吉實恵のレビュー一覧

  • 夏空白花

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    ネタバレ

    戦争による高校野球の中止。終戦後に再開させたくてもなかなか目処が立たないなかなんとしてもという決意のもと動き出す神住。野球に対する強い想いと元球児としての願い。GHQの壁。困難なことがたくさんある中で日本の復興のひとつのシンボルとして野球を、それも高校野球の復活。アメリカ側とのやりとりで見えてくる日本のこれまでとこれから。野球とベースボールの違い。戦争の悲惨さと立ち直ることの難しさ、全てを受け入れて進むこと。その大変さ、苦悩、悲しみがある。だけど野球に願いを乗せて、球児に未来を見て、そしてタイトルの意味がわかるラストにある希望。とても素晴らしい物語。

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    2018年08月15日
  • 風待ちのひと

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    メンタルをどう克服するか
    自分にどう向き合うか
    自分に正直になれるか
    等多くのことを学ばせてもらった
    この作家の作品は何作も読んでいるが、この作家が女性であることを初めて知った

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    2025年12月08日
  • 風待ちのひと

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    伊吹さんの作品を読むのは3冊めです。最初に読んだ「雲を紡ぐ」が好きだったことが手にしたきっかけです。
    優しい雰囲気はこれまでの2冊と同様でした。
    歳を重ねると、いろいろな経験を重ねる中で、自分の生きていく世界が固まっていく、決められていくような気がします。若いときのように新しい環境に飛び込むことも難しく、億劫になってしまう。
    哲司も喜美子もじれったいですが、20代のように突っ走ることも難しい、まどろっこしい感じもありつつ、切ない話でした。

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    2025年04月10日
  • 風待ちのひと

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    風待ち、潮待ち、日和待ち、ってよく使う言葉で、好きな言葉です❗️
    最近は、人生、急いだり、あせったりしないようにしています。

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    2024年12月25日
  • 風待ちのひと

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    ネタバレ

    ペコちゃん
    福井喜美子。不二家のペコちゃんに似た腕利きの元理容師。夏の間、ミワという店で手伝いをしている。三十九歳。六年前に旦那が亡くなった。

    須賀哲司
    和歌山県から東京までトラックで鮮魚を運ぶ仕事を始めて五年目。三十九歳。美鷲水産。大学卒業後に入った銀行は相次ぐ合併で、気が付けば吸収された側の窓際にいた。

    実塩
    哲司の母。三重県の私立の女子校で教頭を務めていた。定年後も請われてその学園の運営に携わっていたが、六年前に完全にリタイアし、岬の家と呼ばれる、美鷲に家を建てた暮らしていた。持病が悪化して倒れ、五ヶ月の闘病の末に病院で亡くなった。

    理香
    哲司の妻。大学の同級生。外資系の証券会社に

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    2024年10月23日
  • 風待ちのひと

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    哲司と喜美子と同い年の時だったから、なんだか気になって手に取りました。

    39歳。
    それなりに生きて来て、それなりに色々持っていて、それなりに幸せだけど、何だかポッカリ隙間が空いちゃってるような気がしてる。
    何を探してるのか、自分でもわかんないのに、
    気ばかり焦ってバタバタしてる。

    幸せってひとつじゃないし、同じ形でもない。
    ゆっくり探せばいいじゃないって、背中を押してくれるような作品でした。


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    2024年05月05日
  • 夏空白花

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    須賀しのぶさんの著書はやはりいい。
    『また、桜の国で』『革命前夜』『神の棘』『紺碧の果てを見よ』と読んで来たが、どれもハズレはない。
    前半は物足りなさがあったが、物語が動き出す後半は引き込まれて一気に読んだ。
    1945年、敗戦翌日から、戦争で中止となっていた高校野球大会を復活させるために奔走する人々を描いた小説。

    GHQや文科省と駆け引きしながら、あきらめず、出会いから人脈を広げ、敗戦の翌年には開催した。そこまでの道のり。そこに絡んでくる人々。野球ファンではなくても、楽しめると思います。
    野球好きには尚更楽しめるのではないでしょうか。

    それにしても、やはり巨人は好きになれない。沢村栄治に対

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    2024年05月04日
  • 夏空白花

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    野球には詳しくないですが、これまでと価値観がガラリと変わる中で、前を向き動いた人々の熱量に胸を打たれました!

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    2024年04月08日
  • 夏空白花

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    1945年8月、敗戦直後から、失われた高校野球大会を復活させるために元高校球児の新聞記者が奔走するお話。

    甲子園への思い、野球への思い、GHQの日本野球への反感、ベースボールとの違い‥。

    今の高校野球にも通じる問題を考えながら、野球が好きな子たちが思いっきり野球ができることがどんなに幸せかをかみしめずにはいられませんでした。

    「空襲を知らせるサイレンに怯えることなく、誰も彼も夢中で、白いボールの行方を追う。一喜一憂する。見事なプレーに惜しみない賞賛を送り、まずいプレーにさ野次を飛ばす。かつては球場で当たり前のように見られた光景だった。」

    どう

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    2024年02月29日
  • 風待ちのひと

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    39歳、妻とうまくいっていないエリートサラリーマンが、心の病気を患い、亡き母の残した三重県の海辺の家に、整理しがてら、療養にやってくる。
    その海辺の町で、家族とうまくいかない男は、子供を海の事故でなくして心に傷を負っている同い年の女と出逢う。
    39歳という、もう若くはない年齢で出逢った二人が、お互いの傷をじっくりと癒しながら、リスタートをきっていく。
    小説を読んでいるだけで、雄大な景色、オペラが奏でられるような気がする美しい小説です。
    大人の素敵なラブストーリーですね。

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    2023年12月12日
  • 風待ちのひと

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    あなたは、『たしかに自分は今、何もかも保留、宙ぶらりん、先送り中だった』という今を生きていませんか?

