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Posted by ブクログ
この本はトラウマを持っている当事者さんと、トラウマを持っている人に関わっていく人、両方の人に解りやすく書かれています。ただ、この本を読んで、辛かったような先が明るくなったような複雑な気分です。
トラウマ入門として
トラウマに悩んでいた時に、購入しました。なぜフラッシュバックが起こるかなど、わかりやすく書いてあり、専門知識がなくてもすんなり読めました。トラウマがある人は、手元に置いておいて損はないと思います。
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思ったより薄く、そしてわかりやすく、でもとても役に立つと思った。トラウマの被害を受け、苦しんでいる当事者でも、さらりと読めて自己理解ができるようになっている。
子供の頃に父親の感情に任せて殴られ続けた体験が、トラウマになっているのだと最近気づいた。その事を認めることすら、話すことすら、恥であると感じて生きてきた。
知識は力になる。自分が感じることを素直に表してゆくこと。受け止めてゆくこと。そして知ってゆくこと。回復の過程はゆっくりでもいま確実に歩き始めたなと思える。そんな気持ちになれる本だった。
色んな技法を学ぶなかで、自分も支援者になろうかという気持ちも生まれてくる。だけどいまのところ半分半分くらいの気持ちである。
トラウマを受けた人が支援者になろうと思うことを、「サバイバーミッション」としてこの本では取り上げていた。そのことにとらわれて、いつまでも自分の人生を歩みはじめることができないこともあるともいう。まだわからない。回復にいまのところは興味をもっている。そこから生まれた色んな気付きがわたしをどこへ連れてゆくのか、焦らずに受け止めてみようと思う。
災害支援の話もあり、そこでバーンアウトについて書かれていた。自分の過去のバーンアウトを理解するためにも役に立った。
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新卒の時の職場で、いじめとパワハラを受けたことがずっとトラウマになっていました。
自分が悪かったからなにをされても仕方なかったのだと、
ずっと自分で自分を責めてきましたが、
この本を読み、本当はそうではないのだとわかりました。
少しずつでも、今ここの領域を広げていこうと思うことができました。
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トラウマケアについて、ストーリー仕立てで理解しやすく、読みやすい。目を背けたくなる過去の出来事も、症状の一つと思うと楽になる。トラウマケアについて、もっと深く知りたいと思えた一冊
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単回性のトラウマをもつ「赤ずきん」
慢性的で複雑性のトラウマをもつ「オオカミ」
赤ずきんを襲った狼も、3匹の子豚の家を壊した狼も、もしかしたら何か心に抱えているのかもしれない。
その視点が、とても面白く、わかりやすかった。
支援を受けることのメリットを知った。
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当事者目線、支援者目線どちらも書かれていて、どちらの視点も持つ自分にとっても非常に理解しやすかった。辛い経験を乗り越えたからといって、他の人の支援をすることに執着する必要はないということに胸を打たれたような思いがした。思い返せば、思春期の頃から、自分と同じような子どもを救いたいという思いから、支援者への道を目指し始めたことに気づいた。ただ、今の私にはやりがいのある仕事になっており、自己を探求する機会にもなっている。著者のように、全てを手放す段階にはまだまだ遠いが、自分自身のトラウマを解放して、地にしっかりと足を付けた支援者となりたい。
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トラウマケアとはなにかを分かっていることは、患者と関わる上で重要だと思います。
薬剤師としてできる心理面へのアプローチは少ないと思う。トラウマケアはひとりでやるものではないし、親身になりすぎて医療者が体調を崩してしまってはどうしようもない。
患者とっての気軽な雑談相手になれればいいな、そのとき患者の気持ちの変化を汲み取ってあげられたらいいな、くらいの心持ちでいたい。
Posted by ブクログ
そう目新しいことが書いてある気はしないけど、傷つくことと回復することについて、今まで自己流でいろいろ勉強してきたことがうまくまとめられているような感じですごく良かった。今の自分だから素直に読めるところもあるとは思う。難しくはないけど、何度か読み返して、自分が無理せず生きられるように努めたいと思えた。でもやっぱり、最初から幸せな人にはだいぶ敵わないだろうというのがつらいかな。マイナスを癒せてもプラスが得られるわけではないから。もっと早くにこういう本が出版されてスタンダードになってて欲しかった。
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かわいらしいイラストと読みやすい文章で、トラウマとトラウマケアについて学べる本。
「赤ずきん」と「おおかみ」の物語を軸に、一般的に知られている物語の向こう側で起きていることを想像し、必要なケアについてともに考えていくことができます。
繰り返し読む一冊になりそうです。
その後再読。(R2.7月)
トラウマの理解が深まりました。
トラウマが人に与える影響。それに対し、どのようにケアしていくか。
支援者として留意すること等、とても参考になりました。
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トラウマ支援に関わる人、そして当事者や家族にも役に立つように書かれた良書。トラウマ治療には色々な専門的な技法があり、類書はそれを中心に書かれている事が多く、つい引いてしまうことがある。この本は現場感覚で書かれており、技術以前の問題がかゆい所に手が届くように伝えられている。単回性のトラウマと慢性的なトラウマの違い、トラウマからの回復、災害トラウマへの対処、と続き、最後に支援者が知っておきたい大切なことを当事者にも役に立てるように書かれている。読み進める内に読者も回復に付き合える感じがしてくる良い読後感がある良書であった。
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すばらしい本 当事者や援助者、家族や周囲の人、つまりすべての人に読まれてほしい。
トラウマケアにおいて大切なことが丁寧に、平易にかかれてる
知識と理解は力になるはず。
Posted by ブクログ
トラウマはなぜ苦しみを引き起こす?被害と加害はなぜ繰り返される? 災害トラウマの特徴とその支援は?
