アンドレアス・フェーアのレビュー一覧
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弁護士アイゼンベルクシリーズの作者による別シリーズ、クロイトナー上級巡査とヴァルナー警部シリーズ。
シリーズ2作目ですが、シリーズ最高かも。例によって、引っ掻き回すクロイトナーと、私事に悩み事を抱えつつ慎重に事件を解決に導くヴァルナー。ドイツに警察制度では、クロイトナーとヴァルナーは別の警察に属しているのかと思っていましたが、同じ警察に属しているんですね。
いやぁ、それにしても、シリーズ最高というのは、入り組んだ謎もそうなのですが、その真犯人が意外な人物であること。それも、無理やりではなく「あー、そーなんだ」と納得できる描き方。いや、良かったです。 -
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咆哮とは、獣などが吠え猛ること。
原題は『Der Prinzessinnenmörder(プリンセス殺し)』。これは断然、邦題のほうがストーリーに合っているとわたしは思っている。最後まで読み終わったら、咆哮というタイトルの重みがひしひしと感じられた。
事件の舞台は、ドイツのバイエルン州。田舎町にある小さな湖の氷の下に、金色のドレスを着た少女の遺体が漂っているのを発見したのは、クロイトナーというお調子者で目立ちたがり屋の巡査だ。本の表紙はこの女の子の姿だと思うけど、それは世界で一番美しい死体と言われた『ツイン・ピークス』のローラ・パーマーを思わせた。
捜査の指揮を取るのは、ヴァルナー捜査官。
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ドイツの作家アンドレアス・フェーアの長篇ミステリ作品『突破口 弁護士アイゼンベルク(原題:Eifersucht)』を読みました。
アンドレアス・フェーアの作品は、6年前に読んだ『弁護士アイゼンベルク』以来なので久し振りですね。
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警察+検察の矛盾を暴き、真実へ辿りつけ!
恋人を爆殺した容疑で逮捕された依頼人。
洞察力と行動力を武器に事件に挑む敏腕女性弁護士。
100%読む手が止まらない弁護士ミステリ!
凄腕の女性弁護士アイゼンベルクは、映画プロデューサーのユーディットから弁護を依頼される。
ログハウスにプラスチック爆弾を仕掛け、滞在していた恋人 -
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ドイツの作家による推理小説。ドイツのフリードリッヒ・グラウザー賞(ドイツ推理作家協会賞)新人賞受賞作品。
アンドレアス・ヒューアと言えば、弁護士アイゼンベルクシリーズで知られていますが、こちらは別のシリーズ作品。シノプシスを見ると、主席警部のヴァルナーと上級巡査のクロイトナーのシリーズ作品という事ですが、実際には??
というのも、ドイツの警察制度では、制服警官による外勤の保安警察と、私服勤務がデフォルトの刑事警察と、制服組と私服組が異なる警察組織になるんですよね。なので、日本の様に、制服警察官から始まり、階級が上がって、刑事になると私服勤務になるという事では無いんですよね。なので、ヴァルナ -
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安定のおもしろさとちょうど良さ。すっかりこのシリーズのファンです。
3作読んで思ったことメモ:こういうシリーズものって大抵、事件の内容と主人公の過去のなんやかんやが重なってたりして、新たな謎を呼んだり裏で糸を引く因縁の敵の存在が仄めかされたりしつつ主人公の暗部をチョイ出し&人格を深堀りする仕掛けがあるのがセオリーかと思うんだけど、今のところヴァルナーもクロイトナーも各事件とパーソナルに関わることはなく、自分の人生をただガツガツと生きてる。
だからあんまりおもしろくない(ドラマ性に欠ける)と捉えることもできると思うけど、逆に、物語のための装置として設計されたキャラクターじゃないんだぞっていうラ -
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ドイツの作家「アンドレアス・フェーア」の長篇ミステリ作品『弁護士アイゼンベルク(原題:Eisenberg)』を読みました。
「ハラルト・ギルバース」の『オーディンの末裔』に続き、ドイツ作家の作品です。
-----story-------------
凄腕の女性刑事弁護士「アイゼンベルク」は、ホームレスの少女から弁護を依頼される。
友人のホームレスの男が、女性の殺害容疑で逮捕された件だという。
驚いたことに、彼は「アイゼンベルク」の元恋人だった。
物理学教授の彼がなぜホームレスになり、殺人の被疑者に?
