世の中に真実というものがあるとしたら、それは僕が君といるときに存在するんだ。”

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2023年06月19日

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この物語を表す最適な表現が見つからない自分の語彙力の無さ、知性の低さに悲しくなる
美しい以上の言葉でなんと表現すればいいか分からない。“オリヴァー前“と“オリヴァー後“

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2023年04月20日

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お気に入りの一冊です。
文からチェレステ色がいっぱいに広がってくるのがたまらない。色彩豊かでとっても好きです。

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2023年04月08日

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映画を観た時よりも、題名の意味が理解できた気がした。読んだ後、しんどくて胸の詰まるような思いがなかなか消えなかった。
エリオの、悲しみが来る前に悲しみを予期しておく気持ちがよくわかるし、だからこそ父親の言葉にはっとさせられて救われた気がした。自分もエリオの父のような事を言える大人になりたいと思った。
続編も絶対見る!!

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2023年02月01日

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映画にはまったので、読んだ。
映画をみたあとよむと、映画の一つ一つの場面の深さをしれる。なるほど・・・。みたいな。
にしてもこれも自伝的な話なのかな。
十代後半の賢い男の子が、恋に落ちる話。
賢い者同士がとっっっても人を好きになるって、こういう感じ。
会話が抽象的でとても良い。
男同士だから、、こうなっていくのもわかる。それにしても切ない、とても切ない。

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2022年09月24日

Posted by ブクログ

痛いほどの青い恋。恋することが十二分に描かれている、男同士だからこそその純度が高く思え、一夏の恋が尊く感じる。

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2025年12月06日

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ひたすらに美しい。
17歳だからこその純粋で繊細な感情。
エリオから見たオリヴァーや周りの人、景色などの描写がとても好き。
この本にもっと早く、できれば学生の時に出会いたかった。

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2022年08月31日

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夏のイタリアにいる気分になれた
エリオとオリヴァーの会話は思慮深く、自分の生活や会話とは程遠く読んでいて学ぶものが多かった

エリオが日記に、オリヴァーが夢で言ったことを夢とは書かずに記録して、未来の自分がそれを読んだ時一瞬でも現実だと思いたい という場面が特に好き
記憶は自由自在だからこそ自分の記憶していたい様に記憶すれば良いと思った
オリヴァーと20年後再会して二人が別の人生を歩んだ後も尚、お互いへの愛情、イタリアやローマでの思い出のひとつひとつ確かめあっていく
二人が過ごした時間は他の恋人たちよりも短かったのかもしれないけれど、エリオの人生を丸ごと変えてしまった出会いをした事が羨ましかった

映画は観ていたけれど、その時の自分には理解出来なかった部分が少し分かるようになっ気がした
今度上映されるみたいなので、ティモシーやアーミーが映る映像の美しさ以外も堪能したくて原作を読んだ

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2022年05月22日

購入済み

君の名前で僕を呼んで

映画を先に見てから小説を読みました。

映画と小説で多少違う部分もあり探すのも楽しかったです。

少し表現の仕方が僕の頭じゃ理解できない所もありましたが。

普段小説など読まないんですが、映画と同様小説も凄く良くて、読んで良かったと心から思ってます!

感情移入しすぎて、何度も泣きました。2人は、相思相愛なのに。。。時代背景だと無理やり納得する様にしてますが、やっぱり………泣いてしばらくあのシーンの事で頭がいっぱいになりモヤモヤしてました。いや、まだモヤモヤしてます。

エリオ側じゃなく、オリヴァー側ももっと見てみたいなぁと思いました!

2人の思い出を見させてくれてありがとうございました!

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2018年12月08日

ネタバレ 購入済み

映画のネタバレ含む

映画のさらに後の時系列にまで言及されています。
ものすごい余韻があります。

I remember everything
何一つ忘れない。
僕はなんでも覚えている。

映画の続編もあるらしいので楽しみにしています!

