吉村生のレビュー一覧
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「暗橋」とは暗渠に残された橋の欄干などのこと
です。
つまり道路の一部になってしまっていて、欄干だ
けが車止めの柵のように残されている場所のこと
です。
欄干自体は撤去されたとしても、その支柱だけが
ポツンと、かつて橋があった名残を留めている場
所があります。
これが実は東京には数多く存在するのです。
特に都会であるほど道路の広さを確保するために
暗渠化されてしまった川は数多いです。そこに
「暗橋」は生まれるのです。
「え?あそこは元は川だったの?」だから地名も
「○○橋」なのか、と納得すると思います。
新しい目線で東京の散歩の楽しみ方を提案する一
冊です。 -
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かつて川や水路のあった場所は地面になり、道になった。
そんな暗渠や水の痕跡、水路上を探し、辿る、水路上観察入門。
第1部 “水路上”観察入門
第1章 街角の違和感にはわけがある
第2章 “水路上”のもつ特徴
第3章 水の記憶のしたたかさ
第2部 “水”路上観察入門
第1章 “水”路上とは何か
第2章 水面からの視線
第3章 水の名残りとしての橋
コラム1~2。適宜、参考文献有り。
そこには水路や川があった。水路上に様々な形で残る、
痕跡と記憶を探す、水路上観察を教示する入門書。
暗渠といえども奥が深いものだなぁと、しみじみ感じました。
ふと視線に入ってくるのは、路上に残る水路メモリー。
遊具、水車や舟のオブジェ、モニュメント、謎池、自前階段。
植栽や廃渠もある。名残りの擁壁に暗橋。
水路上から眺める風景の妙。蓋on蓋の高架の絶景など。
そういえば昔、水田や畑が広がっていたから、あのコンクリの
歩道の下は用水路だったのかなぁと、近所の暗渠に興味が。
丁寧に示唆されるので、こういう街歩きもしてみたくなります。 -
Posted by ブクログ
自分の暗渠趣味は何を持って暗渠趣味と称しているのか、と追求してみたくなる一冊だった。歴史?地理?オブジェクト指向??そもそも路上観察系から?地図/地理系から?
…どんなスタイルなのかはともかくとしても、暗渠を媒介とした楽しみ方というものが無限に広がっているのだと思わされた。ただ、そのスタイルの違いを明確にしたくなるは、私個人の資質のなせるものであろうか。
前書きで林丈二さん、後書きで赤瀬川原平さんの言及があるが、著者お二人の暗渠への接し方の違いと言及された人の違いに表れているような気がするのだが、これは深読みであろうか。
一読をお勧めする。読んだら街に出たくなるはずだ。 -
Posted by ブクログ
街歩きをテーマにしたテレビ番組や本、雑誌が数多くある。取り上げるテーマもいろいろだ。歴史、文化、グルメなどの定番から、ブラタモリのような地形に特化した注目の仕方もある。
今回の本は、暗渠(あんきょ)という地下に埋設された水路をはじめとした昔、川や水路だった場所に強い興味を抱いた2人による観察入門だ。
隠しても隠しきれない土地の痕跡(こんせき)が見える。普段、何気なく歩いている街に秘められた歴史。観光名所とは違った楽しみがある。
東京都内限定だが、それでも1冊の本になるくらいのボリュームがある。日本全国ならもっとあるのかな。
上を向いて歩くだけでなく下を向いて歩きたくなる気にさせる今回の本だった。 -
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過去に小川だった暗渠。普通に生活していると気づかない痕跡探しに過敏に反応するマニアな人々。マニアの視点から暗渠の魅力を十二分に語る一冊。
前作「暗渠マニアック」に続く一冊。雑誌「東京人」に掲載された記事がベースとなったものが多い。
個人的には、少しでも少しでも具体的な3D の地形を掲示していただけるとより楽しめるように思う。
筆者は2名、高山さんと吉村さん。お二人のおかげでちょっとした散策に、暗渠を探索するようになった。多摩人としては暗渠は旧用水路が多い。自然河川とは逆に分水嶺をたどるので、いずれ用水探索の記事もどこかで出していただけると嬉しい。 -
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ネタバレ暗渠に詳しい著者の吉村氏と高山氏が写真をふんだんに載せ、路上の観察ポイントを教えてくれる本です。
例えば、地図を見て細長い公園を見て不思議に思ったら名前を確認してみるとよいそうです。「川」や「上水」など水路の名が冠されていたら、元は水路である可能性大だそうです。
細い路地やくねくねと曲がった道、車止めがたくさんある所など、確かに写真を見たら、水路もしくは川があった場所なのだろうなと思います。
紹介されている場所は東京が多いです。
それは都市開発のために水路が埋められたり、道路が拡張されたり、変遷が大きいところだからかもしれません。
私の住んでいる所は水路だらけです。灌漑用水路、川はこれからもしばらくは変わることはないでしょう。整備されたりしていたとしても昔から大きく変わっていないと思います。
