アンドレアス・フェーアのレビュー一覧
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女性弁護士ラヘルは知り合いとは言え仲が良いとは言えない映画プロデューサーのユーディットから弁護を依頼される。恋人を爆弾で殺したという容疑。状況証拠は沢山ある。調べてみると、誰か別人が殺したと思えなくもないが、ユーディットも怪しい。彼女が5年前に参考人となった殺人事件も交互に描かれると・・・
面白いと言えば面白いし、事件がちっちゃいと言えばちっちゃい。
動機や方法などかなり読ませる。ただ背後に巨悪が潜んでいる感じがしながら読んでいたのでその辺は肩すかし。しかし、悪いわけじゃない。そんな期待をしていた方が悪い。巨悪じゃなく個人的な話だということを前提に読めば、相当面白いミステリーだった。
「論理的根拠はあるの?」
「ないさ。宗教の問題だからね。宗教は、おまえがなにをしてよくて、なにをしてはいけないか規定しているだけだ。カトリックは離婚を禁じ、ユダヤ人はエビが食べられない。そこに意味があるかどうかなんて関係ない。そもそも意味がないから宗教なのさ。意味のあることに宗教は必要ない。わかっていることじゃないか」
宗教に意味がない。確かに。昨今言われるマインドフルネスに近い、瞑想を提唱する仏教には意味があるので、宗教ではない、って言えるのだろうか。 -
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シリーズ第三弾。
クリスマスの朝、女優カタリーナ・ミルルートの娘、レーニが射殺さる事件が発生。
この件はレーニの叔父による過失致死という事で執行猶予判決が下り、解決したかに見えていました。
それから数ヶ月後、復活祭前の聖週間にミースバッハ刑事警察の問題児・クロイトナーの知人の配送車の中から、ミルルート家と因縁のある元女優の死体が発見されます。
死体を発見したクロイトナー巡査(お約束)と偶然居合わせたヴァルナー警部は、これを機にレーニ射殺事件も再調査することに・・。
まさに“ドイツ版・両津勘吉”といった感のある、クロイトナー。
この巻でも今まで以上にやらかしまくっていて、よく警察をクビにならないものだな・・と呆れてしまいます。(勿論、めちゃくちゃ怒られていますが)
とはいえ、彼の“死体遭遇率”の高さは相変わらずで、“持っている”といえば確かにそうなんですよね。謎の引きの強さが彼の持ち味なのかな、と思います。
さらに、困ったちゃんといえば、ヴァルナーの祖父・マンフレート。
お目当ての女性の気を引く為に、勝手な行動をするわ嘘をつくわで、ヴァルナーを無駄に悩ませております。
さて、本筋の方は、クリスマスにミルルート家で起こった事と、現在のパートが交互に展開していく著者お馴染みの構成で、話が進むにつれてミルルート家の抱えていた闇の部分が炙り出されていき、中盤からは、犯人と思われる人物の不審な行動も挟まれていくスリリングな流れです。
特に後半の、証拠隠滅の為“犯人”にターゲットにされた、関係者女性に迫りくる危機の様子には、ドキドキハラハラ手に汗握りながら読みました。
今回は休暇中にも関わらず、“コントロールフリーク”の悪い癖で捜査にしゃしゃり出て、部下のミーケにウザがられていたヴァルナーでしたが、ラストで恋人のヴェーラから驚きの報告を受けていました。
これを機に、ちょっとギクシャクしていた二人の仲が深まると良いですね。
そしてマンフレート祖父さんが少しは大人しくなってくれる事も望みますww。 -
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シリーズ第二弾。
ドイツ南部、リーダーシュタイン山の山頂で、クメーダーという男が射殺される事件が発生。
クメーダーは、死の直前に偶々居合わせたクロイトナー上級巡査に二年前に失踪した恋人の行方を、弁護士・ファルキングが知っていると告げていて・・・。
タイトルになっている「羊の頭」とは、バイエルン州の伝統的なカードゲーム・「Schafkopf(羊の頭)」のことで、本文中にも登場人物達がSchafkopfに興じる場面が出てきます。
