西谷格のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2019年の香港デモで偶然出会った一人の少年への取材を通じ、香港社会の変化を捉えた記録。デモの発生から始まり、新型コロナ拡大・国安法制定後の状況も含む。
本書は、日本や欧米の報道では見えてこないデモの実態やそれを取り巻く社会構造を上手く伝えている。デモの醜い側面(公共物破壊やデモ反対者に対するリンチ等)、実際には多くの人が本土にルーツを持つ移民社会、在港本土出身者のデモに対する嫌悪感、非デモ参加者のデモ長期化に伴う支持意識の後退等々だ。
取材対象の少年は10代だが、通学してなければ定職にもついていない所謂不良少年。デモ参加の理由も、ただ鬱憤晴らしに暴れたいだけのようにも見える。筆者が参加の理由 -
Posted by ブクログ
なんで逮捕されていたのか、どのくらい交流されたのか、そもそも罪名は何なのか、どのような判決が出たのか、などなど結局少年についてはわからないことが多く、欲求不満感が残る。
「これでいいのか」と迷いながら取材対象を追っていくのはいいと思うのだけど、本人の言から取れない部分を当局取材などで補うべきでは?と感じた。
とはいえ、デモ後に再開した時にデモの話を嫌がるという点そのものに、少年の今の気持ちが表れてるのかなとは思った。
この本のぱっとしなさいや割り切れなさそのものが、香港デモの評価の難しさなのかなと思う。
『国安法を歓迎はしない。だが、デモで街が破壊されるのも困る。香港デモの暴力という必要悪に -
Posted by ブクログ
最近(もっと前か!?)日本を超えたといわれる
デジタル化した中国の様子を現地で体当たりレポートした本。
実際の著者の体験レポを読むと、確かに日本より便利だと思われる部分(特にキャッシュレス社会)と
中国らしい結構適当な(行き当たりばったりな)部分に分かれていて興味深い。
行き当たりばったりだからと言って、中国のことをバカにするのは筋違いで、
完璧でもない中であっても中国ではどんどん市場に出て、
仮説・検証のサイクルをグルグル回しているということだろう。
中々、日本ではクレームになって許されなさそうなことも、
中国ではどんどん起こり得るので、その点が逆に脅威に感じた。
著者の体験が2019年 -
Posted by ブクログ
中国はメディアで見るのと、現地で見るのとでは、全然違う。そう意味でもルポというタイトルに引かれた。
あっという間に大躍進を遂げたチャイナデジタル。中国の人件費の安さで外注してた時代の誰がこのスピードでアメリカと競い合うまでになると考えただろうか…という大きな話より、中国は実際に見て肌で感じる方が断然楽しい。
だから本中の筆者のその時に感じた一言が、リアリティがあってとても面白い。日本の進まないデジタル化とのギャップをつぶやいているが、とても中立な立場で述べられており、それが本書を安心して読める理由のように思った。
無人化の進んだアリババホテル、ハリボテ感のあるデジタルショップの数々、一方