藤崎彩織のレビュー一覧
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『言葉があれば、役立たず、お前なんて才能がない、という声から自分を救えるかもしれない。居場所なんてない、お前なんていない方が良かった、という声から自分を守れるのかもしれない。』
思っていた以上に切ない物語だった。
「お前の居場所は俺が作る」という月島の言葉、言われた時は嬉しいけれど、ずっとずっと心のどこかに残る呪いのような言葉で、解説にあった通り強烈な言葉には魔力があり、言葉ひとつでその人の人生を奪ってしまうのかと思うと少し怖くなった。
「点滴のしずくが定期的に落ちていくように、私は泣き続けた。」のように物語にちょくちょく出てくる比喩表現が本当に素敵。
セカオワの曲を聴きながら読んでいたが、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めの2章で心を掴まれ、かつて私が受けたいじめや重い足を引きずって登校した過去が思い出され、読むのに2週間以上かかってしまいました。
「頑張りたいのに頑張れない」そのことを最近友人から聞き、お互いに共有し合っていたのですごく私にとってタイムリーな話題でした。パニック障害や鬱のことは私にはわかりません。当事者ではないので分かるつもりになることも許されないと思います。当事者になったとしてもその人の苦しみを分かったフリをすることは許されないでしょう。
でもその生きづらさを共有する心強さや反対に理解されないもどかしさは少し自分と共通するものがありました。
最初は失恋を思い出して過去をゆっくり -
Posted by ブクログ
ネタバレSEKAI NO OWARIのサオリさんの妊娠、出産、子育てエッセイ。
久しぶりにマタニティ・子育てエッセイが読みたくなって読んでみた。
つわりが辛いときに、「妊娠(つわり)は病気じゃない」と慰められる辛さ、すごく共感した。
猛烈な嘔吐とフラフラの体で仕事も家のこともしながら点滴に通うギリギリの精神状態で、この一言は「病気じゃないから心配しなくていいよ」じゃなくて、「病気じゃないんだから頑張れ」にしか聞こえなくて、ますます追い込まれる。
こればかりは経験者にしかわからない。
サオリさんは、もっとハードなスケジュールとライブ公演が控えてるという責任感で、どんなに辛かったことだろうと思った。
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Posted by ブクログ
サオリさんの本は全て読んできたけれど、このエッセイが一番好きです。
当たり前だけど、人前に出ている仕事をしているからと言って超人なわけはなく、私たちと同じ人間なんだなぁと思いました。
キラキラ笑顔でステージに立っている裏側で実は尿漏れしていたとか、想像したことなかったよ。
妊娠初期の悪阻とか症状は人それぞれなんだろうな、それって、PMSとか生理痛が人によって違うのと同じなのかも。女性同士でも分かり合えないとは言うけど、妊娠初期もそうなのかも。
私は年齢的に妊娠、出産することはないと思うけど、このエッセイを読むとやはり壮絶なんだなぁと思います。