佐橋亮のレビュー一覧
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刺激的な本。
自分用のメモを兼ねて、感想が長くなった。
ソ連崩壊、アラブの春、英国のEU離脱などの予測を的中させてきたトッド氏(この本の中でもアメリカのベネズエラ攻撃を予測していた!)。2024年の彼の著書『西洋の敗北』は世界27ヵ国語に翻訳され読まれているが、この『西洋の敗北』という言葉を知るだけで、最近のニュースの聞こえ方が変わってくる。
アメリカやドイツが勢いを失い内向きになっていることを、プロテスタンティズムの崩壊と重ねる考え方も衝撃的だ。
トッド氏の発言のいくつかを、下段にコピペしておく。
とはいえ、トッド氏が考える、崩壊していくアメリカから日本が独立する方法としての「核武装」については、私個人的には心理的抵抗が強い。
もうひとつ、オードリー・タン氏のAIに関する発言も刺激的だった。
氏は、シンギュラリティ(垂直離陸)は危険であり、これにプルラリティという概念を対置する。
『プルラリティーは水平的な理解を求めます。つまり、AIやソーシャルメディアなどが、本来なら決して合意しない人々の間の理解と関係性の健全性を育むために活用されるべきだと考えるのです。』
氏が関係したデジタルツール「vTaiwan」では、自身の考えをそこで共有する時、『ソーシャルメディアの反社会的な領域では、他人の投稿の皮肉や毒舌コメント付きで再投稿する、といった行為が見られますが、vTaiwanではありません。』『人々は非常に速く学びます。意見の対立する者同士の間で広範な合意を得る提案をすることだけが、「橋渡しボーナス」を獲得できる手段だと。』つまり、異なる意見を互いに尊重するような書き込みにしか、いわゆる「いいね!」のようなボーナスが付かないようなプログラム(教育されたAI)だということだ。そしてそれを、単にコミュニケーションツールとしてでは無く、政府の意思決定プロセスに組み込んだ。日本では考えられない、ホンモノのデジタル活用だ。
つまり、AIが良いか悪いかではなく、AIをどう活かすか、結局は人間の問題なのだ。
『ソーシャルメディアで目にするように、「For
You」フィードはユーザーの依存行動やタッ
チスクリーン操作に忠実です。つまりエンゲージメント(反応)数を最大化していますが、それはおそらく操作によるものです。
そして人々が互いに数怒すると、水平的な連携は崩壊します。垂直的な忠誠心だけが残る一方で、社会という頼の基盤はオゾン層のように、個人に忠実なAIによって消耗されていくのです。
つまり最大の課題は、功利主義哲学のように数値を最大化するのではなく、コミュニティ内のメンバー同士の関係性を健全に保つようAIエージェントを訓練することです。』
そして、そんなタン氏自身はSNSをどう活用しているかというと、『面白いことに、私のスマホ画面は白黒表示にしているので中毒になりません。ソーシャルメディアで動画などを見ても、すべて灰色で色がありません。つまり現実の周囲の方が画面より鮮明なのです。
もう一つは「ソーシャルフォーカス」というブラウザ拡張機能をインストールしていることです。これはメインフィード、つまり(AIのおすすめである)「For You (あなた向け)」フィードを削除します。私の好みを分析して中毒状態に陥らせる寄生的なAIですが、完全に排除しています。
ソーシャルメディアに投稿する際、返言を確認したり、ハッシュタグを追跡したり、プロフイールを閲覧したりしますが、常に意図的な行動です。「For You」フィードの寄生的なAIによって、意図せずコンテンツを消費することは絶対にありません。
実際、研究によれば、「For You」フィードと再投稿ボタンの組み合わせは、過激な声に拡声器を与えることで必然的に人々の分断を招きます。つまり「For You」フィードを排除することで、分断された極端な立場ではなく、市民的な中道に立ち返れるのです。』
【以下、トッド氏発言の抜粋】
日本はヨーロッパのいくつかの国々と似たような軌跡をたどっています。しかし、実際のところ、日本の西洋との出会いというのは、言うならばかなり暴力的で危険なものでした。つまり、西洋、主に米国ですが、まず脅威、あるいは挑戦として日本に現れたのです。大枠で言うなら、西洋の植民地にされるかもしれないという脅威です。
これが、明治維新の最大の意味です。つまり、西洋を模倣すべきモデル、追いつき、追い越すべきモデルにして、自らも西洋的になりながら、自分自身でもあり続ける。これが日本の歴史でした。そして明治以来、それは大成功をおさめ、日本は世界で最も近代的な国の一つになったのです。
