作品一覧

  • 一九八四+四〇 ウイグル潜行
    4.4
    1巻2,178円 (税込)
    潜入ライター、AI監視ウイグルに迷い込む。 すべての行動が監視され、住民の疑心暗鬼に満ちたネオ監視国家。筆者はその最暗部にスマホ一つで乗り込んだ。 〈上海や北京を中国の表玄関とするなら、新疆ウイグルは裏のお勝手口のような場所だ。外国人の数は非常に少なく、外部の目に触れることはほとんど想定されていない。だからこそ、中国の本当の姿が見えるのではないかという期待があった〉(まえがき) イスラム教を信仰するウイグル人とのさりげない会話には緊張感がただよう。宗教に話を向けると、コーランはすべて燃やしたと声をひそめる。当局の“再教育”を受けた男たちは、現在は無気力に地べたに寝そべっていた。言語も文化も破壊し尽くされた地に希望の光を探すが、筆者にも当局の影は近づいていた……。 ジョージ・オーウェルが『一九八四年』で予言した世界から40年。それを凌駕する不条理世界に迷い込んだ筆者による決死のルポルタージュ! (底本 2025年8月発売作品)
  • この手紙、とどけ! ~106歳の日本人教師が88歳の台湾人生徒と再会するまで~
    4.5
    戦後70年を越え日本と台湾をつなぐ手紙。 日本統治時代の台湾で小学校の教師をしていた106歳の日本人女性が、台湾にいる88歳の教え子に宛てた手紙は、住所が昔のままで「宛先不明」とされる。だが、台湾の郵便局員たちは「この手紙は大切なものに違いない」と確信し、なんとか届けようと走り回る。そうして元生徒宅に届けられた手紙は、台湾中に散った元教え子達に広まり、戦後70年を経た教師と生徒の文通が始まった。台湾の教え子から先生のもとに届いた手紙には、先生から習ったきれいな日本語がびっしりと書きこまれていたのだ。1通の手紙からはじまった、日本と台湾の戦後70年を超えた「絆」の物語。 (底本 2016年2月発売作品)
  • 台湾レトロ建築案内
    4.0
    鉄製の飾り格子「鉄窓花」、色とりどりのモザイクタイル、重厚な赤レンガや素朴な装飾ブロック…… 台湾各地に残るノスタルジックな書店やカフェ、映画館などを、ディテールの鑑賞ポイントと併せて紹介。貴重な資料や写真も盛り込んだ、台湾人の著者でなければ書けない建築ガイド。台湾街歩きのお供に最適の一冊。 【目次より】 レトロ建築を楽しむポイント: 「鉄窓花(飾り格子)」/人造石/赤レンガ/装飾ブロック/セラミックタイル ●台北・宜蘭――青田七六、紀州庵、九フン茶房ほか ●台中・彰化・雲林・嘉義――拾光机、小夏天、玉山旅社ほか ●台南・高雄・屏東――林百貨、書店喫茶一―二三亭、全美戲院ほか 台湾を3つのエリアに分けて、全24件の建物を紹介。書店やカフェなど、ほとんどの建物が実際に訪れることが可能。 著者紹介:老屋顔(辛永勝・楊朝景) 2013年から台湾各地に足を運んで各年代のレトロ建築を訪ね歩き、レトロ建築のファンクラブ「老屋顔」(意味については「まえがき」を参照)を設立する。FacebookやFlickr、InstagramなどのSNS上で情報発信するほか、「老屋顔アプリ」の開発など、さまざまな形でレトロ建築の魅力を伝える活動を行っている。

