藤崎彩織のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
感想が苦手だ。映画を見に行った後、どうだった?と聞かれても、良かった、面白かった以外のものが出てこない。また作品に涙を流す人を羨ましいと思う。涙にはデトックス効果があって、実際泣いたという事実は、自分の感受性や弱さを肯定する効果があると思う。
音楽のルーツはSEKAI NO OWARIだった。テレビで見た彼らの演奏に凄まじく心を動かされた。煌めきのようなメロディーそして歌詞、クリスマスに彼らのCDをねだったのも覚えている。Saori、況や藤崎彩織は間奏文として、日常と本を組み合わせて文章を綴る。日常がメロディーなら本を読むために一点に視線を集中させるその瞬間は間奏になり得る。バンドが軌道に乗った時、違和感を覚えた時、母になった時、彼女の傍らにいつも本があって、そしてそれらは彼女の心にズシンと重く響く。
感想は日常に絡めたものでいいのだ。面白いも良かったでもなく、自分ならこう思う、この描写はあの時の感情に似ている、そういったブリッジが間奏となり感想となるのだ。次、どうだった?と聞かれた時が楽しみになった。 -
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2024.11.18
セカオワのサオリさんのエッセイ。とても良かった。
子育てのこと、アーティストとしての活動のこと、深瀬さんとの喧嘩、かわいい両親についてなど諸々。
“数えきれないほど喧嘩をして言い合って来た私たちだけど、本当に伝えたいことは言葉にならないのかもしれない。
詩を書き、文章を書くことを生業にしている私たちが「本当に伝えたいことは言葉にならない」なんて思ってしまうと元も子もないけれどら「ごめんね」「いいよ」では済まなくなってしまう大人の世界では、多くを語らずに乾杯するということが、どんな言葉よりも意味を持つことがあるのだ。”
“子供に説明しようとすると、総じて良い人間になろうとする圧力がかかる。命の重さを教えれば無駄な殺生は出来なくなり、食べ物の大切さを教えれば無駄に廃棄ができなくなる。そこで生じるどうしても矛盾してしまう点をどうやって折り合いをつけて生きていくのか。” -
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『言葉があれば、役立たず、お前なんて才能がない、という声から自分を救えるかもしれない。居場所なんてない、お前なんていない方が良かった、という声から自分を守れるのかもしれない。』
思っていた以上に切ない物語だった。
「お前の居場所は俺が作る」という月島の言葉、言われた時は嬉しいけれど、ずっとずっと心のどこかに残る呪いのような言葉で、解説にあった通り強烈な言葉には魔力があり、言葉ひとつでその人の人生を奪ってしまうのかと思うと少し怖くなった。
「点滴のしずくが定期的に落ちていくように、私は泣き続けた。」のように物語にちょくちょく出てくる比喩表現が本当に素敵。
セカオワの曲を聴きながら読んでいたが、どれも切ない思いをしたり、葛藤がなければ出来なかった曲ですごく尊く感じた。これからはもっともっと大事に聴きたいし、曲を聴いている時には「ふたご」で出会った素敵な言葉たちを思い返したい。 -
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ネタバレ初めの2章で心を掴まれ、かつて私が受けたいじめや重い足を引きずって登校した過去が思い出され、読むのに2週間以上かかってしまいました。
「頑張りたいのに頑張れない」そのことを最近友人から聞き、お互いに共有し合っていたのですごく私にとってタイムリーな話題でした。パニック障害や鬱のことは私にはわかりません。当事者ではないので分かるつもりになることも許されないと思います。当事者になったとしてもその人の苦しみを分かったフリをすることは許されないでしょう。
でもその生きづらさを共有する心強さや反対に理解されないもどかしさは少し自分と共通するものがありました。
最初は失恋を思い出して過去をゆっくり丁寧に思い出す小説だと思っていました。
でもそうではありませんでした。
恋愛小説と簡単にカテゴリ化してはいけないような気もします。
月島は分類したがる人を否定して、常識ひとつひとつを突き放している。それなのに結局は常識に苦しめられている。さおりさんがこういう話をかける人だからHabitが生まれたのかもしれないなぁとふと思いました。
☆次に読んてほしい本
アントキノイノチ/さだまさし
ふたつのしるし/宮下奈都 -
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ネタバレSEKAI NO OWARIのサオリさんの妊娠、出産、子育てエッセイ。
久しぶりにマタニティ・子育てエッセイが読みたくなって読んでみた。
つわりが辛いときに、「妊娠(つわり)は病気じゃない」と慰められる辛さ、すごく共感した。
猛烈な嘔吐とフラフラの体で仕事も家のこともしながら点滴に通うギリギリの精神状態で、この一言は「病気じゃないから心配しなくていいよ」じゃなくて、「病気じゃないんだから頑張れ」にしか聞こえなくて、ますます追い込まれる。
こればかりは経験者にしかわからない。
サオリさんは、もっとハードなスケジュールとライブ公演が控えてるという責任感で、どんなに辛かったことだろうと思った。
お腹が大きいとか、この形だと性別はどっちとか、誰々はどうだったとか、そんな他愛もない話に悪意や深い意味は無いとわかっていても、素直に聞き流せないのも同じだった。妊娠中のホルモンバランスの乱れ、気持ちの不安定さ故だったのだろう。
いちいち他人の言葉に敏感になっていたなと思う。
共感した経験や考えは他にもいろいろあったけど、特に感心して残しておきたいものを書き留めておく。
「愛は、良質な睡眠とホルモンバランスの安定という土台、上に積み上げることのできる、理性のこと」
「夫婦は助け合わなくてはいけないけれど、ただ平等を追い求めても幸せにはなれない。そんなことがわかるまで、どれだけ傷つき、傷つけ合ってきただろう。傷つけ合わないことは難しいので、せめてその後に癒し合い、労い合えるところを目指したい。」 -
Posted by ブクログ
サオリさんの本は全て読んできたけれど、このエッセイが一番好きです。
当たり前だけど、人前に出ている仕事をしているからと言って超人なわけはなく、私たちと同じ人間なんだなぁと思いました。
キラキラ笑顔でステージに立っている裏側で実は尿漏れしていたとか、想像したことなかったよ。
妊娠初期の悪阻とか症状は人それぞれなんだろうな、それって、PMSとか生理痛が人によって違うのと同じなのかも。女性同士でも分かり合えないとは言うけど、妊娠初期もそうなのかも。
私は年齢的に妊娠、出産することはないと思うけど、このエッセイを読むとやはり壮絶なんだなぁと思います。