    この世を生きていく中には、楽しいこと、やりたいことがある一方で、嫌なこと、やりたくないこともたくさんあると思います。これは誰だって同じです。前者だけしかないという方がいたらそれはとても幸せで前向きな人生なのだと思います。誰にだって多かれ少なかれ、またその時々の状況によって嫌なこと、やりたくないことというものはあるはずです。そして、当然の感情として、そんなことごとを後回しにしたい、そんなことがあること自体を考えないでいたい、そんな風に考えると思います。

    しかし、残念ながら人の人生が有限である

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    2023年03月29日
  • 夏空白花

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    どこまでが史実かは分かりませんが、野球好きの自分はとても楽しめました。ベースボールとやきゅうの違いはあっても、ど真ん中には野球というスポーツが聳え立っているのだと。また、奇しくもコロナ禍により、「子どもたちの1年は大人の10年」という言葉も実感することができました。「青春は密」という監督の言葉もありましたしね。いつの時代も野球は人々を魅了し、時には人生を狂わせるほどの魔力をもっているのだと思います。

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    2023年01月02日
  • 風待ちのひと

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    何だかなあ。
    良い話なんだろうけど、
    あんまりこういう展開は好きじゃない。

    結局、娘が可哀想としか思えん。

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    2022年12月14日
  • 風待ちのひと

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    疲れたら休めばいい。こんな素敵なまちで休暇を過ごせるなんて気分転換できること間違いなしでは?
    ちょっとおせっかいか、と思われるけど、そのおせっかいさに救われたところが大きいな。

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    2022年05月27日
  • 風待ちのひと

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    親切にすると幸運をもたらすと言われている女性、貴美子が心を病んだ哲司と出会う。哲司は亡くなった母の岬の家に療養に来ていた。お互い惹かれる素因があったのだろう。上手くいきそうで中々いかない、じれったくもあったが終わりはよかった。クラッシックの曲が流れているのもいい。

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    2022年03月31日
  • 風待ちのひと

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    最近、青春小説ばっかり読んでいたので、久々に大人のお話。
    心のバランスを崩し休職中のエリートサラリーマン哲司が紀伊半島の港街、美鷲を訪れる。そこで出会った喜美子。明るい振る舞いの裏には悲しい過去があり。
    最初はこの喜美子の田舎のオバちゃん然とした感じがイヤだったけど、読み進めていくうちにそれが彼女の自信のなさやあきらめてきたものからくるものだとわかってくる。本当は誰よりも純粋でまっすぐで。だから哲司もそんな彼女に癒され、徐々に自分を取り戻していくんだね。大人の夏休み。
    「風待ち」という言葉がいいね。「道を踏み外したのではなく、風待ち中。いい風が吹くまで港で待機しているだけ」
    惹かれあう二人だけ

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    2021年08月08日
  • 風待ちのひと

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     心が風邪を引いてしまったら、どうする?
     そんなことで寝込んでなどいられないと、自身を叱咤激励するか、それとも、癒されるまで、ゆっくり過ごすか。

     心が風邪を引いてしまったら、無理をしちゃいけない。周りの速度が速いから、取り残されてしまうのではないかと心配になるかもしれないけれど、焦らなくていい。

    「風待ち中。いい風が吹くまで待機しているだけ」

     いい風が吹いてきたら、帆を上げて漕ぎ出せばいい。

     でも、それは一人じゃ無理。傍にいてくれる誰かが必要。支え、励ます、時にはユーモアをもって。その中で、もしかしたら、風邪が治りきっていなかった自身も癒されていく。

     読後感がとてもあたたか

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    2020年09月26日
  • 夏空白花

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    ネタバレ

    最近、全然見なくなった甲子園ですが、今年は中止だったので、読むのにちょうどよい機会だったなと思いました。だから、発行されたのかな。
    戦後、どのようにして野球が再開されたかについて、こんなドラマチックな経緯があったなんて、考えてもみなかったです。戦後1年で大会が始まったのも知らなかったし。昔は、同じスポーツなのに、野球ばっかり表立ってて、他の競技がないがしろにされている気分でしたが、こういういきさつもあるからなんだなーと、ちょっと納得しました。

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    2020年09月05日
  • 夏空白花

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    終戦の重苦しい雰囲気から始まり、鬱々とした気分で読み始めたが、スミスら米軍と関わり始めた辺りから面白くなってきた。特に面白かったのが日本とアメリカの野球の価値観の違いが次第に露になるところ。日本の甲子園にかける熱量は確かにアメリカには理解しがたいのかも。ただ、観客側の残酷さというか身勝手さは現代に通じるところもあるのかな。その辺のもやもやを残しつつ、単純な感動で終わらせないところが良いと思う。とは言え、最後の場面は間違いなく胸が一杯になった。

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    2020年07月26日
  • 夏空白花

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    面白かった。

    日本の夏といえば、甲子園。
    終戦直後の日本で、高校野球復活のために奮闘した新聞記者の姿を描いた小説。

    タイトルは「なつぞらはっか」と読む。
    夏空に白球が飛んでいく様を喩えたのか、と思ったら違う。夏空の下、グラウンドを走り回る白いユニホーム姿の選手のを譬えたのだという。

    敗戦の1年後に、焼け野原の中で、主要な球場を接収された中で、高校野球の全国大会が開催されたなんて、よく考えれば奇跡だ。そんな奇跡が目の前で繰り広げられれば、選手たちはまさしく希望の真っ白な花のように、観客の目には映っただろう。

    なぜ、日本において、こんなに野球が他のスポーツに比べて特別扱いされているのか?ま

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    2019年08月30日