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  • 香港少年燃ゆ
    3.8
    1巻1,782円 (税込)
    激動の街を生きる15歳と歩んだ3年の記録。 香港デモの現場で著者が出会った15歳の少年・ハオロン。 過激なデモに参加し、母親とは不仲の少年は、普段は釣りをするだけの怠惰な日々を過ごしていた。 普通の少年に見える彼は、なぜ過激なデモへの参加も厭わないのか。少年とともに行動して見えた、報道からこぼれ落ちる香港の姿と、少年の未来とは。 19年の民主化デモから、20年の国家安全維持法を経て、少年の目線を通して激動の香港社会を見つめたルポルタージュ。 ●●星野博美さん、激賞!●● 正義とズルさと嘘が入りまじった愛すべき少年は、 寛容さを失った街でどこへゆく? (ノンフィクション作家、『転がる香港に苔は生えない』著者)
  • ルポ デジタルチャイナ体験記
    3.4
    ――新聞やテレビでは報じられない“リアルな中国”を知りたい。中国在住経験のある『ルポ 中国「潜入バイト」日記』の著者が、再び上海に飛び立つ。アリババが運営するホテル、店員がいない「無人書店」、町中を走る大量のシェアバイクなど、デジタル化が急速に進む中国の消費サービスを実体験! 丹念な取材と現地の聞き込みを通して見えてきた「中国IT社会」の光と闇とは。中国と取引する企業や、デジタルマーケットで戦うビジネスパーソン必読の最新中国レポート。
  • ルポ 中国「潜入バイト」日記(小学館新書)
    3.7
    中国人のリアルを描いたチャイナ潜入ルポ! 働く現場で見たリアルな姿を描いたチャイナ潜入ルポ! 小学館ノンフィクション大賞で審査員一同を爆笑の渦に巻き込んだ 異色の最終候補作が書籍化。 ジャーナリストの著者が日本人が知らない中国人の現場に潜入。上海の寿司屋の店員、反日ドラマの俳優、パクリ遊園地の踊り子、婚活パーティの参加者、富裕層向けのホスト、日本ツアーのガイドなどを自ら体験。そこで出会った中国人との奇妙な交流と職業体験から感じた中国人のリアルな生態を描いた、全く新しいルポルタージュ。

ユーザーレビュー

  • 一九八四+四〇 ウイグル潜行

    Posted by ブクログ

    ウイグル関係の本はいくつか読んできたが、この本は新しくまた、旅行者としてウイグルを旅しながら取材したという稀有な本である。
    ウイグル民族に対する弾圧は一時よりはトーンダウンしているようだが、モスクの閉鎖、ウイグル語教育の廃止、監視システムなど弾圧のための素地はむしろ強固になっているという印象だ。また著者が監禁される場面は恐怖をかんじた。
    また、隣国のカザフスタンでも、中国政府による監視が行き届いていることに恐怖さえ感じた。
    巻末の参考図書も有用。

    0
    2025年11月28日
  • 一九八四+四〇 ウイグル潜行

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     2023年の新疆ウイグル。

     ビジネスホテルに到着すると空港のようなX線ゲートで手荷物検索。街中を歩くと警官の数が異常に多く、交番のような警察官詰め所が数百メートルおきにあり、安ホテルに泊まろうとすると人民警察の職務質問を受けなければならなく諦める。モスクの写真を撮ると、どこからともなく警官が現れて削除させられる。監視カメラはほぼすべての店舗の入り口と電柱に備え付けられていて、タクシーの中ですら撮影、盗聴されている。
     ウイグル人たちは決して本心を話さない。誰が政府と通じているかわからない、疑心暗鬼。日本の戦中の隣組のように互いに監視し合う世界。

     新疆ウイグルでは強制収容所のことなど聞

    0
    2025年09月22日
  • 一九八四+四〇 ウイグル潜行

    Posted by ブクログ

    ジョージ・オーウェル『1984』を地で行く世界で、全体主義社会の怖さがありありと伝わってきて凄い本だった
    かといって反中に偏りすぎず、極力市井の声を聞こうとしてて信頼して読めた

    ガザやウクライナもそうだが、国というシステムだけでは限界なんだろう

    0
    2025年09月13日
  • この手紙、とどけ! ~106歳の日本人教師が88歳の台湾人生徒と再会するまで~

    Posted by ブクログ

    長い歴史や時代を得て、なおもつながる絆。先生はいつまでも先生、生徒も同じ。最後の後書きでうるっと来ました。

    0
    2025年03月12日
  • 香港少年燃ゆ

    Posted by ブクログ

    賛成と反対、正義と悪のように、二元論でスッパリと分けきれない人間の姿がとてもよく描き出されている。
    デモに積極的に参加しようとする少年について行くことで見える香港デモの姿は、権力と民衆という今までの香港デモの単純なイメージとは異なるもののように見えた。
    デモに参加する人も、デモに反対する人も、デモに関わりたくない人も、みんな寝たり食べたり日常を送る人間たちで、自己矛盾や生きづらさや、さまざまなものを抱えてる。
    そんな人々の顔が見える記述だった。

    0
    2022年12月31日

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