宮崎智之のレビュー一覧

  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    エッセイは普段手に取らないが、普段自分が思っていることの言語化が綺麗にされていて購入。
    自分には足りない語彙力や思考力、知識などの部分を著者がわかりやすく言語化しておりとてもスッキリできた。
    普段自分感じられていない世界、もどかしかった理由に加えクスッと笑えるエピソードもありかなり読みやすかった。

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    2025年11月30日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    非常に良かった。
    半径100m以内にある息苦しさとか、実は自分が気付きさえしていない矛盾とか、理想とのギャップとか。そういったことに向き合い、言語化をしてくれる。誰かの文章を引用しつつ、彼自身が受けとめていくプロセスを提示してくれるので、こちらもまた言語化できていなかった半径100m以内のモヤモヤを受け入れられるような、感じがする。自分もやっぱり文を書いてみたいなと思えた。こういった誰かをそっと支える文章は、あればあるほどいい。その人の視点からしか書けない文章があるし、なんというかあればあるほどいいのだ。

    ーーなるべくなら楽しく生きたい。深く今に没頭し、喜びに浸りたい。しかし、それができない

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    2025年11月29日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    自分の心の中にあった何とも言えない漠然としてた感情を、突き詰め、言語化してくれている本だった。

    著者は、本当の意味の優しさを持っている方であり、
    等身大の自分で"弱さ"に向き合える"強さ"を持っている方なんじゃないかと思った。

    章ごとに「本当に同一人物が書いているのだろうか...?」と思ってしまうほど、雰囲気が変わるのも良い。人間らしさががある。
    同じ人間でも、その時の気分によって
    感じることや見える世界は移り変わっていくのが当然で、そんな"ありのまま"が文章から感じられた気がした。


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    2025年10月10日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    ネタバレ

    今自分が欲しい言葉たちが沢山見つけられた本だった。多分今の私が吸い寄せた。刺さった。共感。

    「寂しさ」に関するお話が心に残った。
    寂しさとは人生への眼差しそのもの。常に視界を覆う薄い霧のような感情。
    これを感じながら生きることは多分弱いもとのとして課された強さであり、そんなふうに平熱のままこの世界に熱狂したい、と思った。

    あとは、誰かがつらかったら、周りも同じくらいつらい思いをしなければならないという考えはおかしい。という所に、言ってくれてよかったと救われた。楽できるならみんなもっと楽していいよね。

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    2025年08月30日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    著者自身が弱さを認めて、生活の中で起こる機微を感じて著者自身と向き合い、搾り出された雫を見事に文章に綴ったエッセイ集。
    著者が人生をかけて丹念に磨いた宝物たちに出会える、そんな一冊です。

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    2025年07月20日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    「凪」という言葉が印象的に使われていて、まさに凪のような状態でいるからこその文体だった。これは諦観とか寛容とかとは違っていて、自分の弱さや寂しさを認めることで自分以外の人間の弱さや寂しさをも認められるようになった筆者の経緯に由来するものだと思う(良い表現が見つからないけど…)。

    35歳問題はこれからその年齢を控える僕にとって特に印象的なテーマなんだけど、過ぎた時間や残された時間に対してシビアになってしまいがちな目線を少し和らげてくれるような言葉が綴られていて、どこかほっとする読後感が得られた。

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    2025年07月12日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    平熱のまま、熱狂
    その感覚がすーっと落ちる素敵な本
    この作者の温度感や世界の感じ方がとても好きだと感じると同時に、随所に散りばめられる文学からの引用に、少し圧倒される
    沢山読み込み、自分の中に言葉を取り込んだからこその気づきが綴られていて、読んでいてとても楽しかった
    人生を味わうこと、人間であることを楽しむことに繋がるような、でもとても身近に感じる、心地よい距離感の本でした。

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    2025年06月21日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    そろそろ自分が何者になるかを考えろと先輩に言われて、本書の目次からぴったりなタイトルを見つけて、購入しました。

    本書を読み終わりましたが、何者になるかの答えは、まだ私の中で漠然としている。
    それでも、「平熱のまま、この世界を熱狂したい」という生き方はどこか自分に合っているのではと思い、好きな表現の1つとなりました。

    医者から飲酒をストップされるほど、著者がアルコール依存症であることなど、自分の弱さを表現できるところに共感を集めるのだと思いました。
    泥臭い中に、奥に秘めた力強さが感じられました。

    悩んでいる人、何かにもがいている人におすすめしたい一冊です!

