白川美也子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
トラウマはなぜ苦しみを引き起こす?被害と加害はなぜ繰り返される? 災害トラウマの特徴とその支援は?
赤ずきんとオオカミの物語仕立てで、トラウマによる症状、回復のプロセス、支援の方法について学んでいきます。
医療・保健・福祉・司法・教育などの場でトラウマを受けた人と関わるスタッフ、そして当事者とご家族も読める本です。
トラウマ記憶の特徴は、時間が経っても鮮明であること、思い出す時に不快感や痛みを伴うこと。
トラウマ記憶が生々しい感覚や感情と共に蘇るフラッシュバックを起こさないための方法、トラウマ記憶を信頼出来る人に打ち明けることで過去の出来事としてトラウマ記憶の処理をする方法、トラウマ記憶による症状が出た時に対処する方法、日々のちょっとした進歩に気付いて自分を認めること、問題が起こった時に人間関係が気まずくなった時に自分や他人を責めないようにコミニュケーションする方法、自分の感情と過去に感じた感情と他人の感情を区別して自分がどう感じているかをきちんと理解して表現する方法など、トラウマ記憶の治療や自分と他人を大事にコミニュケーションする方法を学ぶ課程を「赤ずきん」のストーリーを通して解説した心理学本です。 -
Posted by ブクログ
すべての人が支援者だという意識を持って、トラウマの被害を受けた子ども達に、再演や再被害、支援のなかでの二次被害など、最トラウマ化を起こさせないために学んでいかなければならないと感じた。
【メモ】
「困った子(親)」は「困っている子(親)」
子どもは未発達だからこそ影響は大きくなりやすい
○言語領域の発達過程にあるから
トラウマ記憶の残り方が特殊
○自分と世界を関係づける時期だから
自責感や自己否定感をもちやすい
○世界観が形成される時期だから
ものごとを否定的にとらえやすい
養育者との関係が記憶の残り方に影響する
トラウマ体験→重要な他者に調節してもらう→過去の記憶となっていく○
トラウマ体験→安心感を得られない→トラウマが残り影響し続ける×
トラウマによるストレス反応の3F
ファイト(闘争)
フライト(逃走)
フリーズ(凍りつき)
外在化症状(男児に多い)暴力、非行など
内在化症状(女児に多い)不安、抑うつ、自傷など
暴力的破壊的な「遊び」として現れることも
流動的かつ多岐にわたる症状を示す。一連のものであるという理解が必要
解離が起こることもある
アセスメント(評価)(判断)で現状を把握
「命令」「指示」「指導」は傷を深めるもと禁止、命令ではなくよいモデルを示そう
再トラウマ化を防ぐ
子どもの非言語的なサインを追いながら、解決を急がず寄り添っていく
感情反映的に聞くスキル
①子どもの感情すべてを尊重し、受け入れる
②子どもに「聞いている」ことを示す
③あなたか聞いたこと、その子が言ったことを示す
④感情を名付ける
⑤アドバイス、示唆、保証する -
Posted by ブクログ
ネタバレまえがきからの引用:
トラウマからの回復は、重症例をのぞけば「心理教育」「セルフケア」「スキルの構築」の三本柱で可能です。
・トラウマとは何か、それがどう現在に影響するかを知る
・自分を大切にするセルフケアの方法を身につける
・生きていくための多様なスキル(感情表現や人間関係など)を身につける
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この本では主に1つ目(トラウマとは何か、それがどう現在に影響するか)を教えてくれます。
また、トラウマ症状から患者はどのように回復していくか、物語の形で分かりやすく示してもくれます。
ただ、回復への三本柱のうち「セルフケア」「生きていくための多様なスキル」の身につけ方について
具体的に書かれているわけではありません。
一歩進んで、具体的にどうセルフケアするか、感情表現や人との付き合い方をどう身につけるかを知るためには
また別の本を読む必要があるかと思いました。
また、EMDRやCPTといった、トラウマ専門治療の種類や方法については書かれていないので
専門治療を受けることを考えていて、それについての情報を知りたい場合には
この本はあまり役立たないかもしれません。
個人的には、この本を読んで、自分の生きづらさが過去のトラウマから引き起こされていること
また、段階的にではあるけれども、そこから立ち直っていけることが分かったおかげで
自分への理解が進み、回復への希望が持てました。 -
Posted by ブクログ
『赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア』
当事者・支援者向けなので、トラウマとは何か、回復のステップ、支援者が気を付けることなどがすごくわかりやすく書かれています。トラウマ対応について理解する上でも、当事者に説明する上でもとても役に立ちそうです。
印象に残ったのは、「回復とは、被害者でも加害者でもなくなり、サバイバーでもなくなり、そういう一般的な名前ではくくれない『ほかの誰とも違う、私でしかない私』になることです。」という言葉。傷つき体験も含めて自分を自分で受け入れられるようになることが回復のプロセスなのだなと思います。
あとがきで著者自身の被害体験にも触れておられ、回復体験を持っていることがトラウマ臨床から逃げずに向き合う原動力になった、と書かれています。当事者性を持っていることは支援者にとってマイナスではない、気を付けないといけないことはあるけれどすべての経験は力になる、と勇気が出る本でした。