明石順平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いかに財政が危機的状況にあるのかを、数多くのデータから、わかりやすく解説している。今の状況から抜け出せる道は既にないという諦めが見えてくる。差し当たり、その場しのぎの対応ばかりで、根本的な解決に乗り出さない日本。“財政爆発”という黒船が来ない限り、理性的に動き出せないのは、この国のサガなのか。賃金の下落を放置したことも失敗の一つとして著者はあげる。企業が残業代の不払いや正規雇用の非正規雇用の置き換えを繰り返して負担から逃れた結果であり、「負担から逃げるな」と主張する。円の暴落はいつ起こるのか。大転換の日が迫ってきている予感を感じさせた。
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Posted by ブクログ
日本の財政がこんなんでいつまでも成り立つわけがない、いつか終わりが来る、というのは10数年も前から自分でも主張してきたことで、そこはまぁそうなんだが。凄いのは、経済の専門家ではない弁護士ながら、自分で政府の発表する統計資料を分析してアベノミクスが日本経済になんら貢献していないどころか国民を窮乏化させてきたことを明らかにしたことだ。
異次元の緩和でマネタリーベースは増えてもマネーストックは増えず。円安で物価は上昇。2014年以降家計の消費も停滞。賃金も増えていない。雇用の上昇もアベノミクスとは関係なし。
数字に基づいて日本の財政再建が不可能であることにも触れている。もはや遅いか早いかの違いだけだ -
Posted by ブクログ
年金財政が少子高齢化で極めて難しい状況である事をデータで示してくれる。納得感がある。それにしても政府は最悪のシナリオをはっきり明示しないのはどうしてなのか。国民に不安をもたらすからなのか、政治の責任が問われるからなのか。いま政治家や官僚は根本的な問題を直視せずに先送り。場当たり的な対応ばかりである。特に財政赤字、金融政策、原発政策は無茶苦茶である。もうどうにもならないところまできている、というあきらめがあるように感じる。とんでもないことがいつ起きてもおかしくない危機的な状況、そうなってみないと分からないし、そうなっても根本的、抜本的な対策をとることがはたして出来るのだろうか。現状を示すデータと
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Posted by ブクログ
日本の財政が恐ろしく危機的である事を徹底的にデータの裏付けをもとに語る。なぜ、これほど“異次元”の危機的状況にも関わらず、円という通貨の信用が維持され続けて円高のままなのかが最大の謎である。とてつもない円安となり、とてつもないインフレになると警鐘をならす経済学者も多くいるが、広く国民に響かないのはなぜなのか。嫌なことは見ないふり。とんでもない状況になるまで実感が持てず、動かないのは国民性なのか。「短期的に見れば合理的な選択」の積み重ねで、自分は悪くなと思っているリーダーたち。長期的な見通しは見ないふりを続けている日本。こんな悲惨な見通しの中でもちゃんと現実に向き合い、長期的な夢を抱いて困難な状
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Posted by ブクログ
アベノミクス
大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略
日銀が民間銀行にお金を供給、金融緩和
緩やかなインフレを起こそうとしている。
2年以内に2%の物価 1.02×1.02
法律の規制を緩め企業が儲かりやすい環境づくり
実質金利をマイナスにする
国債の9割は国内
日銀が供給する通貨、マネタリーベース
信用創造、借りたお金を貸すのを繰り返す
預金が返ってくると信用しているがゆえ成り立つ
マネタリーベース、60から70兆円ペースで増加、結果80兆円に。
2013年138兆円、2017年445兆円
アメリカ、2008年8800億ドル
2015年4兆1700億ドル329兆円の増加 -
Posted by ブクログ
「毎月勤労統計調査」の不正なデータ補正が発覚後、7月の参院選時点で公表を差し控えていた2018年の実質賃金は17年と比べ0.4%のマイナスだった。
つまり、2017年から2年連続のマイナス成長に陥っている。
良く見せようとして統計偽装などしないで欲しい。
なにも統計手法の見直しを否定しているわけではない。
都合の悪い事実でも、事実としてきちんと示して欲しいと思っているだけだ。
そうでなければ、長期的視野での真っ当な対策が打ち出せないではないか。
さて、本書では2016年に行われたGDPの異常なかさ上げの中身が示されている。
私としては、これが知りたくて本書を手にした次第だ。
特に10兆円