笹井恵里子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2025.06.21
国保の課題を身近にひきつけて書かれた好著。
この本と「日本の国民皆保険」ちくま新書を併せて読むと、制度設計側の意図と生活者の視点とは著しく乖離していることがよくわかる。
話しは変わるが、
国保の制度が厳しいことが日本人の起業精神を損なうひとつの要因だとも思っている。
大企業、公務員などの健康保険組合や共済組合の給付と国保のそれとの格差は起業をためらわせるのにじゅうぶん。
私も社会保険、社会保障制度を仕事として携わってきて社会保険、社会保障にぶら下がって生きている人の多さが「普通の人」の負担になっていることを知っていふから起業が怖い。 -
Posted by ブクログ
あんしんネットさんと一緒に現場に入った著者のルポです。片付けの過酷さ、危険さ。(虫、臭い、暑さ) そしてどうやって改善させるかまで。
今後、遺品整理、生前整理、家の清掃の仕事は、一人暮らしの多い都市部ではどんどんふえていくんだろうなと思われる。
死後に誰かに迷惑をかけるようになる前に、身体が動くうちに自分の意思で片付けるのがベスト。でもその思考にならないから溜め込んでいるんですよね…
。。。。読書メモ
ためこむ原因は、病気の場合、外面よく頑張っている人がバランスをとるためにしている場合。
何かしらのきっかけが、ある。死別、失業、離婚などの喪失体験。
ションペット ペットボトルに尿をた -
Posted by ブクログ
孤立が先か、ため込みが先か。
生前・遺品整理業者で実際に3年間はたらいたジャーナリスト・笹井恵理子さんによるルポです。内容は、壮絶なゴミ屋敷の整理体験記、「ためこみ症」に対する医師や専門家の見解、本人や家族へ向けた具体的な解決案、整理業者ではたらく方の心情など。構成もわかりやすくあっという間に読み終わりました。悪徳整理業者の見分け方まで書かれており、細やかさに好感が持てます。
ゴミ屋敷に住む人・住んでいた人に偏見の目を向けるのではなく、住人の再起を願う笹井さんの優しい目線を感じます。迷わずおすすめできる本です。
ゴミ屋敷主人の人生を描いた橋本治さんの小説「巡礼」を読み、ゴミ屋敷に住む人間 -
Posted by ブクログ
時々、TVワイドショーやニュースで目にする
「ゴミ屋敷」。どういう人間が住んでいるのか
と興味が湧くと思います。
「潜入」とあるだけに、取材ではなく実際に
ゴミ整理作業員として現場に足を踏み入れた
生々しい内容が本書のキモです。
ごみ屋敷化してしまう要因はいくつか考えら
れるそうです。
最たるものは「溜め込み症」という身もフタ
もない病気によるものらしいですが、ただこれ
は状態を表している病名であり、その中身は
収集癖、整理整頓ができない、処分できないな
どの要素から成ります。
もう一つが物への強い愛着です。
普通の人のアイデンティティの一つに「肩書き」
があるのは理解できると思いま -
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知っている知識も多くありましたが、それは巷で言われている健康に良い食べ物というのが、普天的な内容だからだと思います。
毎日の食をより一層見直そうという意識にさせられるぐらい、インパクトはありました。
何よりもショックだったのは、梅酒は避けるべきお酒と記載されていたことです。
お酒に弱い体質の私は、飲食店でお酒と頼むときはだいたい梅酒を1杯目に頼んでいたのですが、それも飲まない方がよいということであれば、無理にお酒を頼む必要はないという気にさせられました。
食事に合うときは、赤ワインにして、それをちびちび飲もうと思います。
アイスクリーム(但しきちんと乳成分を使っているもの)がおすすめのおやつ -
Posted by ブクログ
沖田×華さんの漫画『不浄を拭うひと』で特殊清掃やゴミ屋敷の現場の描写には耐えられるようになったつもり(1巻の前半は衝撃と想像で少し具合が悪くなったくらい→3巻を読むころには慣れてきた)でいたけれど、緻密な文章での描写はまたやはり違った角度から心を抉ってくるようで、読んでいてしんどくなる箇所がいくつもありました。
ゴミ屋敷化するきっかけやその後の過程に関心があって読みましたが、「孤立」がやはりキーワードだと感じました。
が、社会的な人とのつながりがあればそうはならないのかと思いきや、意外と”外ではちゃんとした職業の人”の家がゴミ屋敷化しているケースも多くて、普段から人と接しているからと言っても -
Posted by ブクログ
ゴミ屋敷の片付けから特殊清掃まで、実際に立ち会って自ら体験の体験をもとに描かれたルポ。非常に丁寧に、当事者に寄り添って描かれているので、興味本位で手にした自分がちょっと恥ずかしくなりました。
「ゴミ屋敷」にならざるを得ない状況に対して反射的に否定的な感情を抱いてしまいますが、何が異常で何が正常なのかが非常に曖昧な昨今、そんなに距離感の有るお話ではないのだな、という気持ちにさせられました。
好きな物を傍に置く事で自分を幸せにする行動は誰でも日常的にしている物で、その対象が個人で違うだけあり、またその人にとって何が大事かどうかなど、他人が簡単に決めて良いものではない。とても口当たりの良い言葉ですが -
Posted by ブクログ
著者は週刊文春などでゴミ屋敷の記事を書いたジャーナリスト。「潜入」のタイトル通り、かなりたくさんのゴミ屋敷掃除に作業員として加わってきており読み応えがある。床が抜けて釘を踏み抜き、足切断に至った人もいるほどの危険な仕事。大量の尿や大便の処理に出くわすことも多い。お笑い芸人の夢を諦めてバイトだったこの仕事を本職にした男性は、子供に「色々な人に感謝されて、人の役に立つ仕事だよ」と話す。家の中で鳩を飼いながら猫も飼っていたとか、壮絶な実話を驚きながら読んでいたら、医師の登場でとても興味深い分析も。診療内科医の海原純子氏は片付けが苦手で、家はゴミ屋敷ではないが、職場の机はいつもぐちゃぐちゃ。発達障害に
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Posted by ブクログ
著者自ら、作業員となりゴミ屋敷に潜入した記録。
孤立しているからゴミの中に埋もれるほどの状態になるのだろうか…と思った。
誰かが、気づけば少しは状態がマシになるのでは…そう思いながら読み進めた。
何がゴミで、何がゴミでないか。
判断基準はその持ち主であり、持ち主が「全部いる」と思うなら、それはゴミではなくなる。
確かにそうで、だからこそ片づけられないのもわかる気がする。
「ためこみ症」とは、精神疾患の一つだと言われているが、ためこみ症の人の物のためこみ方は、発達障害や強迫症、PTSDの人と違って、自分の心の中の穴を埋めるのに必死な部分がある。
ためこみ症の人は、片づける能力がないわけで