あらすじ
直木賞候補作『ふたご』の著者が、大切な本を通して、自身の人生のターニングポイントとなる瞬間を切り取った、瑞々しい初エッセイ。
ただの壁だった本のページをぽつぽつとめくり始めたのは、自分を守るために演じていた文学少女に本当になれたら良いと思ったからだ。
いじめられたくないから愛想笑いをするなんて下らないよと言って、一人で本を読んで
いる女の子。誰かの意見に左右されず、自分の大切なものを大切に出来る強い女の子に。
演じていたはずのはりぼての文学少女が気付かせてくれたのだ。
「あなたにはこんなに素敵な本があるじゃない」と。
(本文より)
※この電子書籍は2018年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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とても読みやすい文章でした。
さおりちゃんはとても努力家なんだなと思いました。
他にもエッセイが出ているのでそちらも読んでみたいです。
Posted by ブクログ
2021/01/08
SEKAI NO OWARI のピアノ伴奏をしているsaoriさんこと藤崎彩織さんのエッセイ第二弾。ねじねじ録に引き続き読みました。
今回の読書間奏文は、前回のねじねじ録が、結構「セカオワ色」が多かったように感じたところから変わって、本当に日常をsaoriさんが生きていて感じたことや考えたことをsaoriさんが読んだ本の一節を引用しながら彼女の経験を重ね合わせて紡ぎ出された言葉を中心にまとめられています。
バンド活動のことに関してはもちろんそうですが、日頃生活をしている場面で触れた光景、見た光景、経験したことなどを小説の一節と結びつけて考えていくことができる凄さと、その発想の素敵な感覚に驚かされっぱなしです。
ミュージシャンとしての表現者であるsaoriさんと作家、小説家、執筆家(?)としての藤崎彩織さんの二つの側面をこの本からも垣間見ることができる素敵な一冊になっていると思いました。
Posted by ブクログ
本に対する思い、音楽に対する思い、社会に対する思い、普段の人前に立って煌びやかな世界にいる時とは違ったパーソナルな思いがたくさん込められていた。現実から逃げるための本が、彼女の感性を豊かにしていた。冷静でいて、感情的な彼女が何かを考える時、隣に本がいたのだなと思うと、自分と同じ点があって嬉しくなった。彼女が最近作詞を務めた曲は、初め深瀬さんが書いたと勘違いするくらいに彼の考え方が反映されていた。でもこの本を読んで、彼女が様々なものを吸収し、消化し、吐き出しているのだと納得がいった。彼女の価値観がファンを超えて読者に吸収されていくのだろう。
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感想が苦手だ。映画を見に行った後、どうだった?と聞かれても、良かった、面白かった以外のものが出てこない。また作品に涙を流す人を羨ましいと思う。涙にはデトックス効果があって、実際泣いたという事実は、自分の感受性や弱さを肯定する効果があると思う。
音楽のルーツはSEKAI NO OWARIだった。テレビで見た彼らの演奏に凄まじく心を動かされた。煌めきのようなメロディーそして歌詞、クリスマスに彼らのCDをねだったのも覚えている。Saori、況や藤崎彩織は間奏文として、日常と本を組み合わせて文章を綴る。日常がメロディーなら本を読むために一点に視線を集中させるその瞬間は間奏になり得る。バンドが軌道に乗った時、違和感を覚えた時、母になった時、彼女の傍らにいつも本があって、そしてそれらは彼女の心にズシンと重く響く。
感想は日常に絡めたものでいいのだ。面白いも良かったでもなく、自分ならこう思う、この描写はあの時の感情に似ている、そういったブリッジが間奏となり感想となるのだ。次、どうだった?と聞かれた時が楽しみになった。
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皮膚と心
女でいること、女らしくいることに少し恥ずかしさを覚えてしまうけれど、ほんとは女らしくいたい。そんな自分の気持ちに改めて気づかせてくれました。
おしゃれしてみようかな