丸山宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
工学は物を作る設計型学問のため難しい。工学研究の成功は、社会がどのようなモノに価値を見出すかという社会的価値観すなわち哲学に依存する。工学は科学と哲学の要素を同時に内包するdisciplineであり、双方の洞察が不可欠。なお設計型研究は論文は書きにくい。
日本発Chainerは、当初製品価値や差別化要因のため社内に留める説とOSS化説があったが、後者が取られ、結果として技術力で差別化したいPFNに世界から優秀な研究者が集まるに至り、その意味で正解だった。
IBM、キャノン、PFNのような研究開発力の高い企業においても研究を「まとめる」力を持つ人は少ない。論文、製品化、標準化、OSSなどいずれかのアウトプットにつなげる力が求められており博士はそうした一定の力の保証になっているはず、という著者の見解(ただ、この認識は個人的に甘いと思う。博士号取得にはビジネス(製品化・事業化)や標準化の観点まで意識するインセンティブ設計は無い)。PFN Valuesの Motivation Driven / Learn or Die / Proud, but Humble / Boldly do what no one has done beforeは4つとも強く共感。各人が常に学習意欲を持っていればその組織は外の変化に追従できる。
知の鎖国と言われる日本。英語力はもちろん、異なる意見を取り入れてより高いレベルの合意を創り出す議論力が不足。日本では英語力だけでグローバル人材と勘違いされがちだが、その上でビジネス力が当然必須。多様性を受け入れるには努力が必要、自分の詳しくない考えは、自分が詳しいものより優れていると考える(=アファーマティブアクション)。解が存在しないならあらゆる前提条件を疑う。変化の速い情報通信では年初に立てた達成目標にこだわっても無意味なので人事評価は多元的・主観的な加点法にならざるを得ない。人事評価におけるマネジメントグループの総意を部下に伝えるときは自分の考えとして伝えないと後に禍根を残しかねない。(うちも部門単位での研究開発のポートフォリオマネジメントすべきでは。)結局フロー経営が成功の秘訣(Motivation Drivenと関係が深そう)。
特許制度の弱点として、利用にペナルティがあること、無制限の請求を認めていることの2点がある。パテント・トロールの手に特許が渡るとユーザに高額な賠償請求をしてくる。この対策としてLOTという概念がある。
SOX法。研究者は専門家として技術にできること・できないことを等身大で伝えていく義務がある。 -
Posted by ブクログ
マター:人が動く、世の中が変わる
パスツールの四象限
研究の成果が出たらどういうデモをしたいのかを考える
デモで「どうやって動いてるの?」と聞かれることはよくあるが、本当によいデモは「これいくら?」と聞かれる
「説得」と「納得」の違い
ファシリテーションの「タイムマシン」
-- 10年後を想像してみてください
社内Web電話帳に写真や業績を書く
-- 見えないのはいないのと同じ
お客様に内部構造を意識させない
企業における研究は「面白いから」やるのではなく「必要だから」やる
人は命令されて動くのではなく、必要な仕事だとわかって動く
ガバナンスとエンパワメント
2人の靴メーカーのマーケティングがアフリカに
2001年宇宙の旅
社内の機密情報、部門外秘ってどうなの
「客観的な評価軸」じゃなく、主観的で透明な判断
上長には言いたいことの1/10しか伝わらない
レターが元になっているので、内容が非常に濃い -
Posted by ブクログ
理論や構成などの専門的な部分は省いて、AIがこれからの社会にどう組み入れられていくのかを焦点化して読んだ。
結果、面白い。
この書では、社会がAIに飲み込まれるのではなくて、働き方とか休み方とか、これまでの生き方を見直すきっかけになるとしている。
かつての自動車の誕生は馬車を無くしたけど、代わりに自動車製造業や運転手といった新しい働き方を産んだ。
医療のように新薬や症例の情報更新が目まぐるしい分野では、既にAIが巧みに使われている。教育においても、学習者の理解度に応じた個別対応が可能になる、という点ではAIの波及はあり得る。
障がいに応じた対応も行えるのかという部分について、読みながら思考した。
社会が考えるべきなのは、AIの使い方だ。道徳の判別のないAIに世の中を託すのではなくて、道具としてのAIを使う人類が、社会のより良いあり方を検討すことが必要と感じた。