東百道のレビュー一覧
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朗読の世界を漫画で描くという、音を画で表現する種類の漫画です。
なので、もちろん漫画の画力が素晴らしい作品なのは言うまでもないのですが、
私がこの作品で一番面白いと思っているのは、良く知っている有名作家の有名な小説の新しい読み方を教えてくれる所。「作家が主人公の視点で語っている」「作家が物語の中に入って語っている」「作家が作家の視点から語っている」など、視点の変化を読み方で表現する手法とか始めて知りました。
ところが、9巻ではあまり有名じゃない小説が登場。
ただ、このお話。日本人の怪談好きなら誰もが知っているあの人が登場するので、
朗読されている話そのものに興味がわいてきて、それが登場人物の -
Posted by ブクログ
ネタバレハナちゃんと満里子さんの同居生活がスタート。
満里子さんのいたずらを大目に見るハナちゃんの度量の広さに
感心する。
その新居にてクリスマスイヴパーティーが開かれる。
火野葦平の『皿』をみんなで群読する。
就活中で気力をなくしていた山吹さんは群読中に我と向き合い
見出していく。
『何かの理由で捨てた情熱、何かの理由で持ち続けることは
叶わなかった熱情。
でも、たとえあなたがその情熱を忘れても、情熱の側は
あなたのことを忘れはしない。』
心に響きました。
そういえば藤色朗読教室の前にいた引っ込み思案な人は
新メンバーとして次回登場するのでしょうか?
気になる・・・・。 -
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正直いまの自分に重ねてしまって心がえぐられるようでした。
倍返しだっ!。初っ端から始まる満里子とハナの共同生活。最近ハナちゃんのスペックはストップ高なのに対して、満里子はダダ下がりっぱなしですね、今回の生活はひどいというレベルを越して生活できねぇだろこいつと思わせてくれるほどでした。そりゃハナに本音で喋ってって言われたら数千倍にして返されますよ。だけど、そんな2人でも一緒に生活して楽しそうなのがとても微笑ましい2話でした。
あなたの時間に価値はありますか。今回の朗読は落語にもある皿屋敷のお菊もでてくる火野葦平の河童曼陀羅の1篇「皿」。皿を追い求める亡霊であるお菊と河童の情熱を山吹と谷 -
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朗読のステップ4。朗読の技術もさることながら今回はキャラの心理描写が色濃く出た感でした。花の迷いと満里子の決意、今思う自分の気持ちを込め宮沢賢治の「おきなぐさ」を朗読する。
ステップ4の真髄。第6巻から課題とされている「立体的な場面」の表現方法。人との対話における欠かせない要因「間」がその鍵だったとは思いつきませんでした。今回のおきなぐさでの賢治の問いかけととてもマッチしているテーマだと思いました。他にも小さなアリからみた視点における表現、観念的視点の変換、真っ赤な天蓋のシーンなどどれをとっても唸る演出でした。物語の賢治との対話と聞いてくれる人との対話、それらすべてを取り持つ「間」。本当 -
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小学生の時の教科書に載っていた 宮沢賢治の「やまなし」。
何度読んでも全く意味がわからなくて、(確か、先生も意味を教えてくれなかった)だから、ずっと、宮沢賢治が好きではなかった。
最近この「花もて語れ」を、いろんなところで目にしだした。
「“朗読コミック”とはなんなんだ?!朗読をどうマンガにできるのか?」という疑問をいだき、購入した。
そうだったのか!「やまなし」って、そういうお話だったのか!
途端に私の中で宮沢賢治への評価が変わった(苦笑)。
朗読の素晴らしさは実感している。
同じ本でも、自分で黙読したときより、誰かに読み聞かせてもらったときの方が強く心に響くときがある。
一番強く感じたの