コロナ・ブックス編集部のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2013年に46歳で亡くなった独特の魅力満載のイラストレーターのフジモトマサルを語る本。断片的ではあるが結構たくさんのイラスト、マンガが収録されていて嬉しい。いろいろな人が語る部分についてはどうでもいいけど。フジモトマサルとの対談や人となりを伝える話はいいな。とにもかくにも動物たちが人のように闊歩しまくるフジモトマサルのイラスト、マンガは最高だ。本としてある意味処女作ともいえる「ダンスがすんだ 猫の恋が終わるとき」なんか無茶苦茶いいよな。回文で魅惑的な黒猫の恋の話が進んでいくのだ。ナゾナゾ集もいいけど、難しい。ほとんど答えは分からないぞ。
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Posted by ブクログ
フジモトマサルさんの作品(絵、マンガ、エッセイ、なぞなぞ、回分など)が大好きで、村上春樹の挿絵(『村上さんのところ』)になったときは、「そろそろ世の中もフジモトさんの良さに気づき始めたな。これからすごくメジャーになってグッズとか出るようになるに違いない。ああ嬉し寂しい」と思っていたので、亡くなったと知った時は本当にショックで、叫んだ。「フジモトさんが死んじゃった!」って。若すぎる。早すぎる。
フジモトさんの絵ほど「この世界でずっと暮らしたい」と思える絵はない。
本好きな動物たちが、自然や音楽や温泉や小旅行を愉しみながら穏やかに暮らす世界。暴力も騒音もなく、小さな音で流れるクラシック音楽と自然の -
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Posted by ブクログ
『谷口ジロー 描くよろこび』平凡社。
本日2018年10月26日の発売日に迷うことなく行き付けの本屋に向かい、1冊だけ書棚に並んでいたのを見付けて購入した。そして、早速読み終えた。やはり谷口ジローは凄い!
昨年惜しまれつつこの世を去った谷口ジローの作品の魅力を存分に味わえる良書である。谷口ジローの数多くの作画原稿の一部と共に多くの原作者や同業者、評論家などのインタビューが収録されている。残念ながら、谷口ジローの作品は単行本初収録となる幻のデビュー作『声にならない鳥のうた』1作のみの収録だった。刊行案内にインタビューに原田宗典の名があり、密かに『エンジェル・エンジン』の完全収録を期待していた -
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『村上さんのところ』で知って、その時にはもう亡くなられていて、そのあと『長めのいい部屋』復刻版を本屋さんで見つけて買って読んだのが私のフジモトマサルさんデビュー。可愛さと皮肉とSFっぽさというような言葉で言い表せそうな内容とか雰囲気も好きだが、表面的なことでいうと線と字が好きです。
『長めのいい部屋・かわうそ天然気分』の感想に、「こういう作風の人ってどうやって認められて地位を築いていくのだろう。」と書いたが、本書を読んだらその疑問の答えも得られたような気がする。それ以上に、寄稿者各人から見たフジモトマサルさん像も興味深かった。穂村弘さんの、三足千円靴下そして食事会エピソードはじんとした。
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Posted by ブクログ
どこかトボけた表情の動物たち 温かみのある線(PCで太さ粗さを調整しているとは) 主線のくっきりした黒やベタ 記号的 カラーは中間色でベタッとした塗り(PCだもんね) 版画とかスタンプっぽい 塗り残しの白が余計にそう感じさせる
要素がすべて整っていて静か 動きを感じさせない
皮肉とウィット どことなくSFチックなのは作者の少年期の読書傾向から
そのあたりについても語られている巻末のロングインタビューがとても興味深かった
「さむがりやのサンタ」すっかり忘れてた 読み返したい 大林「廃市」からの福永武彦期 一緒じゃん(笑)
”いいと思った絵の「何をいいと思ったか」をできるかぎり言語化していく -
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描くひと 谷口ジロー展
2021.10.16〜22.2.27
世田谷文学館
テレビ東京『新美の巨人たち』
谷口ジロー
「歩くひと」×寺島しのぶ
2021.12.18 放送
この番組で、絵、スゴイ!と興味がわく。
とりあえずどんな人か知りたくて読んでみた。
谷口ジロー( 1947−2017)
「孤独のグルメ」を描いてたのは知ってたけど、フランスで人気とか、興味深い。
今回の気づき
◎バンドデシネBDフランスの漫画のこと
◎ジャン・ジロー(通称メビウス)(1938−2012)
谷口ジローや宮崎駿に影響を与えたフランス人
漫画って、アメリカからの影響しか知らなかったし、日本が世界に影 -
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Posted by ブクログ
1995年「歩くひと」が仏語訳されたことを端緒に 何気ない日常の瑞々しいポエジーが高く評価されたものの バンド・デシネ(以下BD)を大いに愛していたことは強調しておいていいだろう 久住昌之くすみまさゆき 遥かな町へ/「父の暦」に続く鳥取を舞台とした作品で そのラストによって『神々の山嶺』はたいへんに勝れた物語となった しっかり輪郭線を描いてくださった もともとフランス知識層は、ハリウッドで受けるのがクロサワなら、寧ろオズヤス(小津安二郎)の静謐な文学性を好む傾向がある。 文芸に拮抗できるコミック創りを 挿話 メルクマールになる作家でもあったのだろう マンガ論言説げんせつ 狩撫麻礼かりぶまれい