さて、前作で凍結した湖で少女の死体を発見し、本作では、目の前で男が射殺されるという、相変わらず“持っている”クロイトナーと、祖父のマンフレート爺さんの“現役っぷり”に心乱されている苦労人・ヴァルナー主席警部の対比が楽しいこのシリーズ。
プロローグは、義父から大金を預かろうとする弁護士・ファルキングの場面と、恋人からのDVに耐えきれなくなって逃げだそうとしている少女の場面という不穏な状況から始まり、これらの過去のパートと現在のパートを交互に織り交ぜながらスリリングに話が進んでいきます。
内容的に、結構入り組んでいるのですが、展開が気になってついついページを捲ってしまいます。
特に終盤は手に汗握るシーンの連続で、DV男・ペーターから逃げようとするズージー。彼女を守ろうとするも、ペーターに連れ去られてしまい、追う羽目になる警察側の脇の甘さにジリジリしながら読みました。
二転三転を経てたどり着いた、ラストのどんでん返し的な真相は、意外ではありましたがちょっと切なかったです。
このように、展開の上手さに引き込まれてしまう本書ですが、今回の事件の背景にあるDVも辛いですし、女性に暴力をふるう男は勿論、彼女達の苦しみに付け込むような輩がクズすぎて不快だったので-★となった次第です。
とはいえ、ミースバッハ刑事警察署の面々のキャラは、割と好きなので次作以降も追っていきたい所存です~。 -
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『弁護士アイゼンベルク』シリーズが面白かったので、同著者のデビュー作だという本書を手に取ってみました。
ドイツ南部の凍てついた湖の氷の下から、少女の死体が発見されます。
殺人事件として捜査が開始されますが、捜査の指揮をとるヴァルナー主席警部の自宅屋根の上から、新たな少女の死体が発見されて・・。
連続殺人事件のパートと雪山で大ピンチになっている父娘のパートが交互に描かれる展開からスタート。
デビュー作という事もあってか、序盤は文章がちょっと読みずらい部分もありましたが、地名やキャラ特性がわかってくるにつれ、プロット自体はよくできていることもあって徐々に引き込まれていきました。
死体に隠されたメッセージや、被害者たちの関係性(ミッシングリンク)といったミステリ要素もワクワクします。
ただ、中盤である程度の謎解きはできてしまうので、後半からは犯人と警察との追いつ追われつのサスペンス的展開を楽しむ感じで、特に終盤の怒涛の展開は手に汗握りながら読みました。
メインキャラのヴァルナー主席警部は、冷え性で真面目。コツコツ地道に捜査を進めるタイプですが、祖父のマンフレート爺さんにペースを乱されるわ、最初の死体の発見者でもある、やんちゃキャラ・クロイトナー巡査に美味しいところを持っていかれるわで、まさに“苦労人”という感じです。
しかも、どうみても本書ではヴァルナーが主役なのに、巻頭の登場人物紹介ではクロイトナーがトップになっているあたりも彼の不憫さを表しているなぁ、と思いました。
因みに、巻末には「レーオンハルト・クロイトナー上級巡査とハイキング」という、クロイトナーによる観光案内コーナーがあって、この遊び心あふれるサービスも嬉しいですね。 -
Posted by ブクログ
先日読んだ『償いは、今』とストーリーでカブっているが、本作品の方が骨太。テレビドラマの原作という印象は同じだが、作者は長年テレビドラマの脚本を手掛けてきただけあって、映像的で疾走感のある仕上がりとなっている。
主人公が囚われの身で絶体絶命のシーンから始まり、視点が変わり時間も前後して複数の事件が並行していくというストーリー。一体どのように交錯するのかの興味で引っ張り、弁護士の人生と法廷劇をうまく絡めている。
二転三転の展開と衝撃的な結末もあって面白いが、もうひとつ物語にコクがない。終盤は強引にバタバタしすぎであまり好きじゃない。でもってこのヒロインも好きになれなかった。意味深なラストだったけど、続編は読まないわ、多分。