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2018年10月13日

Posted by ブクログ

正直、物語全体の性的な描写が多くて読み進めるのに少し時間がかかるほどだった。その上で人間のリアルを複雑に丁寧に表現されていてとても素敵だった。

訳書だが、文章自体がとても綺麗で、人間の恋愛感情の尊さや汚さをエリオ視点で素敵に描かれていた。

ハッピーエンドかどうかは断定できないが、エリオとオリヴァーの関係の終着点も綺麗だった。
恋愛したくなりました!

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

映画が好きで読み始めた1冊。
これくらいの、大人になる前の少年少女の思春期ならではの乱高下する情緒やふいに訪れる孤独感を持て余している様子を読むのが大好き!

文章が詩的で抒情的で、映画の場面を思い描きながら読めた。イタリアのあの風景が文章でも読めるのは嬉しい。そしてまさかエリオの中にこんなにも熱い、時に変態的でともすれば気持ち悪いくらいの激情が、あんなに初期から秘められていたのにはびっくりした。
映画を見た時には、気に食わないけどなんか気になる存在、としてオリヴァーと出会うところから始まって、徐々に特別な感情が育まれているように見えていたので。

映画は小説と異なり、オリヴァーが突然かけてきた電話で結婚を報告するところ、気にしてない風にさりげなく祝福して受話器を置いたエリオが、ひたすら静かに涙を流し続けるシーンが長尺で流れる(これがもうめちゃくちゃ泣けるので映画見てほしい…!)から、20年後を読めてちょっとだけ救われた気持ちになりました。
「いちばん好きな人とは結ばれない」とはいうけど、この二人もまさにそうだったということか。

最後にあとがき。
高岡香さんのあとがきを読んでなぜか感動した。なんて作者を立てられる訳者さんなんだ、、

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2025年08月08日

Posted by ブクログ

映画が好きで、原作も読みたいと思ったのがきっかけでした。私の場合、映画から入ると、映画のシーンと本の場面がリンクして、本を読みながら映像化するのが捗るので、映画→原作の順で辿るのが好きです。

2人の心のすれ違いや、どこまでが本心なのだろう、と考えながら読み進められるのがとっても楽しいです。
本の途中では哲学的なお話が登場するのですが、それの解説を見ながら読んでいくのと、知識が増えて面白かったです。

次作がまだ読めてないので、そろそろ読みます!

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2024年03月21日

Posted by ブクログ

なぜ十代の自意識過剰で繊細な少年が永遠に悶々と悩み続ける様を描いた小説はこうも魅力があるのか。「潮騒の少年」はまさにこの小説のアメリカ版って感じだったけど、「君の名前で〜」の方が上品。どっちが良い悪いとかではない。なぜどちらの少年も好きな男がはいたパンツを頭に被るのか。もしこの小説と同じような設定の作品を探してるなら、「潮騒の少年」はオススメ。「君の名前で〜」のような静かで美しくてハイソな雰囲気ではなく、精子の匂いが立ちこめるような思春期男子!て感じだけど。
映画が最高だったから原作はあまり期待していなかったが、いい意味で裏切られた。本当にこの小説の雰囲気をそのまま映画にした感じだったんだなと思った。映画ではよく分からなかった二人の行動の意図とかが、小説には書かれていたりして、また映画を見返したくなる。

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2023年09月04日

Posted by ブクログ

映画未鑑賞
読みづらいところもあるけれど、知性や教養のある会話の駆け引きや洞察などエリオ視点からありつつも、思春期ならではの甘酸っぱさでいっぱい。
官能的なシーンも、10代想像力ゆたかな年頃のエリオの揺れ動く気持ちが伝わってきた。

オリヴァーの心情が会話や情景の駆け引きで、ただ酷い人じゃないんじゃないかなと思わせてる。

エリオの父から息子エリオへの言葉
深い。

一人の人間として、理解し見守り
語る言葉の重み

年月を経て再開するエリオとオリヴァーも感慨深い。

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2022年01月28日

Posted by ブクログ

夏の北イタリアの風や太陽、匂いまで感じられる気がした。個人的には走馬灯感のある物語が大好きだったりするので、彼らの過ごした夏の期間よりも20年後の場面の方が胸にくるものがあった。

