石飛幸三のレビュー一覧
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終末期の医療とは。これから死にゆく人が、本当に必要とされる医療は何なのか。
医学が発達して、平均寿命は伸びてきたが、本当に幸せになってきたのか。昔は大家族のなか、自宅で看取ることが普通であったのに、今は大半が病院で亡くなるという。
特別養護老人ホーム芦花ホームの常勤医をつとめる石飛幸三医師が、「終末期の高齢者に過度な医療は控えるべきだ」という事を訴えておられる。
まさに、全ての人が考えるテーマ。
欧米では、自分で口で食事や水をとらなくなったら何もしない。施設では、食事を並べるが、無理に食べさせたり、チューブを入れたりはしない。
老人が食べたくないのに、その自己決定権を犯してはならないと考える -
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植物人間状態になったら、胃瘻や救急搬送や入院やらで延命させようとする傾向が、私は大反対!
老人ホームの高齢者たちは早く死にたいと口を揃えて言うのに。死にたくても死ねない、でもいざ死ねるかもしれない病になったら本人も周りも生かそうとする。
穏やかに、成り行きに任せて死にたい。
この著者は医者。
彼の考え方は至極真っ当で、説得力がある。
メモリスト
認知症の方と関わる上で、トンチンカンなことを言う人でも感情はしっかり残っている。
無職の子供が生き延びるため、生活費のために老年のお屋を入院させ生かし続ける。
P128 できれば経管栄養は避ける。
高齢者で嚥下機能が低下し、自分の口で食べられ -
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-どんなに医療が進み、新しい技術で治療し、部分的に治すことができたとしても、人はかならず死ぬという運命を変えられるわけではありません。
-老衰の状態にある老人たちが何を望んでいるのか〜穏やかにその日その日を過ごし、苦しまずに最期のときをむかえられればいい
岡本太郎さんの言葉として引用されている
-病院。病のための建物施設とは、なんと覇気のない名称だろう。ここは本来、肉体の苦しみを抱えて困っている人と、それに手を貸すことのできる人が出会う広場だ
いろいろな話、言葉を反芻する。
どう生きるかはどう老いるか、どう最期を迎えるかを考えること。自分にはしてほしくない延命治療を家族には求めてしまうそ -
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「わたしたちは死から生をみて、生を生きなければなりなせん。そして医療者はその固有のいのちが豊かであり続けることをその人の傍で支えるのです。」解説の日野原先生のお言葉です。
医療の進歩に伴い、安らかな死というものがこんなにも難しくなってしまった現状、制度の矛盾がわかりやすく書かれています。
誰のための何のための医療なのか
何を目指すための介護なのか
すべての医療従事者の方、高齢者介護に携わる方、そのご家族に読んでほしいと感じた一冊です。
そして、「平穏死」が「生」を支える人達の共通理解になることで、より豊かな「生」を支えることができると感じました。 -
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特別養護老人ホームの常勤配置医の石飛医師の書。
副題は「口から食べられなくなったらどうしますか」
僕も仕事柄、胃瘻(いろう)や経鼻胃管での栄養をおこなう場面には多く遭遇する。
現状の栄養状態の改善だけを考えるのではなくて、その後の人生(の終局)のあり方も考えることが必要だとあらためて痛感した。
老いの先にある死でさえも”病”ととらえて治療対象のごとく扱ってしまうのは考えものだと思う。
すこし前に中村仁一さんの『大往生したけりゃ医療とかかわるな』を読んだのだけども、この本も同じ方向の内容で、老いやその後の死のあり方について考えさせられた。
ただ、現在胃瘻や経鼻胃管をしている方を目の前にす -
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「平穏死」というのは著者と弁護士の黒田和夫さんの造語である。
「平穏死」というのは「老境」の最期、もはや、「無理に生かす」医療措置など必要としていない方に、苦しまず、自然に、穏やかに最後の時を過ごしてほしいということを表した言葉。
生まれて、成長して、子孫を残して、老いて最後を迎える、一人の人間の誇り高い命を守ることが必要であるとの記述。
「口から食べる」ことの重要性、終末期医療で「胃ろうを増設する」ことが必要であるか否か、「平穏死」は殺人か、「看取り」と向き合うことについてなど、超高齢化社会が進む中、考えるべき問題についての見解が、実例に基づいてわかりやすく書いてある。
特別養護老人ホ -
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「命を延ばす」だけが正しいことではない。
ハリソン内科学(第17版)のPart I「Introduction to Clinical Medicine」より
『Understanding that patients stop eating because they are dying, not dying because they have stopped eating, can reduce family and caregiver anxiety.』
(死を迎える人は、命を終えようとしているのだから食べないのだ。食べないから死ぬのではない。このことを理解することで、家族や介護する人は悩 -
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ネタバレ「平穏死」という選択
「平穏死」のすすめの内容を再度整理して新書にしたものです。主な違いは、弁護士の方と勉強会を通して作成した平穏死の刑法上の考察が掲載されていることです。
前著から石飛先生は一貫して胃瘻を付けず食べられなくなったら平穏に死に至る平穏死を推奨されています。今の終末医療は、現代日本の病根とも言える責任回避によって捻じ曲げられ、死にゆく人を苦しめているのではないかというご意見に竹蔵は賛同します。
せめて自分、家族は状況を考えて最善の選択をするようにしたいと改めて思いました。
元気な方も今のうちに是非一度ご一読頂いて考えて見ることをお勧めします。
竹蔵