だから昔水路だった場所というのは近所では見つけにくい気がします。残念です。
私が一番興味を覚えたのは、「暗橋(あんきょう)」です。水面が無くなり暗渠となっても残っている橋のことを本書では暗橋と呼んでいます。
川じゃないのにどうしてここに橋があるの? という橋です。
これは今までわりと見たような気がします。
橋の名前だけ残っているとか、昔川があったのだろうなぁと想像出来て楽しそうです。
見つけやすい気もします。
気に留めなければ何でもないような物でも何かの名残かもしれないと思うと、街歩きもロマン溢れるものになりそうです。 -
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・ 私が吉村生・高山英男「暗渠マニアッ ク! 増補版」(ちくま文庫)を買つたのは暗渠好きだからではない。暗渠とはおもしろさうだといふ程度の興味からであつた。つまりはいつもの本を買ふ理由と大差ない。ところが買つて目次を見て驚いた。本書の増補の1つ、第7章 「新たな観光資源としての暗渠探訪」の3つ目に「水上ビル、 酒と肴と水路と人と 愛知県豊橋市」といふのがあるではないか。「新たな観光資源としての暗渠」である。あれはさういふものになりうるのか。かういふ見方もあるのだと思つたものである。この一編で本書は、私にはおもしろい本だといふことになつた。
・水上ビルと言へば豊橋市民なら知らない人はないはずである。その名の通り水上に建つビ ルである。水上と言つてもそこが暗渠である。用水の上に蓋をしてビルが建つてゐるのである。「水路の上に被さっているすべてのものを、『暗渠蓋』と呼んでいる。暗渠蓋はコンク リート製の板であることが多いが、時たま、想像の斜め上をゆく物件と出会うことがある。とりわけ驚かされたのは、『ビル蓋』だ。」(271頁)このビル蓋は3棟あつて、「その蓋の名は豊橋ビル、大豊ビル、大手ビルで、あわせて通称『水上ビル』、その長さ800メートルである。」(同前)当然「てくてく歩いてゆけば、ビルの合間に橋が残されている。」(同前)これを吉村氏は「類を見ない珍景だ。」(同前)と書いてゐる。私などは子供の頃から見てゐるから、「珍景」と言はれても全くピンとこない。下に水が流れてゐるのだから、橋があつて当然だと思つてゐた。本書にはこの類の橋の名残がいくつか出てゐるが、その中でも珍しいものであるらしい。「一昔前は、豊橋のみならず全国に水路上建築物の事例はあった。(中略)現行の法律では、水路の上に建物は建てられない。つまり、その建物が消えれば、二度と水上に建つことはない」(同前)といふ。言はば水上ビルは絶滅危惧の暗渠蓋である。さういふものだとは知らなかつた。そんなに珍しいものではない、ごく普通の風景だと思つてゐた。ところがさうではないのである。本書を読むまではそれを知らなかつた。探せば地元の人の書いたこの類の文章等もあると思ふが、それにしてもかくも珍しいものであるとは。あれは「珍景」であつたのかと思はず納得してしまつたのである。水上ビルに関する簡単な説明もある。下の用水に水は流れてゐるといふ。「今は田んぼが減ったので、少しずつずっと流れている」(274頁)さうである。 開渠部の用水を見ると「少しずつ」かどうかは分からないが、 確かに需要期以外でも水は流れてゐるらしい。と、まあ、水上 ビルのことを書いてきたのだが、実は豊橋駅近辺の暗渠はここだけではないといふのが私の更に知らなかつたことである。「新幹線を降りてすぐ、西口の飲み屋街を見にゆき、そして違和感を覚えた。」(同前)とある。豊橋では西口と言はずに西駅である。この駅から見て右側に飲み屋が並んでゐる。ここがあやしいと言ふのである。私は名古屋へ行く時、こちらの駐車場を使つてゐた。だからこのあたりはよく知つてゐるつもりな のだが、暗渠のことを知らないゆゑに違和感を覚えたことはなかつた。ところがさすがプロ、 いやマニアの吉村氏、1度でそれを見破つたのである。「微妙な曲がり方に地面の盛り上がり(中略)わたしの嗅覚が正しければ、下に川があるはずだ。」(同前)といふことで、暗渠蓋、ここは普通の蓋である、を見つける。このあたりの嗅覚はさすがである。と書いてゐたら字数が尽きた。暗渠はかくもおもしろいの1例である。観光資源としての水上ビル、最近の流行りであつた。 -
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ネタバレ<目次>
序章 ようこそ暗渠ロジーへ
第1章 暗渠、私の「見方」
第2章 名所と暗渠
第3章 境界と暗渠
第4章 湧水と暗渠
第5章 暗渠への視線
第6章 東京近郊一都三県、暗渠勝負!
第7章 新たな観光資源としての暗渠探訪
<内容>
2015年刊の「暗渠マニアック」(柏書房)は読んでいる。その増補版。著者の吉村さんが女性なのに驚き(最初に読んだときにもそうだったはずだが)!まあ、ともかく濃すぎ!彼らの啓蒙により、自分も暗渠への視線を持ち始めたが、ここまで突き詰めていない。自分はどちらかというと、地形を見てしまう(ちょっとタモリ寄り?)ので、谷筋とかから考えていく。マニアはここまで行くんだな、と感心しつつ、自分の「銅像愛」も変わらないか…と思う。