アンドレアス・フェーアのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
女性弁護士ラヘルは知り合いとは言え仲が良いとは言えない映画プロデューサーのユーディットから弁護を依頼される。恋人を爆弾で殺したという容疑。状況証拠は沢山ある。調べてみると、誰か別人が殺したと思えなくもないが、ユーディットも怪しい。彼女が5年前に参考人となった殺人事件も交互に描かれると・・・
面白いと言えば面白いし、事件がちっちゃいと言えばちっちゃい。
動機や方法などかなり読ませる。ただ背後に巨悪が潜んでいる感じがしながら読んでいたのでその辺は肩すかし。しかし、悪いわけじゃない。そんな期待をしていた方が悪い。巨悪じゃなく個人的な話だということを前提に読めば、相当面白いミステリーだった。
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Posted by ブクログ
シリーズ第三弾。
クリスマスの朝、女優カタリーナ・ミルルートの娘、レーニが射殺さる事件が発生。
この件はレーニの叔父による過失致死という事で執行猶予判決が下り、解決したかに見えていました。
それから数ヶ月後、復活祭前の聖週間にミースバッハ刑事警察の問題児・クロイトナーの知人の配送車の中から、ミルルート家と因縁のある元女優の死体が発見されます。
死体を発見したクロイトナー巡査(お約束)と偶然居合わせたヴァルナー警部は、これを機にレーニ射殺事件も再調査することに・・。
まさに“ドイツ版・両津勘吉”といった感のある、クロイトナー。
この巻でも今まで以上にやらかしまくっていて、よく警察をクビになら -
Posted by ブクログ
シリーズ第二弾。
ドイツ南部、リーダーシュタイン山の山頂で、クメーダーという男が射殺される事件が発生。
クメーダーは、死の直前に偶々居合わせたクロイトナー上級巡査に二年前に失踪した恋人の行方を、弁護士・ファルキングが知っていると告げていて・・・。
タイトルになっている「羊の頭」とは、バイエルン州の伝統的なカードゲーム・「Schafkopf(羊の頭)」のことで、本文中にも登場人物達がSchafkopfに興じる場面が出てきます。
さて、前作で凍結した湖で少女の死体を発見し、本作では、目の前で男が射殺されるという、相変わらず“持っている”クロイトナーと、祖父のマンフレート爺さんの“現役っぷり”に -
Posted by ブクログ
『弁護士アイゼンベルク』シリーズが面白かったので、同著者のデビュー作だという本書を手に取ってみました。
ドイツ南部の凍てついた湖の氷の下から、少女の死体が発見されます。
殺人事件として捜査が開始されますが、捜査の指揮をとるヴァルナー主席警部の自宅屋根の上から、新たな少女の死体が発見されて・・。
連続殺人事件のパートと雪山で大ピンチになっている父娘のパートが交互に描かれる展開からスタート。
デビュー作という事もあってか、序盤は文章がちょっと読みずらい部分もありましたが、地名やキャラ特性がわかってくるにつれ、プロット自体はよくできていることもあって徐々に引き込まれていきました。
死体に隠された -
Posted by ブクログ
フェーア、2作目。前作と同じく、過去案件と原罪がクロスして行く・・見出しについている日付はかなりのキーになって行く。
更に弁護士の姉が30年前に眼前で事故死した心の傷も伏線に入ってくる。
弁護士のキャラは今回も好きになれず。
知的、やり手だけに男性と同じく「色を好む」の家、かつての恋人、夫、部下とも恋愛関係で股がけ。
独逸の刑事裁判の進行は日本と大きく異なり、法廷サスペンスとしての取引が作品の大きな魅力?面白さに繋がっている。
日本ではありえない「弁護士が探偵を雇い、独自に調査を進め、裁判中にも情報がどんどん入ってくる」のは驚かされる。でもこの探偵、地味に面白い存在。
公判前の拘留審査に -
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Posted by ブクログ
先日読んだ『償いは、今』とストーリーでカブっているが、本作品の方が骨太。テレビドラマの原作という印象は同じだが、作者は長年テレビドラマの脚本を手掛けてきただけあって、映像的で疾走感のある仕上がりとなっている。
主人公が囚われの身で絶体絶命のシーンから始まり、視点が変わり時間も前後して複数の事件が並行していくというストーリー。一体どのように交錯するのかの興味で引っ張り、弁護士の人生と法廷劇をうまく絡めている。
二転三転の展開と衝撃的な結末もあって面白いが、もうひとつ物語にコクがない。終盤は強引にバタバタしすぎであまり好きじゃない。でもってこのヒロインも好きになれなかった。意味深なラストだった -