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2025年03月02日

Posted by ブクログ

数年前に映画を観たけれど、読み取れていなかった細かな心情がありありと描写されていて再発見が多かった。
読み進めていると夏のイタリアにトリップした感覚。この時期読むのがぴったりであった。

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2024年08月30日

Posted by ブクログ

ずっと読みたかった一冊。
だが、何故ここまで評価が高いのか不思議。
最後の1ページだけは好きだった。

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2024年08月27日

Posted by ブクログ

同名映画の原作本。続編『Find Me』が発売中ということで、店頭に並んでいた。
映画は2018年4月日本で公開され、2018年ゴールデングローブ賞作品賞、主演男優賞、助演男優賞、加えてアカデミー賞作品賞、主演男優賞、脚本賞、歌曲賞にもノミネートされたという。

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2024年01月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルが美しいのと評価の高さで久しぶりに手に取った恋愛小説。
イタリア人らしい(?)情熱さ。ふたりの人物をなんの後ろめたさもなく素敵だなと思ってたり、パーティで出会った女の子といい雰囲気になってたり。
でも後半エリオの相手の女の子全く出てこなくなってあっさりしすぎだろ…とも思った。

最初の夜を迎えるまでの駆け引きは甘酸っぱくてもどかしくて、必死に相手のことなんて僕は興味ないけど?て無関心を装うのは万国あるあるなんだなーって思った。
桃での自慰シーンはちょっと気持ち悪かった…笑

タイトルの「君の名前で僕を呼んで」というのは、なんとなく素敵だなーと思ってただけで、作中で同じ言葉が出てきても理解してなかったんだけど、他の方の感想を読んで腑に落ちた。
好きな人の顔を思い浮かべながら呼ぶ自分の名前は、その人に自分はどんな風に呼ばれるんだろうって思い浮かべることなんだね。

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2023年11月30日

Posted by ブクログ

13冊目
ひと夏の恋のお話。
結構えぐい描写多かったけど美しく感じた。対象がちょっと自分と違うだけで、冷たくされたら悲しくなるし、ちょっと優しくされただけで有頂天になるのはみんな同じなんやなぁーって、。
台風で予定なくなったけど大雨の音聞きながらこれ読んだ時間幸せでした。

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2023年06月02日

Posted by ブクログ

映画ではよく分からなかった部分も文章で補完できたので良かった。エリオの心情が切ない...。文字だけなのに鮮やかな色彩を感じる不思議。原作だと希望のある終わり方なのが意外だったし、続編も読みたい。

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2023年04月25日

Posted by ブクログ

映画を先に見たが、字で追うイメージとちょっと異なりがあるので、どちらを先行させても十分に「エリオとオリヴァーの世界」をつかの間覗かせてくれると思う。
私はLGBTの理解が中途であり、受容できていないこともあるせいか、改めてこのジャンルをネットで勉強。
意外と、日本人は比率が高い事に愕く・・が、国としての政策面ではお粗末で世界的に下位。

シャラメの表情、空気感の演技がオスカーに繋がったのも運づける映画。原作は彼の視点で展開した事もあって、早熟で知的な彼、持て余した自分の内奥に着いた炎に不安と焦燥で身を焦がすさまがよく伝わってくる。
一方のオリヴァー、米国人という事もあって1980年代、激しい差別があった社会へ戻らざるを得ないための自らの織りなしていく気持ちの流れが読める。
演じたのが超財閥の御曹司だけに、役にぴったりを通り越して・・まさに芸術的美しさだった。

続編が書かれ、映画化の話もあるとか。
作品を読みつつ、エリオの家庭のアカデミズム、更にLGBTをさりげなく受け止める空気に愕く・・続編はそこを知識に入って行くと思われるので、読む予定はない。

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2023年04月18日

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