あらすじ
トラウマはなぜ苦しみを引き起こす? 被害と加害はなぜ繰り返される? どうしたら楽になれる? 災害トラウマの特徴とその支援は? 赤ずきんとオオカミの物語仕立てで、トラウマによる症状、回復のプロセス、支援の方法について学んでいきます。 医療・保健・福祉・司法・教育などの場でトラウマを受けた人と関わるスタッフ、そして当事者とご家族も読める本です。
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Posted by ブクログ
(トラウマの)再演が起きているサインは、自分が「被害者」になったり「加害者」になったりしていることなんだ。
「あの人に〇〇された!」というのは
被害者になっている。
「だから〇〇してやった!」というのは
加害者になっていることなんだ。
大切なことは、
被害者にも加害者にも、
そしてそれを傍観する人にもならない、
三角形の3つの角の真ん中に
しっかりと立つことなんだよーーー
ちょっと前に読んだが面白かった。トラウマを持っている身としては、ためになる上に、三角形の3つの角の真ん中、という言葉は、わかりやすくて身に染みる。被害者意識になってしまっている時は上の言葉を思い出しています。
Posted by ブクログ
分かりやすかった。「赤ずきん」だけでなく、「悪者」とされがちな「オオカミさん」もまたトラウマを抱えて苦しんでいる被害者なのだとしていたところが印象的だった。
Posted by ブクログ
まえがきからの引用:
トラウマからの回復は、重症例をのぞけば「心理教育」「セルフケア」「スキルの構築」の三本柱で可能です。
・トラウマとは何か、それがどう現在に影響するかを知る
・自分を大切にするセルフケアの方法を身につける
・生きていくための多様なスキル(感情表現や人間関係など)を身につける
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この本では主に1つ目(トラウマとは何か、それがどう現在に影響するか)を教えてくれます。
また、トラウマ症状から患者はどのように回復していくか、物語の形で分かりやすく示してもくれます。
ただ、回復への三本柱のうち「セルフケア」「生きていくための多様なスキル」の身につけ方について
具体的に書かれているわけではありません。
一歩進んで、具体的にどうセルフケアするか、感情表現や人との付き合い方をどう身につけるかを知るためには
また別の本を読む必要があるかと思いました。
また、EMDRやCPTといった、トラウマ専門治療の種類や方法については書かれていないので
専門治療を受けることを考えていて、それについての情報を知りたい場合には
この本はあまり役立たないかもしれません。
個人的には、この本を読んで、自分の生きづらさが過去のトラウマから引き起こされていること
また、段階的にではあるけれども、そこから立ち直っていけることが分かったおかげで
自分への理解が進み、回復への希望が持てました。