南和行のレビュー一覧
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弁護士の先生が書いた事例集……というと、実用本っぽいものをイメージするかもしれないけれど、1つ1つの事例が、まるで短編小説のよう。
読みやすく、おもしろい。
で、それとは別に、「離婚と法律」について思うことは、ホントに法律ってのは、必ずしも「理不尽な思い」をしている方の味方なんかじゃないってこと。
法律的にどうか、ということは、傷ついた人を救えないどころか、もっと傷つけることもある。
だからこそ、「夫婦をやめた」くても「離婚はしない」人もたくさんいるのでしょう。
法律的なアドバイスしかできない立場の弁護士の先生にも、どうすることもできないのでしょうけど……せめて気持ちの面では寄り添ってくれる -
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P14「同性婚を考えると言う事は、男女とは何か、結婚とは何か、家族とは何かを考えることである。」
P 44「私はせめて、小学校中学校、高校での教育の中で、世の中には同姓愛者が存在すると言うことをきちんと知ることができればよかったのにと思う。自分は教科書には載っていない存在だと思い、湧き上がる自然な気持ちを否定するしかなく、自分で自分を認めるまでにずいぶん回り道をしてしまった事は残念だ。」
P110「一方で、法令データ提供システムの法令用語検索で同性愛あるいは同性と検索してみても、該当するデータはありませんと表示される。」
P115「2人の愛情は結婚のきっかけとして必要かもしれない。しかし -
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子どもを巡る、保育、養護、療育、貧困対策、性の多様性、居場所作りなどについて各テーマごとにコンパクトにまとめられており、第一線で活躍しマスコミにもよく登場する筆者たちが現場発の生の声で語っている。
今保育士の受験勉強の途中で、児童養護や福祉について学んでいるので、乳児院や養護施設、里親、虐待からの保護などいろいろディープな環境にある子どもたちの事情に興味があって読んでみた。
正直読んでいて辛くなる。
一般人に縁がありそうなのは保育園の待機児童問題くらいで、その他は不幸にして家庭や親に恵まれなかった子たち、または、生まれつきの障害や性的マイノリティーなどの苦労を負った子たちだ。
しかしその -
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ゲイの弁護士カップルの一方の人が書いた本。同性婚が法律的に認められることを求めて、日本の法律とか法律を取り巻く社会のあり方に一石を投じている感じかな。
自分としては、同性カップルも異性カップルを同じような権利を行使できるようになればいいとは思うけど、それが結婚というものに集約されていくのは何だかなと思っている。利便性とか考えると、現状では結婚ということになってしまうのはわからんでもないけど、それが残念。同性カップルにせよ、異性カップルにせよ結婚しなくてもお互いを信頼して一緒に生きていけるようであればいいと思うんだけど、甘ちゃんかしらん。だから、結婚なんて制度がなくなってしまえばいいと思うし、戸 -
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子どもの人権をまもるというテーマに沿って……かな? けっこうそうそうたる人々が稿を寄せている。宮田雄吾(大阪共立病院・大村椿の森学園)、山野良一(名寄市立大学・専門社会調査士)、駒崎弘樹(認定NPO法人フローレンス代表)、仁藤夢乃(一般社団法人Colabo代表)、熊谷晋一郎(東京大学・当事者研究)、大塚玲子(編集者・ライター)、内田良(名古屋大学・教育社会学)、大貫隆志(「指導死」親の会共同代表)、大原榮子(「メンタルフレンド東海」世話人代表・名古屋学芸大学)、前川喜平(元文部科学省事務次官)、白濵洋子(佐賀女子短期大学・学校保健)、内藤朝雄(明治大学・社会学)、山下敏雄(弁護士)、村田和木(
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この手の本は必要だと思いつつ、どうしてもモヤモヤしてしまうことが。
それは、マイノリティ同士のカップルだと、パワーカップルばかりがメディアに出てきてしまうこと。構造上仕方がないとわかっていても、モヤモヤしてしまう。
なんとなく、弁護士とか美容師とか大学教授とか医師とか、手に職系(かつ、一般的に比較的「高給」と考えられている職業)でないとマイノリティとしては生きていけないような感じになってしまうのであれば、やはり社会としては不健全だと思う。
こうした「手に職」系にマイノリティが多いように思えてしまうのは、それらが職業的にチームプレイでなく個人プレーが可能であり、それがゆえに同調圧力が低いコミュニ -
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LGBTを理解して
認めなければ間違った方向に
向かい社会から排除され
人権が失われていく…
これからの家族の新しい在り方
の幸せなモデルの先駆者となった
勇気ある南、吉田弁護士に拍手です。
少子高齢化が進み、日本はかつて
味わったことのない社会になりつつ
あります。
確かにLGBTはなるものではなく
時間をかけて気付くものですし…
性的嗜好と性自認は治療法がありません。
それにしても読み始めると止まらず
小説のような面白さがありました。
かく言う僕も本当のところはわかり
ませんが…女っぽい男ですし…
気持ちの上ではわかっていたつもり
で…本当はゲイなのかもしれません。
(惚れるのはいつも男性 -
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著者の来歴の章はおもしろかったし、憲法や少子化と同性婚についての話もなるほどなあと興味深く読めたが、いまいち本として面白くない。他の方のレビューにあるように「なんで一冊の本にまとめたの?」ってところだろうか……。
別の本のレビューで私は「LGBTが利用されてもかまわない」と言ったが、この本を読み終えたあと、ああそれだと、性的少数者はいつまでも"消費される側"でしかないのか……? と思ったりした。笑いの種として、萌えのネタとして、一時のコンテンツ止まりになってしまうのではないか。つまりLGBTがオワコンとしてまた忘れ去られてしまう時をも許容することになるのではないか。それは -
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夫夫(ふうふ)二人とも弁護士。
「きのう何食べた?」を読んでいる人は驚かないだろうことがたくさん書いてあります。
「きのう何食べた?」を読んでいても驚くのは、同姓婚カップルの子育てについてです。
自然に子どもに恵まれるということのない同姓婚だけれど、本来的には異性婚で不妊のカップルと状況は変わらないはずなのに、子どもを望む人がいること自体無視されています。
同姓婚の人は子育てをあきらめていると勝手に思っていた自分に、自分の想像力のなさに、驚きました。
生物学的には自分の子でなくても、パートナーと一緒に子育てをしたいとまじめに望む人がいるなら、生みの親の庇護が受けられない子どもを育ててもらえるわ -
Posted by ブクログ
男2人で「結婚」し、大阪で法律事務所を立ち上げたという弁護士が、法律における婚姻関係のあり方を整理し、法律では保証されていない同性カップルの権利について論じたもの。
同性云々について考える前に、法律の役割やあり方についてまず考えさせられた。「そもそも憲法は、個人を尊重し、あらゆる人の人権を尊重するために存在する」(p.168)といった部分や、「あまねく人権保障とあらゆる個人の尊重を希求する憲法の価値」(p.171)、といった部分が、本書で展開される法律の議論の大元となっていることが分かった。憲法24条の「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」の「両性」が、女性の権利を向上させるための文言で