しかし今、私が考えるのは、自分がお手本としてきた国々、つまり西洋の国々が崩壊したときに、日本のような国では何が起きるのだろうということです。近代化という理念や概念をもたらした西洋が、いうならば衰退と危機の局面に入っているのです。
たとえばトランプ大統領についてです。彼はまもなく来日しますが、みんな彼のことを非常に重要な人物だと考えています。強大な力を持っているし、大きな脅威でもある。歴史の中できわめて行動的な登場人物だと見られている。たしかに、目立つ登場人物です。しかし彼は自分の思い通りにならない歴史(物語)の登場人物なのです。彼は物語を動かす主人公ではありません。
まず、彼は敗戦国の大統領として来日するのです。
現在の状況で逆説的なのは、国際関係の中で、より狂っていないのは最も権威主義的な国々だということです。困ったことに、私の属する世界、つまり西洋のリベラルな世界がちょっとおかしくなって、かなり信頼できなくなっているのです。
ここでは細かい議論に入りませんが、頭のおかしな億万長者でいっぱいになった米国は内戦にも入りかねません。トランプは戦争か内戦かの選択でためらうことになるかもしれないと思うくらいです。とにかく米国は地球上で最も大きな不安定ゾーンになったのです。
ここでイスラエルを支持するということについて、大事なことを指摘しておきたいと思います。今日、イスラエルに反対する姿勢を表明すると反ユダヤ主義者と指弾されます。イスラエルの政策への反対はユダヤ人差別だというわけです。で、イスラエルの政策への批判は反ユダヤ主義の証拠とみなされて、それを唱える人たちはアメリカでもドイツでも追及されることになる。(略)
そのうち、イスラエルの政策に反対するユダヤ人が反ユダヤ主義者として指弾される、という不条理にまで行き着くでしょう。私は、これを反ユダヤ主義2・0と呼びます。そう考えれば、欧州で反ユダヤ主義者だったはずの右派や右翼の多くの政治家たちが今、イスラエル国家を支持する理由がわかります。(略)
反ユダヤ主義はまず何よりも、ユダヤ人を物理的に抹殺してしまおうとする恐るべき試みとして姿を現します。ホロコーストです。これに対し、イスラエルへの支持は、ユダヤ人を道徳的に抹殺する試みです。
最後に一言だけ。アメリカによる日本の征服、1945年の敗戦は日本にとってトラウマになりました。しかし、日本は知るべきです。今、目の前に二度目のトラウマが待ち構えているのです。それはアメリカ、勝者だった国の崩壊です。これによって、日本は自由になることを強制されるのです。 -
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田中均という名の外交官については認識がなかったが、
彼が係ったという外交問題、日米半導体交渉、日朝問題 拉致被害者、北方領土、
竹島 慰安婦問題、、、これらは当然知っている。
脚光を浴びるのは首相たち政治家。小泉、福田、安倍。
半導体ではシェア20%をアメリカに約束した形となった渡辺美智雄、、
これが結果的に日本の半導体産業を破壊したことになる。
外交官、つまり官僚は政治家に知恵は吹き込んでも、決定権はない。
私はかねて日本の官僚が日本をダメにした、と言ってきた。
頭の固い古い、偏差値エリートが、世の中の流れを理解せず、日本を取り残したと。
この本はオーラルヒストリー、田中氏の語りを三人の編者がまとめているのだが、
彼の主義主張はきわめてまっとうに読める。
官僚という自分の立場をわきまえ、政治家に状況を的確に伝えていると。
無論ちゃんとした官僚もそうでない官僚もいるのだろう。
それは政治家も同じなのかもしれない。
しかし、、、
私はかつて安倍さんに期待したし、高市さんにも少し期待していた。
官僚の凝り固まった政策を打破する力をもって、クレバーな判断をする方々
なのではないかと。そして、クレバーにふるまうのではないかと。
とんでもなかった。安倍さんの評価はもういいだろうが、高市さん。
日米会談は徹夜して臨んだという。セリフはそうだったかもしれない。
その意味においては失言がなかっただけ合格点なのだろう。
きっと官僚らが相当苦心したはずだ。
トランプを持ち上げたのも裏読みしろ、ということでよしとする。
しかし、、アメリカでのあのふるまいはなんだ。
そして、自衛官が中国大使館に押し入ったのに謝らないのは、、、
これはまずいのではないか。外交官はどんな思いをしていることか。
政治は決断だ、とか言って独善的になっているだけではないのか?