二転三転する事態と熾烈な裁判の果てに明らかになる、あまりに意外な真実。
一気読み必至の傑 -
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弁護士アイゼンベルク第2弾。
恋人を遠隔操作で爆殺した容疑で、映画プロデューサーのユーディットが逮捕されてしまいます。
偶々目の前でその逮捕劇に居合わせたラヘルは、ユーディットから弁護を依頼されて渋々引き受けますが・・。
ユーディットが容疑者になった件の事件の経過と、5年前の女性惨殺事件とが交互に展開されるという構成は、前作同様ですが、2つの事件がどう繋がり合うのかも含めてグイグイ読ませるものがあります。
そして、前巻で示唆されていた“ラヘルの過去”もこの巻で明かされます。
前巻でのラヘルの元カレのハイコの匂わせ具合から、かなり深い闇なのかな、と思っていたのですが(しかもこの巻ではラヘルの -
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読み応えありの、ドイツリーガルミステリ。
女子大生の猟奇的な死体が発見され、元大学教授のホームレス・ハイコが逮捕されます。
弁護士のラヘル・アイゼンベルクは、ハイコの友人のホームレスの少女から彼の弁護を依頼されますが、なんとハイコはラヘルの元彼で・・・。
息もつかせぬ、先の読めない展開で一気に引き込まれます。
中盤まで女子大生の猟奇殺人事件の件と、コソボから逃亡してきた母娘が大ピンチに陥っている様子が交互に展開されるのですが、これらの要素がどう繋がっていくのか・・・二転三転するプロットに続きが気になりすぎてページを繰る手が止まらん!という感じです。
いかにも“バリキャリ”なラヘルのキャラも -
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面白いものは面白いんだなぁ~
ヴァルナ―とクロイトナー
絶妙の緊張と緩和、あっという間に読み終わってしまった。
この物語は酔っ払い警官のクロイトナーが偶然死体を見つけるところから始まり、そして最後も……。
苦労して犯人を絞りこんでいくヴァルナ―、直観で行動するクロイトナー
で、この2人はチームでもバディでもない。え?なにそれ!
ドイツの警察小説ということで読み始めたが、いい意味で裏切られた。
愛と人生とトラウマを帰納法で証明しようとするシュリンク
犯罪心理を因数分解で明らかにしようとして、結果「わからない」とするシーラッハ
こんな人ばかりと思っていたら、こんなミステリ小説もあるんだって感 -
Posted by ブクログ
ドイツ南部ミースバッハ郡の小さな湖で、厚く凍りついた湖面の下から16歳の少女ピアの死体が発見された。謝肉祭のプリンセスのようなドレスを着て、口の中には数字の書かれたブリキのバッジが押し込まれていた。
第一発見者のクロイトナー上級巡査は自身が手柄を立てようと躍起になるが、ミースバッハ刑事警察署に特別捜査班が立ち上がり、ヴァルナー捜査官が指揮を執ることになる。
捜査が進む中、新たに13歳のゲルトラウトの死体が見つかった。現場はなんとヴァルナーの自宅の屋根の上。
ピアと同じようなドレスを着て、口の中からは数字の書かれたバッジが見つかった。
捜査線上にピアの通う学校の教師が容疑者として浮かぶが、70 -
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ドイツミステリー。凍った湖で遺体を発見したのは外勤警官のクロイトナー。次に捜査担当のヴァルナー首席警部の自宅の屋根から第二の死体。どちらも口内から数字を示したバッジが発見された。並行して描かれるのは、昔。バックカントリースキーをしていたら、娘が転落し、救出しようと死にものぐるいの父親の姿・・・
途中まではそれほど面白くなく、先が楽しみでもないのでやめようかと思った。しかし山岳遭難の方の関わりが分かると急に面白くなる。
殺人の動機がこれほど読ませる小説はあまりないかも。
下にネタバレ。
※ネタバレ
スキーで転落した娘を救うために、夜半に山を彷徨ったペーターがやっと山小屋に辿り着いた。