赤ずきんとオオカミの物語仕立てで、トラウマによる症状、回復のプロセス、支援の方法について学んでいきます。
医療・保健・福祉・司法・教育などの場でトラウマを受けた人と関わるスタッフ、そして当事者とご家族も読める本です。
トラウマ記憶の特徴は、時間が経っても鮮明であること、思い出す時に不快感や痛みを伴うこと。
トラウマ記憶が生々しい感覚や感情と共に蘇るフラッシュバックを起こさないための方法、トラウマ記憶を信頼出来る人に打ち明けることで過去の出来事としてトラウマ記憶の処理をする方法、トラウマ記憶による症状が出た時に対処する方法、日々のちょっとした進歩に気付いて自分を認めること、問題が起こった時に人間関係が気まずくなった時に自分や他人を責めないようにコミニュケーションする方法、自分の感情と過去に感じた感情と他人の感情を区別して自分がどう感じているかをきちんと理解して表現する方法など、トラウマ記憶の治療や自分と他人を大事にコミニュケーションする方法を学ぶ課程を「赤ずきん」のストーリーを通して解説した心理学本です。
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まえがきからの引用:
トラウマからの回復は、重症例をのぞけば「心理教育」「セルフケア」「スキルの構築」の三本柱で可能です。
・トラウマとは何か、それがどう現在に影響するかを知る
・自分を大切にするセルフケアの方法を身につける
・生きていくための多様なスキル(感情表現や人間関係など)を身につける
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この本では主に1つ目(トラウマとは何か、それがどう現在に影響するか)を教えてくれます。
また、トラウマ症状から患者はどのように回復していくか、物語の形で分かりやすく示してもくれます。
ただ、回復への三本柱のうち「セルフケア」「生きていくための多様なスキル」の身につけ方について
具体的に書かれているわけではありません。
一歩進んで、具体的にどうセルフケアするか、感情表現や人との付き合い方をどう身につけるかを知るためには
また別の本を読む必要があるかと思いました。
また、EMDRやCPTといった、トラウマ専門治療の種類や方法については書かれていないので
専門治療を受けることを考えていて、それについての情報を知りたい場合には
この本はあまり役立たないかもしれません。
個人的には、この本を読んで、自分の生きづらさが過去のトラウマから引き起こされていること
また、段階的にではあるけれども、そこから立ち直っていけることが分かったおかげで
自分への理解が進み、回復への希望が持てました。
Posted by ブクログ
“回復するということは、「過去の傷に影響を受けている今」が変わることなのです。”(p.19)
“自分も他の人も完ぺきではなく限界をもっていると認められること。そして自分の苦しみだけでなく、他の人も苦しみを抱えていることがわかること。他人の痛みがわかるようになること。お互いを支えあう関係を体験できること。”(p.73)
“「好きでかぶっていたわけじゃない。それでもこの着ぐるみは、長いこと自分を守ってくれるものでもあったんだ」”(p.80)
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『赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア』
当事者・支援者向けなので、トラウマとは何か、回復のステップ、支援者が気を付けることなどがすごくわかりやすく書かれています。トラウマ対応について理解する上でも、当事者に説明する上でもとても役に立ちそうです。
印象に残ったのは、「回復とは、被害者でも加害者でもなくなり、サバイバーでもなくなり、そういう一般的な名前ではくくれない『ほかの誰とも違う、私でしかない私』になることです。」という言葉。傷つき体験も含めて自分を自分で受け入れられるようになることが回復のプロセスなのだなと思います。
あとがきで著者自身の被害体験にも触れておられ、回復体験を持っていることがトラウマ臨床から逃げずに向き合う原動力になった、と書かれています。当事者性を持っていることは支援者にとってマイナスではない、気を付けないといけないことはあるけれどすべての経験は力になる、と勇気が出る本でした。