呉兢のレビュー一覧
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「貞観の治」と呼ばれる理想的な治世を行った唐の太宗李世民と臣下の問答を集め、古来より読み継がれてきた「貞観政要」40篇の全訳註。各章毎に古典の出典や時代背景を解説、本編も読みやすい文章で訳されており、800頁近くのボリュームのある古典ながら、途中で飽きる事なく面白く読むことができた。著者は「貞観政要」を手放しに礼賛せず、虚飾性や正当化された箇所に対してはしっかりと指摘しており、流石は歴史学者による訳註だと感じた。治世当初の10年は人民の動向を恐れ臣下の諫言に素直であったが、その後は傲慢で直言を嫌がる様子も見られ、最終篇では魏徴によって「有終の美を飾れない十ヶ条の理由」を上奏されるまでになってい
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ネタバレ唐代の名君の誉れ高い太宗(李世民)の言行録。
このちくま学芸文庫版は、全280篇のうち70篇のみを収録したダイジェスト的なものですが、「貞観の治」と言われた平和な時代の臣下達との問答から学ぶところが多い古典です。
日本においても徳川家康や明治天皇が強い関心を寄せた帝王学のテキストなのですが、あまりに面白いので連続2回一気に読み切ってしまいました。
まず、中国には諌議大夫という諫言専門の役職があったのが驚き。
中には諫言が過ぎて彼らを殺してしまう皇帝もいる中で、太宗は臣下の諫言を素直に聞き入れて、我が身を正そうとするのが素晴らしくもあり、微笑ましくも思えてしまいます。
そこいらのビジネス書では -
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西の「君主論」東の「貞観政要」
ともに君主としての要諦を後世のためにに書き記したものではあるものの、「君主論」は他者を支配するのための書であり、「貞観政要」は他者を治めるための書、といった印象であった。
もちろん両方とも長年語り継がれてきただけあって名著である。なので、両方のエッセンスをしっかりと頭に入れておく必要はあるものの、今の時世から見ると「君主論」よりも「貞観政要」の方がリーダーの書として役立ちそうに思う。
本書は貞観政要の内容がすべて書かれているわけではないが、漢文書き下しの他現代語訳も用意されており、古典を読んだことがない人でも理解できる内容となっている。ただ、、例えば、出口 -
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ビジネス系の雑誌でたびたび紹介される帝王学の名著。何度も登場するとなると気になる。
人事は大事、とか、ダメなところを指摘してくれる人がいる環境を持て、とか、上に立つ人は自分を律して、足るを知るということを覚えろ、とか(だいぶ平たく言っているので、本当はこの100万倍は含蓄がある)様々な教訓が大宗のエピソードと共に語られている。
別に人の上に立つ立場ではないけれど、良いことが書いてあるし、背筋が伸びるので時々、本棚から取り出して読みたい。語られる内容からは太宗の人柄が出ており、とにかく謙虚で実直で誠実。かといって、完璧な人ではない事もエピソードや解説を見るとわかる。それがこの本を「皇帝という遠 -
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唐の2代目皇帝の太宗と臣下とのやりとりに関する記録が綴られた書物。そこには古人の書物や古代の皇帝の中でも長く続いた聖君とすぐに滅びてしまった暴君の政治の事例が書かれており、それらを通じて主君としてどうあるべきか、また、臣下としても主君とどう向き合うべきかについて学び考えさせられる。現代のリーダーシップを学ぶ本であるということがよく理解できその通りだと思う良書である。何度も読み返したい。
常に臣下や人民に対して哀れみの心を持ち、人民のことを第一に考えること、自分に謙虚の気持ちを持つことの大切さを何度も認識させられる。また、初めの頃はそれが実行できていても、だんだんと慣れてきて怠慢になったり、功績 -
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唐の二代目太宗(李世民)が臣下らとのやりとりから政治の要諦を、呉兢が編纂したもの。太宗と部下との問答で、それぞれが短めにまとめられており、また本書は訳文の後に原文、書き下し文とも登載してくれているので分かりやすい。
名君の誉れ高い太宗は、勿論ある程度美化と言おうか、後世の人々に読まれることを意識されたところもあろうが、唐の時代がまだ成立して間もないことから如何に政治を安定させ、長期政権化させるのに苦心しているところが見受けられ、まとめられたのはこの文量であるが、太宗は政治について、どういう風に治世を行なっていくかをよくよく部下と語らっていることが滲み出ていよう。
単に政治だけの話しだけで