危うすぎる。世襲議員なら仕方ない?かもしれないが、たたき上げでこれでは。
学んでなかったのではないか、と疑わざるを得なくなる。
なんてことを、この、経験値の高い外交官の話を読んで、思ったのでした。
はじめに……………田中 均
第一章 外交とは何か――外交は無から有を生む
日本外交の前提
外交官の世代論
冷戦後の安全保障環境
日米中関係を考える
経済から見た日米関係
外務省の人事について
外交の役割
外交と情報発信
第二章 日米同盟と安全保障――日米関係の虚と実
対米関係で意識したこと
中曽根政権期の日米関係
湾岸戦争の衝撃
朝鮮半島問題と日米安保
日米安保体制の再確認と普天間返還合意
外交交渉とステークホルダー
台湾海峡危機
日米防衛協力の指針(ガイドライン)改定
核問題
ガイドライン改定の成果
中国をめぐる日米同盟
第三章 朝鮮半島問題――日本外交の原点
朝鮮半島外交の原点
大韓航空機爆破事件
北朝鮮への制裁問題
第一次北朝鮮核危機とKEDO設立
日朝交渉の総括
日朝交渉のはじまり
小泉首相訪朝
平壌宣言の草案起草
アメリカ政府の姿勢
安倍晋三副長官へのブリーフ
日朝首脳会談と拉致問題
拉致被害者の帰国
日朝交渉の停滞
コラム① 平松賢司氏からみた田中均氏
第四章 経済問題――経済実務は経験の宝庫
経済協力の現場から
日米経済摩擦
日米半導体交渉
市場開放と規制緩和
経済制裁について
中国へのセーフガード発動
インドとパキスタンへの経済制裁
第五章 東アジア共同体構想――見果てぬ夢
GATT・WTO体制から経済連携協定(EPA)へ
東アジア共同体構想
ミャンマーの民主化に向けた外交
価値観外交の台頭
アメリカとの距離感
課題を抱え過ぎているインド
ライフワークとしての東アジア
第六章 グローバル課題――国連改革や中東問題への対応
イラク派兵
北方領土交渉
国連安保理改革
イランとの協議
第七章 歴史問題――外交の歴史問題とは何か
歴史問題に対する考え方
サハリン残留韓国人問題
戦後処理問題を引き受ける
慰安婦問題への対応
アメリカ議会の対日戦争補償要求決議
小泉首相の靖国神社参拝問題
竹島問題
コラム② 梅本和義氏からみた田中均氏
第八章 政官関係――歪みが外交の沈滞化に繫がる
官邸主導外交とは何か
プロフェッショナルの果たすべき役割
第九章 知的交流――退官後に取り組んだ知的交流と人材育成
有識者とのかかわり
英国国際戦略問題研究所(IISS)での経験
退官とJCIEシニア・フェローへの就任
民間における知的交流の重要性
人材育成について
政治家と外交
日本の知的交流に足りないもの
日本外交には自律性が必要
注
解 題……………井上正也
あとがき……………佐橋 亮
田中均年表
索 引 -
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米中対立
アメリカの戦略転換と分断される世界
著:佐橋 亮
中公新書 2650
なぜ、米中は今日のように対立するに至ったかを語る書
常に思うことであるが、アメリカにとっての重荷とは、自国民の安全を保障するとともに、同盟国のそれをも担保しなければならないことである。
始点は、1969年、中ソ国境紛争だ。
アメリカは、万が一にも、中国がソ連に敗れるようであれば、微妙なバランスを保っている冷戦構造が大きく東側に傾き、アメリカが一気に不利になるのではないか、との恐怖からだった。
そのため、1971年キッシンジャーが、1972年ニクソンが電撃的に訪中し、米中関係を早急に改善しようとした。いわゆる上海コミュニケだ。
米国が中国に期待し続けたのは、次の3つであった
中国が政治改革を進めること
市場改革を行うこと
既存の国際秩序を受け入れてその中で貢献を増していくこと
平和を守る最前の方法は、平和的解決以外の方法はあり得ないという国際環境を作り出すこと
中国の軍事的脅しを看過すれば、アメリカの同盟国への安全の約束が疑われてしまう
戦略的再保証
中国の成長を前提に、米中関係を2カ国関係の管理にとどめず、地域やグローバル課題に積極的に活かすという発想のことで、当時のジム・スタインバーグ国務副長官のドクトリンである
オバマの中国戦略
