【感想・ネタバレ】子どものトラウマがよくわかる本のレビュー

あらすじ

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【トラウマに気づき、回復のためにできること】

「心の傷」ともいわれるトラウマ。トラウマが認識されないことによって、
事件や自死に発展したり、重篤な後遺症を残したりするケースもあります。
また、トラウマ体験の重なりによる「再トラウマ化」は、大きな問題です。
その裏には未だ表に現れていない、被害を受けた多くの子どもたちや苦しんでいる親もいるかもしれません。

子どものトラウマは、問題行動を引き起こすだけでなく、
その先の人生に大きな影響を及ぼすおそれがあります。
子どもの場合、「なにがあったか」という出来事の内容もさることながら、
その後のケアのあり方も、心の傷の残り方を大きく左右する要因になります。
子どもが自分から語ることは少ないからこそ、周囲がトラウマの存在に気づき、
子どもの回復のためになにができるかを考え、行動していくことが求められています。

本書は、トラウマインフォームドアプローチ(トラウマへの理解を深め、かかわっていくという姿勢)に基づいて編まれたもの。
支援者の方には適切な支援を進めていくために、当事者の方には自己理解と回復に役立つ一冊です。

【主なポイント】
*子どものトラウマは「問題行動」として現れる
*対人関係の傷つきで生じる「発達性トラウマ障害」
*トラウマ体験で「解離」が起こることもある
*「小児期逆境体験」のトラウマは長く影響し続ける
*「発達障害」と「発達期のトラウマ」の密接な関係
*「虐待」は複雑なトラウマを生じさせる最大の原因
*子どもだから生じやすい「性的虐待順応症候群」
*支援の基本は「トラウマインフォームドケア」
*「通告」したほうがよいとき

【内容構成】
第1章 子どものトラウマが特別な理由
第2章 虐待されてきた子どもに起こること
第3章 トラウマになりうる体験のいろいろ
第4章 子どもの回復を支えるためにできること
第5章 子どもを支える「しくみ」を活かす


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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

子どもに焦点を当てて、トラウマと支援について説明されています。
読みやすくて、わかりやすいです。
子どもの支援を行なっていく上で、手元にあると安心だなと感じました。

0
2020年10月22日

Posted by ブクログ

すべての人が支援者だという意識を持って、トラウマの被害を受けた子ども達に、再演や再被害、支援のなかでの二次被害など、最トラウマ化を起こさせないために学んでいかなければならないと感じた。

【メモ】
「困った子(親)」は「困っている子(親)」

子どもは未発達だからこそ影響は大きくなりやすい
○言語領域の発達過程にあるから
トラウマ記憶の残り方が特殊
○自分と世界を関係づける時期だから
自責感や自己否定感をもちやすい
○世界観が形成される時期だから
ものごとを否定的にとらえやすい

養育者との関係が記憶の残り方に影響する
トラウマ体験→重要な他者に調節してもらう→過去の記憶となっていく○
トラウマ体験→安心感を得られない→トラウマが残り影響し続ける×

トラウマによるストレス反応の3F
ファイト(闘争)
フライト(逃走)
フリーズ(凍りつき)
外在化症状(男児に多い)暴力、非行など
内在化症状(女児に多い)不安、抑うつ、自傷など

暴力的破壊的な「遊び」として現れることも

流動的かつ多岐にわたる症状を示す。一連のものであるという理解が必要

解離が起こることもある

アセスメント(評価)(判断)で現状を把握

「命令」「指示」「指導」は傷を深めるもと禁止、命令ではなくよいモデルを示そう
再トラウマ化を防ぐ


子どもの非言語的なサインを追いながら、解決を急がず寄り添っていく

感情反映的に聞くスキル
①子どもの感情すべてを尊重し、受け入れる
②子どもに「聞いている」ことを示す
③あなたか聞いたこと、その子が言ったことを示す
④感情を名付ける
⑤アドバイス、示唆、保証する

0
2021年08月03日

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