吉實恵のレビュー一覧

  • 風待ちのひと

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    面白かった。一気に読んだ。ラストも良かった。
    30代後半の大人の恋愛小説っぽい。それぞれに色々な経験を持った男女が、たまたま偶然出会い、お互いに大切な人になっていく。伊吹有喜さんのデビュー作。伊吹さん3冊目。刺激的ではないけれど、いつも穏やかな、優しい気持ちにさせてくれる作家さんです。好きかも。人との繋がりの大事さを教えてくれる。他の作品も読んでみたい。

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    2025年09月22日
  • 夏空白花

    「夏空白花」につぃて

    日本人の多くが熱狂し、感動する全国高校野球選手権大会。
    公共放送が試合を中継し、球場の名前である"甲子園"が通称になるほど多くの人に親しまれ、学生スポーツの中では屈指の人気を誇っている。

    十代の限られた時期にしか立てない球児の夢の舞台に、こんな歴史があったとは知らなかった。
    須賀しのぶさんの「夏空白花」は、戦争によって失われた甲子園の復活に燃えた男の物語だ。
    夢の甲子園の陰の一面も描き、ただ気持ちよく読者を泣かせてくれる感動秘話で終わらないところが、実にいい。

    まず主人公の新聞記者の神住が、元甲子園球児なのに、「野球は愉快だが、そこまでたいしたものではない」と思っている

    #深い

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    2025年08月29日
  • 風待ちのひと

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    若い子の恋愛には無い
    39歳色々な経験積んだ大人
    じれったく、ハラハラしたり、ドキドキ、クスッと笑ったり、涙ポロ
    伊吹有喜さんの作品なので優しく書かれる気はしますが優しくない感じもした。
    大人の恋愛だな。オペラやミュージカル
    星4.5

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    2024年08月29日
  • 夏空白花

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    戦後日本の高校野球の復興に向けて奔走する朝日新聞記者の話。一昔前までは打倒米英、これからは平和と国のスタンスが大きく変化し、それに合わせて新聞社も変化する。また、主人公自身も同じように野球に対する考え方も大きく変化し、そしていい大人になっても、人としてまた学ぶ様を描いている。

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    2024年08月08日
  • 夏空白花

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    高校野球好きな人は楽しめるはず。私もそう。辛い時期を経て再起をかけて動いた人たち。久々に本を読んで胸が熱くなった。

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    2024年07月13日
  • 風待ちのひと

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    辛い経験を経て失うものとそこから得るもの、人生で起こる小さな出逢いや縁の大切さを気づかせてくれました。

    小説の中にしかないでしょ?といった筋ではなく、親近感が持てる人物像と現代家族の描写に、隣の家を覗いているようなリアル感を得られました。

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    2024年04月06日
  • 風待ちのひと

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    伊吹さんの小説、2冊目。読み終えて感じたこと。

    美鷲の風景描写が、想像できるくらいの表現の素晴らしさに惹かれた。
    家族を失った貴美子と心の風邪をひいてしまった哲司。
    貴美子の優しさと気遣い、テキパキとこなす仕事。かっこいいと思った。
    お互いに欠けているもの、大切なものに気付き前に進もうとするストーリー。

    貴美子は本当に温かい女性だと思う。
    謙虚でどんな人にも温かく接することができる女性。
    弱いようで、芯の強さもある。
    大切なものを手にするために、自由に生きれたらどんなに幸せかなぁ、と思ったストーリーだった。

    ちょっぴりもどかしくてせつなくもなる大人の恋も描かれてて、色んな気持ちになれた。

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    2024年03月14日
  • 風待ちのひと

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    伊吹さんの作品は人の心情の移り変わりなどが大変上手いので作品を読み終えるたびに上手いなあと感じます。

    今回もそれぞれが感じていた寂しさや、やるせなさなどがとても上手く表現されています。

    ハラハラ、ドキドキしながら迎えるラストにとても心が癒されます。

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    2023年11月20日
  • 夏空白花

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    ネタバレ

    終戦直後の日本って、こういう感じだったんだろうなあということがよく伝わってくる。
    戦争が終わり、今まで自分がやってきたことと、これからやっていかなければいけないこと。
    その辻褄を合わせるのに、厚かましくやっていける人とそうでなかった人。戦争で勝った人たちと負けた人たち。戦争では勝ったけれど、日系人として差別を乗り越えなければいけなかった人たち。いろいろな立場の人がぶつかって、様々な葛藤があり、それを野球好きとしての共通点で乗り越えていく。僕自身はそれほど野球に思い入れがあるわけではないけれど、人物がとてもしっかり描かれていて、本当にこういう人がいたように思えた。どこまでがフィクションで、どこま

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    2023年09月05日
  • 夏空白花

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    野球について私は興味なかったけれど、凄く胸が熱くなる作品だった

    戦後の日本
    困窮が続く中で甲子園を再開するために尽力する
    甲子園の場面はほぼなく、甲子園を復活させるまでの物語
    そして甲子園を復活させるために尽力した男の物語
    米兵が統治する中、直談判に行き用具を集める
    並大抵の覚悟では出来ないことだろう
    甲子園という存在が朝日新聞のもと運営されているのは知らなかった
    それが今でも続いているのはとても凄い
    甲子園の存在は、過去の先人たちがどうにか若人の為に再開したいという熱い想いが今に続いているのかもしれない
    そんな昔から野球が、甲子園が行われていたのだと
    そういった歴史の中で培われてきたのだと