オバマ政権の力点が置かれたのは、同盟国のみならず、東南アジア諸国への協力の強化である
南シナ海が中国の進出で動揺する中、重ねて東南アジアとの関係を重視するとのメッセージが発信された
一方、リーマンショックの影響でも成長を続ける中国は、アメリカの網に包囲されるという恐怖をいだいた
2014年米国防総省は、第三次オフセット戦略を提唱する
通常戦略による抑止力を、戦争の作戦レベルにまで強化するためには、最先端の科学技術においてイノベーションを起こして、それを軍事に応用することである
オバマ政権後期には、中国の国際社会への貢献は期待が薄いこと、民主化への道筋も、市場化改革の後退もあって、明確な失望が中国に関する議論の主流となった
2017年トランプ政権において、アメリカの対中姿勢は一気に硬化する
アメリカは中国を念頭においた、経済規制の立法化や、行政が実施された
トランプの訪中に同行したマクマスター補佐官の言
習近平政権の軍民融合の方針を鄧小平以来の市場化改革の終わりを告げるものと位置づける
ここに、キッシンジャードクトリンが打ち出した中国への3つの期待は、政権トップによって放棄された
アメリカの対中対立が本格化していくなかで、台湾への姿勢も変化していく
対台湾武器売却が行われた
一方 2019年から、中国の台湾海峡における軍事行動が活発化する
アメリカに中国ロビーがあるように、台湾ロビーだってある。
日本に次ぐ、外貨準備高を持つ台湾はその経済力を利用して政治家や有識者へのアメとムチを行使していく
台湾海峡周辺の海空域、東沙諸島では、人民解放軍や、海警の活動が活発化しており、対するように、米軍、台湾側の活動も増えている
台湾は、米中対立にとって、もっとも危険な発火点になる可能性がある
(本紙には触れられていないが、台湾が中国の侵攻を受けた場合、米軍には出動義務をある
結果、米中の軍事衝突が発生すれば、日本の領海内であり、かつ友軍の支援という、日米安保条約の規定により、自衛隊は有無を言わさず、参戦することとなる)
米 2021年3月公表の、国家安全保障戦略指針には
中国は、経済力、外交力、軍事力、技術力を組み合わせて、安定的で開かれた国際システムに持続的に挑戦することができる唯一の競争相手 とある
地政学的にも、日本は、米中対立の最前線に位置することは明らかだ が結論です
目次
はしがき
序章 米中対立とは何か
第1章 関与と支援―対中政策における主流派の形成
第2章 不確かなものへの恐怖―中国警戒論の胎動
第3章 高まる違和感―台頭する中国と出会ったオバマ政権
第4章 関与政策の否定へ―トランプ政権と中国
第5章 アメリカのなかの中国―関与と強硬姿勢、それぞれの原動力
第6章 米中対立をみつめる世界
第7章 今後の展望―米中対立はどこに向かうのか
おわりに
あとがき
主要参考文献
索引
ISBN:9784121026507
出版社:中央公論新社
判型:新書
ページ数:328ページ
定価:940円(本体)
2021年07月25日初版
2022年04月20日4版 -
Posted by ブクログ
米国が中国に対して信頼→関与→疑念→対立と変化していく様子を描いた本。冷戦下での支援に始まり、天安門や台湾海峡危機を経ても政治改革・市場改革・国際社会での責任の3つの期待を含む[経済成長による民主化論]が(産業界の後押しもあり)主流で懸念論は少なかった。オバマ政権でもG2案(マジで嫌い)を始めとした関与論者が多かったが、段々と強圧的な中国の姿や中国の国際社会での無責任さ、経済の急成長によって脅威論者が増えていった。個人的に見逃せないのが2015のAIIBだ。あそこで米国は主導権を握られる怖さを感じたのではないか。トランプ政権が大転換の要因。従来の産業界・専門家は中国擁護論が多かったが、政権の中心にいる官僚・議会・米軍・福音派が反中に傾いたことが決定打となった。米台関係が米中関係と反対に動いていることにも注意。欧印韓アジアは中国の人権・軍事に懸念を示しつつも経済との損得を天秤にかけている。日台は対米傾斜を強めている(?)総裁選でどう変わるのか注意。
