レイフ・GW・ペーションのレビュー一覧
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これは面白い、素晴らしい。脳梗塞で倒れ麻痺が残った凄腕の元警察長官のヨハンソンに、主治医が、25年前に起きた少女暴行殺害事件の相談を持ちかけてきた。9歳の女の子の強姦殺人事件だ。事件はすでに時効だが、元同僚のヤーネブリング、介護士のマティルダ、身の回りを世話してくれるマキシムなど周囲の仲間と一緒に捜査を始める。ヨハンソンはもちろんだが、全ての世代、男女ともに魅力的な人物たちが登場する。ヨハンソンは幸せなわけだ。ヨハンソンのセリフの後に本心の言葉が続く。不甲斐ない後輩たちへの不満や自分への叱咤、女性への気持ち、その繰り返しが面白い。犯人は比較的早い段階で特定される。誰もが殴り殺したくなるような卑
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2018年秋に読んで、とても印象に残る作品だったので、昨年の『このミス』では5位に投票したのだが、今思えばもっと上位に入れてもよかったかもしれない。本国スウェーデンでは、いくつかのシリーズ作でヒットを飛ばし、うち何本かはTVシリーズにもなっているこのレイフ・GW・ペーションであるが、日本ではほとんど知られていない。本邦初訳となるペーションのこの作品は、各賞を総舐めにした傑作である。この作品に出会えて本当によかった。
主人公は国家犯罪捜査局長官のラーシュ・マッティン・ヨハンソン。何と、この主人公、作品のスタート時点で、ホットドッグ屋台の前で脳塞栓を起こし、意識不明の状態で病院に運ばれてしま -
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ベックストレーム警部シリーズの最新刊。警部と同じアパートに住む少年が、キャンプ先で見つけた銃弾の残った女性の頭骨から始まる事件。頭骨から取り出したDNAの照合から、その女性がすでに別の場所で死に、埋葬されていたことがわかる。果たして、その女性は誰なのか。。。
著者の書き方なのだろうが、ベックストレーム警部と彼を取り巻く登場人物たちの言動の賑やかさに比べ、捜査の進展も犯人と目される人物の行動も淡々と語られる。そのため、捜査を仕切るサボりの常習者である警部の役立たずぶりや、周りの人たちの細かな言動の描写の多くが、あまり事件解決にリンクしない。悪く言えば無駄な描写が多いのだが、これにより主要な登場 -
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スウェーデンの作家「レイフ・GW・ペーション」の長篇ミステリ作品『許されざる者(原題:Den Doende Detektiven、英語題:The Dying Detective)』を読みました。
「アーナルデュル・インドリダソン」、「ジョー・ネスボ」の作品に続き、北欧ミステリが続いています。
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CWA賞、ガラスの鍵賞など5冠獲得!
北欧ミステリの重鎮による究極の警察小説
国家犯罪捜査局の元凄腕長官「ラーシュ・マッティン・ヨハンソン」。
脳梗塞で倒れ、一命はとりとめたものの、右半身に麻痺が残る。そんな彼に主治医の女性が相談をもちかけた。
牧師だ -
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ネタバレベックストレーム警部の第二弾。
前作の「見習い警官殺し」が面白くなかったので、
全く期待せずに読んだが、良かった。
あくまでも前作に比べれば、と言う意味だが。
アルコール依存症の一人暮らしの男が殺された。
酔っ払い同士のありふれた事件のように見えたが、
死体の第一発見者も死体で発見されてしまう。
謎解きの要素もあったし、
捜査も進展したし、
意外な展開もあった。
さらには、前作に比べて短いせいかもしれない。
といっても、
酒好きで、女好きで、金好きで、偏見のかたまりで、
仕事をさぼることばかり考えているベックストレーム警部は相変わらず。
健康のために、禁酒と運動を誓ったにもかかわらず、 -
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ネタバレネットで見かけて。
何だか変な感じがした。
その「変」は読み終わった後、解説を見てわかった。
人気のシリーズの最終作だった。
なるほど。
それで、
登場人物が妙に完成されたキャラクターだったり、
途中で出て来た人との関係が重かったりのは、そのせいか。
北欧ものにしては暗くないし、
悲惨でもないこの作品において、
それは決してマイナスにはなっていなかったけれど、
この前の作品を翻訳してほしい。
話はそれだから。
「角の向こう側の見通せる」男、国家犯罪捜査局の元長官が、
脳梗塞で倒れる。
麻痺と闘いながら、担当医の頼みを聞いて過去の事件を調べ始める。
妻の諫めも聞かず脂っこいものを食べたり -
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渋い。渋すぎる。
まず、主役が
脳梗塞を患い
右半身に麻痺が残っている
元警察庁長官。
治療やリハビリを受ける中で
ある時効を迎えた
女児殺害事件に行き当たります。
主治医である女医から
牧師だった父親が
生前「事件の犯人を知っている」
という懺悔を耳にしたらしい
と 告白され
犯人探しが始まるのですが
いわゆる
『安楽椅子探偵モノ』に近く
自らは ベッドに横たわったまま
当時の捜査資料などを紐解きながら
想像力と経験値で
推理を進めていきます。
ピアスやタトゥーを施した
介護士の若い女性や
同じく年金生活者で
元警察官の親友
非常に細かい
元会計士の義弟
孤児で 並 -
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三作目にしてようやくこの作家に慣れてきた。作家という職業の他に、犯罪学教授、国家警察委員会顧問、など三つの顔を併せ持つ、いわゆる専門家なのだが、そういう書き手による警察小説でありながら、内容はお固いものではない。というより、むしろブラックユーモアという今や廃れてしまった類いの言葉が最もよく似合うのが意外な本シリーズなのである。
ミステリーの謎解きの味は確実に残しつつも、捜査に携わる実に多様な男女を各所に配しながら、彼らを率いる最悪のボスであるエーベルト・ベックストレーム警部の実に滅茶苦茶な活躍(?)を描くシリーズ第二作が本書。第一作の『見習い警官殺し』では、とにかくDNA検査を限りなく指