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食べられなくなった超高齢者に対し行われている「胃ろう」と多量の栄養点滴投与は、肺炎を誘発し苦痛を与えるだけである。死への準備をしている体にはそれにふさわしい栄養と水分があれば十分だからだ。待機者が常に数百人という特養の常勤医が提言する安らかな死の迎え方は、読む人すべてに熟考を促す。聖路加国際病院名誉院長 日野原重明氏推薦。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
終末期の医療とは。これから死にゆく人が、本当に必要とされる医療は何なのか。 医学が発達して、平均寿命は伸びてきたが、本当に幸せになってきたのか。昔は大家族のなか、自宅で看取ることが普通であったのに、今は大半が病院で亡くなるという。 特別養護老人ホーム芦花ホームの常勤医をつとめる石飛幸三医師が、「終末...続きを読む期の高齢者に過度な医療は控えるべきだ」という事を訴えておられる。 まさに、全ての人が考えるテーマ。 欧米では、自分で口で食事や水をとらなくなったら何もしない。施設では、食事を並べるが、無理に食べさせたり、チューブを入れたりはしない。 老人が食べたくないのに、その自己決定権を犯してはならないと考えるとのこと。 考えさせられる。
まさにその通りだと思う。そのためには患者家族と話し合いを重ね一緒に悩んであげることが大事だと思う。ただ実際には話し合いの場が不十分な所がほとんどであろう。
「過剰な栄養や水分をあげない できれば、経管栄養はさける」 自然死って難しいのな。 経管栄養は、あれは苦しい。私は全部自己抜去したので、自分は絶対やりたくない。点滴も嫌だ。。胃瘻は嫌っていう人は多けど、結局、経管栄養とか点滴、も同じなんだな。もう身体は受け付けないのに、水でブヨブヨになってしまう。。...続きを読む点滴して肌がツヤツヤになったって喜んでいてはいけないと思う。 肉の塊でいいから生きていて欲しいって残酷だよ。 家族は、死んでいくことを学ばないとダメだと思う。
植物人間状態になったら、胃瘻や救急搬送や入院やらで延命させようとする傾向が、私は大反対! 老人ホームの高齢者たちは早く死にたいと口を揃えて言うのに。死にたくても死ねない、でもいざ死ねるかもしれない病になったら本人も周りも生かそうとする。 穏やかに、成り行きに任せて死にたい。 この著者は医者。 彼の...続きを読む考え方は至極真っ当で、説得力がある。 メモリスト 認知症の方と関わる上で、トンチンカンなことを言う人でも感情はしっかり残っている。 無職の子供が生き延びるため、生活費のために老年のお屋を入院させ生かし続ける。 P128 できれば経管栄養は避ける。 高齢者で嚥下機能が低下し、自分の口で食べられなくなった場合は、その人の生命の限界が来ていることが多い。 寿命が来ている高齢者に、経管栄養を機械的に与えることに意味があるのか。まさに、穏やかな看取りを妨げる事態だ。 P202 老衰のために体に限界が来て、徐々に食が細くなって、ついに眠って静かに最期を迎えようとしているのを、どうして揺り起こして無理矢理食べなさいと口を開けさせることができましょうか、現場を知っている者から見ると考えられないことです、もう寿命が来たのです、静かに眠らせてあげましょう、これが自然というもので、平穏死です 。 ↑共感。 本人の意思よりも周りのエゴで生かしすぎ。 昔は自然に家で死ねていたのに、今は病院に送られて死ぬ始末。 誰だって慣れ親しんだ場所で死にたいよ。 私は、延命はしない! ガンになったら鎮痛治療だけして、手術はしたくない! それが運命だと受け止め、時の流れに身をまかせる。
「わたしたちは死から生をみて、生を生きなければなりなせん。そして医療者はその固有のいのちが豊かであり続けることをその人の傍で支えるのです。」解説の日野原先生のお言葉です。 医療の進歩に伴い、安らかな死というものがこんなにも難しくなってしまった現状、制度の矛盾がわかりやすく書かれています。 誰のた...続きを読むめの何のための医療なのか 何を目指すための介護なのか すべての医療従事者の方、高齢者介護に携わる方、そのご家族に読んでほしいと感じた一冊です。 そして、「平穏死」が「生」を支える人達の共通理解になることで、より豊かな「生」を支えることができると感じました。