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    2025年05月01日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    ユーモアがあり個人的なエピソードがおもしろおかしく描かれている。W解説で、どちらの方も「距離感の取り方が上手い」と評しており、語る対象との距離感、また自己愛との距離感が絶妙であり、それが著者独特の作風を生み出している。
    また、文芸批評家の方なため多様な文学作品が引用されており、知らない世界が知れる。個人的には「イワンイリッチの死」のくだりが心に残った。
    また著者自身が自分の弱さと向き合い、著者と同じく「弱いままで生きていくことを決めた人」が「この世界も、あながち悪いものではないのかも」と思ってくれることを願うとあとがきが締められているなど、読者のことを思って書かれた本だと感じた。

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    2025年03月03日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    印象的なタイトルに惹かれて購入し宮崎さんの文章も初めて読んだのですが本当に読んで良かった。アルコール依存による入院と人生の変化という大きな出来事がどうしても目立つけど、1人の人間の前にあるのはあくまでも過ぎていく時間と続いていく生活なのだ。喪失や破綻、人生のままならなさと他の人はどう向き合っているのだろうかと、「弱さ」に向き合うことに触れる本を読むときには特に関心があるのですが、その関心のさらに奥にあった自分の言語化できていなかった感覚を言葉にしてもらえた気がする。たくさん引用される文学や音楽も良かった。
    ひさしぶりに中也の詩を読みたくなったし、未読だった作品も多くいくつか読んでみたくなった。

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    2024年11月30日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    文芸評論家・エッセイストの宮崎 智之さんのエッセイ本。全員に読んでみてほしいと思える一冊だった。

    2024年現在、文學界で「新人小説月評」という歴史ある書評コーナーを担当されている宮崎さん。本文で用いられる引用のドンピシャ度が半端なく、万葉集から音楽まで多ジャンルに及ぶのが圧巻だった。
    誰がどこに何をどんなニュアンスで書いていたのか、それが自分の伝えたいことをどう裏付けするのか、宮崎さんの尋常ではない読書量の一部をお裾分けいただいたようで、全てのエッセイをワクワクしながら読んだ。

    アルコール中毒と離婚を体験し、それが宮崎さんの人生を語るに切り離せない切実なものとなっていること。自分の弱さを

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    2024年09月04日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    ネタバレ

    エッセイはこれまでも好きだったが、それはエッセイの中に表れる筆者の棘、毒っ気の痛快さや新鮮さへの感動という意味合いが強かった。
    この本には棘や毒っ気を全く感じなかった。それでも不思議とこの本はすごくささった。解説で述べられているように筆者の飄然さ、自己愛との付き合い方の上手さが文章をとても魅力的なものにし、読者を惹きつけるのだろう。

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    2024年08月22日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    時々、絶望的で真っ暗闇な寂しさに襲われて、時が流れていくのが怖くなることがある。ずっとこの寂しさは自分の心の問題だと思っていたが、宮崎さんは「寂しいという感情に寄り添いながら生きることこそ人生」だとおっしゃっていた。心の弱さや寂しさと向き合い続ける宮崎さんとこの本が、自分の理解者であり仲間だと思えた。

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    2024年07月15日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    「僕は強くなれなかった」という章で始まるエッセイ。引用される本の多くがわが家の本棚にもある本なので、親近感を持って読み進めた。コロナ禍前後の時期のもののためすこしダレたりしながら、各章ごとに刺さる文章があった。また読み返したいし、大切な本になりそう。

