日向理恵子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ファンタジーは好きで読むのですが、これは果たしてその分野に分けていいのだろうかと思うくらいインパクトある作品でした。読者が期待するようなことな事は一切起きません。力もない子供たちがなんとか未来を変えようと、傷だらけになりながらひたすら前に進んでいく物語です。そこに登場する大人たちも敵なのか味方なのか、善なのか悪なのかはっきり分けられていません。なので架空の設定でありながら、リアルさを感じ息苦しさすら感じます。私たち人はなんと愚かなんでしょう。しかしそれでも希望を失わない存在が人なんだなと気付かさせてくれる、胸にこたえるお話です。ファンタジーの新しい一面を知った素晴らしい本でした。
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Posted by ブクログ
ネタバレテーマは「火」
かつて人間が火を征していた時代から、神族が火を支配する時代となってから物語が始まる。
人間は火を得るために、火炎という獣と闘い、生き血ならぬ火種を得て暮らしていた。
とある時に、神族から火を奪い、再び人間が火を支配する時代に戻そうと神族、火炎と闘い、人間の街も、神族の宮も火炎たちの暮らす森も破壊され尽くされる…
このファンタジーには、どの世界が、誰が正しいか、ヒーローとか悪は明確になっていない。
それぞれ違う立場に立てば、何が正義かは見方も変わる。
神族の支配から解放されたものの、新たな神族を束ねる「火狩りの王」の下で、世界が復興されていく…
とにかく、長かったストーリー。
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Posted by ブクログ
ネタバレ挿絵の緋名子ちゃん可愛い、と暢気なことを言っている場合ではない。
本当に見た目も大ごとに、そして様々な存在の様々な思惑が絡まり合って混沌としている首都。
それでいて絶対的強者もいないという。
神族ですら一枚岩ではなく、帰ってきた「揺るる火」すら迷える小さな少女だった。
この「揺るる火」の姿には本当に驚かされた。
この「揺るる火」すら絶対的強者になれないこの世界。
3巻まで読んでもまだ先が想像できない。
取り敢えず、灯子の目が治ったのは喜ばしいが……他は何も安心できないしなあ。
そういう意味では非常に苦しい読書だけれど、それでも読み進めちゃうのは、この作品の持つ魅力なのだろう。 -
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