高岡香のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
映画が好きで読み始めた1冊。
これくらいの、大人になる前の少年少女の思春期ならではの乱高下する情緒やふいに訪れる孤独感を持て余している様子を読むのが大好き!
文章が詩的で抒情的で、映画の場面を思い描きながら読めた。イタリアのあの風景が文章でも読めるのは嬉しい。そしてまさかエリオの中にこんなにも熱い、時に変態的でともすれば気持ち悪いくらいの激情が、あんなに初期から秘められていたのにはびっくりした。
映画を見た時には、気に食わないけどなんか気になる存在、としてオリヴァーと出会うところから始まって、徐々に特別な感情が育まれているように見えていたので。
映画は小説と異なり、オリヴァーが突然かけてき -
Posted by ブクログ
ネタバレ導入部では古典的な幽霊船の怪談調(過去の話)ではじまり、現代へと転じると主人公の主観へ交代する。
内容の半分までは正統なホラーといった感じで、現代の科学技術が通じぬ正体不明、神出鬼没の敵対者に対する恐怖だったが、
中盤以降は幽霊の正体や意図は不明なのものの、その性質は明らかになっていき、ややパニックホラー寄りのテイストになった。
終盤では幽霊の正体(ユダヤの悪霊)までも明らかになり、その召喚と制御不能になるまでの過程も描かれており、幽霊譚だけで無くループ物でもあったのかと謎がすべて解けるような作りになっていた。
読んでいてスッキリはするが、やはり中盤あたりまでの「正体不明・手口不明の怪異」こそ -
Posted by ブクログ
なぜ十代の自意識過剰で繊細な少年が永遠に悶々と悩み続ける様を描いた小説はこうも魅力があるのか。「潮騒の少年」はまさにこの小説のアメリカ版って感じだったけど、「君の名前で〜」の方が上品。どっちが良い悪いとかではない。なぜどちらの少年も好きな男がはいたパンツを頭に被るのか。もしこの小説と同じような設定の作品を探してるなら、「潮騒の少年」はオススメ。「君の名前で〜」のような静かで美しくてハイソな雰囲気ではなく、精子の匂いが立ちこめるような思春期男子!て感じだけど。
映画が最高だったから原作はあまり期待していなかったが、いい意味で裏切られた。本当にこの小説の雰囲気をそのまま映画にした感じだったんだなと -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルが美しいのと評価の高さで久しぶりに手に取った恋愛小説。
イタリア人らしい(?)情熱さ。ふたりの人物をなんの後ろめたさもなく素敵だなと思ってたり、パーティで出会った女の子といい雰囲気になってたり。
でも後半エリオの相手の女の子全く出てこなくなってあっさりしすぎだろ…とも思った。
最初の夜を迎えるまでの駆け引きは甘酸っぱくてもどかしくて、必死に相手のことなんて僕は興味ないけど?て無関心を装うのは万国あるあるなんだなーって思った。
桃での自慰シーンはちょっと気持ち悪かった…笑
タイトルの「君の名前で僕を呼んで」というのは、なんとなく素敵だなーと思ってただけで、作中で同じ言葉が出てきても理 -
Posted by ブクログ
映画を先に見たが、字で追うイメージとちょっと異なりがあるので、どちらを先行させても十分に「エリオとオリヴァーの世界」をつかの間覗かせてくれると思う。
私はLGBTの理解が中途であり、受容できていないこともあるせいか、改めてこのジャンルをネットで勉強。
意外と、日本人は比率が高い事に愕く・・が、国としての政策面ではお粗末で世界的に下位。
シャラメの表情、空気感の演技がオスカーに繋がったのも運づける映画。原作は彼の視点で展開した事もあって、早熟で知的な彼、持て余した自分の内奥に着いた炎に不安と焦燥で身を焦がすさまがよく伝わってくる。
一方のオリヴァー、米国人という事もあって1980年代、激しい差 -
-
Posted by ブクログ
「第四部 羊の皮をかぶった狼」☆3
話、そっちに行くんかい… これほどまでの大どんでん返し食らうとは この先ついて行けるかしらw シリーズものだが、次作読むかどうかは微妙
「鋼鉄の檻」☆4
これは、スピードよく読めた
デヴィッドの言うことは正論だけど、でもそれ、へこんでるケリーに言うかな こんな男、別れちまえ ケリー、強くなれ 立つんだ、立ち上がれケリー
アッカーマンとケリー この二人メインで掘り下げた一冊を読みたかったな
こんな薄い本、上下に分ける意味あんのか
この表紙(あえて装丁とは言わない)は上下巻ともに最悪 なんなんだこの醜悪漂うB級ホラーな絵(あえてデザインとは言わない)読み