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    2024年07月09日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 「弱さ」を受け入れる日常革命

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    ネタバレ

    著者が自身の経験を通して得た「弱さ」についての学びや気づきを、さまざまな角度から認めているエッセイ的な本。

    印象に残っているポイントがいくつかあって、

    一つは、自分が誰かに必要とされている実感がないと人間は生きていけない、そういう弱さがあるんじゃないかというところ。
    人間って複雑だよなぁと思うのは、誰かにとってかけがえのない存在でありたい、自分がいないと困るくらい誰かに必要とされる存在でありたいという思いがある一方で、自分がやらねば、自分がいないと、という責任感とか義務感みたいなもので自分自身を苦しめてしまうこともあるということ。
    何かしらの「役割」が必要だから結婚とかするのかな、と思った

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    2024年06月03日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 「弱さ」を受け入れる日常革命

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    個人的な弱さを受け入れる、あるいは向き合うという「覚悟/決意」を「平熱/日常」の中でしていくこと、その豊かさを情緒豊かに書いたエッセイだった。

    読んでいてここで書かれている「弱くある贅沢」はどこか立川談志師匠が言われていた「業の肯定」のようだなと感じた。とてもやさしい視線と人情味がある。

    強いか弱いかで分けてしまいがちの世界。そして社会がグローバル化していって、「強い」ことが以前よりもさらに正しいことになっていくとどうしても息苦しさが出てきて、「弱い」ことがダメだったり悪だということになってしまう。
    そういう世界では一度負ければ終わりだし、正しさを証明するためには勝ち続けなければならない(

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    2020年12月15日
  • モヤモヤするあの人 常識と非常識のあいだ

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    モヤモヤするあの人 常識と非常識のあいだ。宮崎智之先生の著書。生きていると常識と非常識のあいだでモヤモヤすることは誰しも感じると思います。非常識人を見てモヤモヤしたりイライラしたり、でもそれは自分の常識と非常識がその人の常識と非常識とは違うだけ。そうだとすると、自分が非常識人ではなくて常識人だなんて思うのは単なる傲慢な思い込みなのかもしれません。

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    2019年06月16日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    本屋でタイトルに惹かれ手に取って、「打算的な優しさと〜」を少し読んで購入を決め、「35歳問題」で毎週父の見舞いに帰省した事を思い出し感傷的になり、「ヤブさん、〜」で思わず破顔し、好きな作家さんがまた増えた。

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    2024年10月16日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    なんて逆説的なタイトルか!と惹かれて書店購入。

    読んでみて、私が思う本書の
    キーワードは『凪』や『平熱』。

    社会(自分を取り巻く世界)と
    調和しながら生きていくためのヒントだなぁ。

    自分を取り繕うのではなく、
    自分の弱さと思う部分や、
    変化することをありのままに受け入れてみる。
    まずはそこから。


    この世界に辟易したり、嘆き、何者かになろうと必死に焦るのではなく、
    わたしたち一人一人の人生を鷹揚に送るためのメッセージが詰まった本だと思った。

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    2024年09月18日
  • 平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版

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    面白かったなぁ。
    物書きとしての知識量や現象に対しての向き合い方が程よい。
    遠すぎもなく、近すぎもなく。
    ものを自分の世界で見るコツを教わった気がする。
    序盤は筆者の人生にまつわること。
    後半はこれからの人生も見つめている。

    平熱のままこの世界に熱狂したい、という言葉には納得できるものがあった。それを感じるために生きているんじゃないかと思うほどに。
    オレンジアンドタールで言えば、オーリーをする瞬間、星野源で言えば、世界はアメーバ状になるみたいなことだろう。
    いずれにしても、学びの多い本になったことは間違いない。日常を丁寧に生きる!

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    2024年09月18日