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    2023年05月15日
  • 風待ちのひと

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    哲司39歳、銀行員、出世コースから外れ、外資に勤める妻の年収の方が多くなった。うつ状態になり休職することになった。三重の田舎に家を建てた母が死に、その家の始末に来た。喜美子39歳、息子に死なれ、あちこち転々としていた。たまたま会った哲司を助け、家の片付けを手伝うようになった。自称オバチャン

    ある種の完璧な小説だった。

    ヒッチハイクをする喜美子を説明するプロローグ、悩みを抱えた哲司。彼を助けてあげる喜美子。こうなったらいいな、こうなったらいやだなと読む者を振り回すストーリー。素晴らしい。

    喜美子は理想のタイプの女性だなと思うのと、どんな事があっても、人間は再生できる、やり直せると深く思った

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    2022年09月28日
  • 風待ちのひと

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    著者の作品を読むのは雲を紡ぐに続いて2回目です。エリートコースを歩んできたサラリーマンが、うつ病になり、妻にも浮気され男としての自信を失い、自殺するつもりで亡くなった母の住んでいた街、美鷲(おそらく三重県の尾鷲市)に訪れます。休職期間中のその街での出会いや恋愛を綴った、切なくも優しいストーリーです。
    哲司も喜美子もお互いを好きなのに常識のある人間だからこそ先に進めない感じがなんとも切ない。
    雲を紡ぐを読んで、夫婦や親子関係の機微を描写するのが上手な作家だなと思っていましたが、その魅力が存分に詰まった一冊で、今まで読んできた小説の中でも1番と言っていいくらい好きな本です。少し日々の生活に疲れてし

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    2022年08月21日
  • 風待ちのひと

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    ネタバレ

    伊吹さん。今年に入ってすでに7冊目。今回は自分の年齢と似たアラフォーの主人公・哲司と喜美子のカタルシスWITH恋愛の話し。哲司はエリート銀行マン、妻との関係は冷え切り、心身の不調から休職。静養がてら、母が住んでいた海辺の町・美鷲を訪れる。同い年の喜美子は、明るく世話好き。夫と息子を亡くした心に辛い傷を負っていた。喜美子の健気さと懐に入り込む愛嬌が何とも愛らしい。完全に喜美子が気になる。哲司には喜美子が必要だが妻との諍いから辛い展開に。最後は久しぶりに涙が出た。伊吹さんの本で一番感情移入したベスト本。⑤↑

    これがデビュー作なんだね。

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    2022年05月22日
  • 風待ちのひと

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    まさにツボ、満点でした。
    哲司と同じ業界で働いていました。そして途中で道を外してジ・エンド。音楽ではクラシック大好き。昨秋はショパンコンクールにハマっていました。コロナの前はオペラにもよく行きました。最も聴いているのはトラビアータ、ウィーンやパリでも聴きました。事実なのですがヴェネツィアフェニーチェ劇場は2年前コロナで泣く泣くキャンセルしました。
    ただし、生まれ育ちは平凡で、教養もお金もなく外見は貧相という点は大きな違い。おかげで生きる喜びを未だに模索中です。こんな格好いい男になりたかった。

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    2022年03月10日
  • 風待ちのひと

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    伊吹有喜さんのデビュー作。四十九日のレシピが有名ですが、個人的にはこちらの方が好きです。
    オススメ!

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    2021年10月21日
  • 風待ちのひと

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    ネタバレ

    また大好きな本が増えたー。

    「大人のけじめの付け方が、子どもの人生に影響する」
    確かになー。また、喜美子がした渦の話もよかった。人生に喩えられるね。
    哲司と喜美子の関係がなでしこ物語のヨウヨとリュウカくんに通じてる気がして。
    それにしても伊吹さんのデビュー作、彼女は最初からこんな繊細で豊かな人間性を持つ登場人物を描けていたんだな。すごい。

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    2020年12月07日
  • 夏空白花

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    どこまでが事実なんだろう。分からないけど、この物語を今、この時に描けるこの人はすごいと思う。重厚なのに爽やかで、終章は涙なしには読めない。野球好きじゃなくても楽しめる。あと、美子さんのキャラクターがとても良い。

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    2020年11月25日
  • 夏空白花

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    元々高校野球は好きでよくテレビでは見ていましたが、息子が高校球児になったので当時は親として大変だったものの、地方大会では決勝まですすんだので熱狂と感動を味わうことができました。
    日本の高校野球は独特なので、いい面悪い面はあるものの、長い間国民の支持を受けて100回以上も大会を維持しています。この大会の存続を願って奔走してくれた野球を愛する人々に支えられてきたのだと改めて感謝しながら読みました。日米の野球観の違いも興味深かったです。国の背景、文化の違いがあってもスポーツを通して理解しあえる。最後の場面は特に感動しました。

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    2020年10月31日
  • 夏空白花

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    面白かった!

    戦後1年で復活した高校野球大会
    それなのに、今年は…
    来年の夏、開催される事を切に願います。

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    2020年09月04日
  • 夏空白花

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    著者得意の甲子園もの。戦技甲子園を復活しようとする人々が描かれます。主人公の奥さんとマーカット局長の「一言」が良かった。でも、甲子園ものでは、「雲は湧き、光あふれて」の方が好き。近代東欧史ものでも「革命前夜」とか「また、桜の国で」などの傑作をものにしているので、そろそろ直木賞に届いてほしいなあ。最高傑作は流血女神伝だけどね。あれは読み継がれるべき大傑作です。

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    2018年09月08日