特別養護老人ホームの常勤配置医の石飛医師の書。 副題は「口から食べられなくなったらどうしますか」 僕も仕事柄、胃瘻(いろう)や経鼻胃管での栄養をおこなう場面には多く遭遇する。 現状の栄養状態の改善だけを考えるのではなくて、その後の人生(の終局)のあり方も考えることが必要だとあらためて痛感した。 ...続きを読む老いの先にある死でさえも”病”ととらえて治療対象のごとく扱ってしまうのは考えものだと思う。 すこし前に中村仁一さんの『大往生したけりゃ医療とかかわるな』を読んだのだけども、この本も同じ方向の内容で、老いやその後の死のあり方について考えさせられた。 ただ、現在胃瘻や経鼻胃管をしている方を目の前にすると、やはり複雑な思いがしてしまう。 水だけを与えて穏やかな死を迎えさせることを考える・・・なんてやはりできずに、 乱暴な言い方だけども、放っておけないと感じてしまうのが大多数なのではないだろうか? ---------------- 【内容(「講談社BOOK俱楽部」より)】 延命治療の限界と、人としての安らかな最期を考える。 特別養護老人ホームの常勤配置医が介護現場の最前線から初めて提言し、刊行以来大反響を呼んだベストセラー、待ちに待った文庫化! 食べられなくなった超高齢者に対し行われている「胃ろう」と多量の栄養点滴投与は、肺炎を誘発し苦痛を与えるだけである。死への準備をしている体にはそれにふさわしい栄養と水分があれば十分だからだ。待機者が常に数百人という特養の常勤医が提言する安らかな死の迎え方は、読む人すべてに熟考を促す。 ---------------- 【目次】 第1章 ホームで起きていたこと 第2章 高齢者には何が起きているのか 第3章 なぜホームで死ねないのか 第4章 私たちがしたこと 第5章 ホームの変化 第6章 どう生きるか ----------------
石飛氏は老人ホームの看取りに関して随分有名に。寿命による死が老人ホームで迎えられないとしたらそれはおかしいと。ほんとに正しいと思う。いわゆる老衰死を平穏死と名付け、尊厳死の範疇には入るが、安楽死とは違った意味での死の選択の1つとして提示した功績が大きいと思う。NHKでも紹介されたが、人は死ぬ、という...続きを読む現実をどのように家族は受け入れるのか、また死ぬ自分自身がどのような選択があるのかを考える良い本だと思う。同時に、現在の保険医療制度の中で、死ぬままに任せる思考が養われない医療関係者への再考を促す本ですよね。
この本が単行本として発行されたのは2010年今から9年前である。この9年の間で医療を取り巻く環境は大分変わってきている。何でもかんでも胃瘻を作って施設に返すというようなことは行われていない。ただし地域によって、病院によって、医師によって異なる部分はあることだろう。 「老衰の終末期」にもかかわらず医療...続きを読むにより延命医療が行われると筆者は書く。2019年であれば、胃瘻はもちろん点滴もしないで自然の形で眠るように最後を迎えることに異を唱える医者はそれほどいないのではないだろうか。問題はただ一点、本当に「老衰の終末期」なのかどうか、神ならぬ医者のみでは判断できないところにある。本書197頁の報道の言葉を借りれば「介護、医療の放棄、みなし末期である可能性」という不安をどうしたら払拭できるかに尽きる。 本人や家族が「いよいよとなったら水だけにして穏やかに看取りたい」と言っていたとして、今がいよいよなのかどうか。 がんの終末期であれば問題ないのかもしれません。もちろん意識がなければ考えるまでもないでしょう。ただ認知症を持つ方で見た目元気で会話も出来るが食事を食べようとしない人が時にいらっしゃいます。原疾患である認知症のせいではなく、たまたま合併している何かの病気に気づかず治療を怠ったために、本来であれば元気に食べることが出来たであろう人を、「老衰の終末期」と判断してしまうことがないのかどうか。安易に末期とみなさないような、しっかりとしたルール作りが必要というところに落ち着くのでしょうか。
命を少しでも生き永らえさせることが正しいことだと思い込んで、胃ろうを増設する。 その判断をするのは、本人ではなく家族である場合がほとんどだろう。 高齢者の場合、そのことが死を平穏なものから遠ざけてしまうなんて。何が正しいか、なんていう答えがないのだとしたら、何がその人にとって大切か、その人を大切にす...続きを読むるということか、ということを、今一度考えないといけない。 「枯れるように死ぬ」ために、過剰な栄養や水分の投与をやめることは、とても勇気の要る決断だけれど、そういう取り組みが特養から広がってゆくことは素敵だと思った。
死んでゆくときは「自然」がいい。物が食べられなくなったらそのままでいい。・・・と切に思わせる1冊。本人の意志を問われることなく延命治療を続けることが果たして良い選択かどうか・・・。考えさせられる。
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「平穏死」のすすめ 口から食べられなくなったらどうしますか
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