米中対立は今後30年程度、中国が本格的な人口減少に陥るまで続くと予想する。多国間協調が失われること(気候変動大丈夫?)や台湾問題など不安は多いが、筆者は米国の孤立主義と中国の民主化で対立が解消するかもしれないと述べている。人口推移的には根競べは米国が勝つようにできているので、中国共産党は大胆に仕掛けるインセンティブが出てくる。非常に危険かなと思う。そうならないよう多国間でデタントを定期的に起こすなどリスク管理が必要になってくるかな... 2021/9/8
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Posted by ブクログ
ネタバレ1979年の米中国交正常化・鄧小平訪米から現在に至る米中関係を丹念に調べ上げた点で白眉の出来と思います。さらに、こうした事実を振り返り、米国側の対中意識の変化を論じた優れた著作です。
1979年の米中国交正常化により、米国は中国の成長を支援する「関与政策」を立ち上げ、「しぶとく」支援を続けたとあります。これには、中国の経済成長による「三つの期待(政治改革、市場化改革、国際社会への貢献、への期待)」が米国側にあったためですが、その後、①「三つの期待」は習近平政権によって裏切られた、②中国経済がここまで成長するとは予想せず米国側が焦燥感を持った、ことから米国内での意識が変化。そのなかで、オバマ政権末期の中国での人権や安全保障問題によって軋みが生じ、トランプ政権になって決定的に「米中対立」に至ったという分析です。
中国側はこうした動きに「受動的に」対応とのことですが、本書は米国からの視点中心であり、中国側の意識変化などもあればさらに良いかと思いました。また、日本の対応についても、もう少し記述が欲しいとは思いましたが、いまの米中関係を紐解くには最適の1冊と思います。 -
Posted by ブクログ
2026.9.30
核の非対称性
核を持つ
衰退する大国
アメリカはウクライナが負ける
中国、ロシアに負ける
ロシアの技術者が多い
GDPお金を稼ぐ力とモノを作る力は別
中央官僚からグローバルへ国民共同体から遠ざかる
経済的な考えの支配する世界では子ども「作るのは狂気の沙汰」
20年に渡り面倒を見るのは利他的な行動
人生を経済的な成功という点だけで考えているとその人の行動は病的
20→30 2,000がもっとは病気
幸せの一部は利他的な行動と振る舞いで得られる、富が増えることではない
子育ては理にかなった行為ではにいと経済中心的な思想
韓国0.75 消滅に向かって加速している不思議な国
日本1.2フランス1.7
中国1.1
スマホ白黒、フォーユー機能の停止 -
Posted by ブクログ
第三者的な立場から(日本のことも好意を持って慮ってもらえるという特殊性も加味して)日本が今後どのような道を目指すべきかを考える示唆を与えてくれる本。日本人はもっと危機感を持って現在の世界情勢を捉える必要がある、という認識を持たせてくれる。
本とは直接関係ないが、以前台湾を訪れた際に台湾における国交大臣にあたる方のスピーチを聞いた。相手に訴えかける話し方その話すスピードの心地よさ、かつ内容も理路整然としている、素晴らしいスピーチだった。現地の方に「素晴らしい政治家がいて良いですね」と話すと、「あの方よりもっと人気がある方がいますよ」と言われた。台湾の方々の政治への関心の高さと人材の豊富さ、日本の政治に対する不安な気持ちが押し寄せ、暗澹たる気持ちになった。
しかし、日本も手をこまねいてる暇はない。国民一人一人の手で日本という国家をどうしていくか、考えなければならない時が来ている。 -
Posted by ブクログ
今世界で起こっている変化の底にあるのは『西洋の敗北』、宗教ゼロになりアメリカとヨーロッパがニヒリズムに陥っているからとトッドは言う。
下部構造である経済に政治は規定されるが、可視化されている経済の水面下には、教育があり、宗教があり、家族構造があるとはトッドの分析。
宗教ゾンビ化がナショナリズムを生み2度の世界大戦を起こし、戦後に宗教ゼロが始まりニヒリズムからの世界の混乱が起こっている。
トランプがいなくなってもこの潮流は止まらない。日本はどうすべきか、自分はどうすべきか、まだまだ答えは出ないが、トッドは考える方向性を示してくれていると直感的に思う。