軍事法規研究会のレビュー一覧

  • 口紅 美しき軍医の一生(3)

    ネタバレ 購入済み

    月夜に完成する 旋律

    何年たっても成長が止まった美少年のように浮世離れした美しさを放ち続ける緒方軍医。その「止まった時間」は小節線のないサティの『グノシエンヌ』の旋律そのものだ。

    懸想相手であり義兄の吉良は 緒方にとって「太陽」だった、「女にはなれない体 不完全なこの男の体をいっそ焼き尽くしてはくれないだろうか。」
    1923年 関東大震災 緒方は姉を亡くす 家が『2人の家』になる

    シベリアへ発つ直前、吉良は短刀を自身の懐からだし「朔、貴様の手で消えない証をつけて欲しい」と乞う。腹部に刻まれたその傷を、極寒の地でいとおし気に撫でる吉良。この場面を彩る『リーベストラウム(愛の夢)』は。、墓の前で後悔せぬよう「愛しうる限り愛せ」と説く。肉体を超えた自己犠牲の祈りが、血の通った「証」として二人の魂を一つに繋いだ。

    吉良少佐はシベリアで、売春を行っている少女との出会い、彼女に過去の自分を重ねる回想シーン、静謐なる『ジムノペディ』が流れるなか、吉良は異郷の地に散ることなる。 緒方はそれを母国で電報という形で受け取った。


    「男性の体」という枷を解き放つ。おしろいを叩き、紅をひき、吉良の香水を纏う。姉が仕立ててくれたワンピースに身を包み、胸元のリボンに口付けを落とす。高いヒールを履き、姿勢を正す。彼の中に蘇ったのは、ずっと求めていた「少女でいられた頃」の全能感だった。

    「あなたは女性だから。女性にしか見えません」

    精神と肉体が一つになる、彼はようやく自分自身になれた。「吉良さん、この僕でまた逢ってくれますか」
    『クレール・ド・ルナ(月光)』の冷たくも美しい光に包まれ、月へと堂々と歩みを進める後ろ姿。

    ページをめくると『完』の文字 すべての音が止まった瞬間、不完全だった 緒方 朔 の人生は美しい「完成」をみた。


    contentsとして楽曲名を使っている、1巻のepisode‐0から始まり3巻までで11曲 作品の背景に曲の背景を合わせて(意味、聴く)楽しんだ
    BLのくくりになっているが 私のイメージするBLとは全く異なる。史学、文学、社会学の方がしっくりくる 内容がとても濃く読み返すたびに新しい知識、感情が得られる。

    何度も読み返している、大好きな、素晴らし作品だ。





    #タメになる #切ない #深い

    0
    2025年12月26日
  • 口紅 美しき軍医の一生(2)

    購入済み

    少年から青年へ

    少女から女性に 現実は青年に 
    宴会で女装 他軍師はその姿に欲情しかし発せられる言葉は「君は良き男だ」
    女の子でいたい 女性でいたい しかし
    男らしくねばならない…

    1巻同様魅力的なタイトル 
    表題はピアノ曲の曲名
    自身の見解でコメントしてみたいと思う

    ラ・カンパネラ(リスト)
    原曲はバイオリン協奏曲(パガニーニ)
    同じ旋律で異なる楽器 身体は1つ しかし心も体もそれぞれ別々
    意味「鐘」

    ロマンス(グルリット)
    彼の「ロマンス」はピアノ連弾で演奏される事が多い
    2人で同じ曲を奏でる 素敵な展開を表題だけからも想像できる 
    意味「情愛 性愛」

    ノクトュルヌ(リスト)
    ノクトュルヌはフランス語「愛の夢」3つのノクターンと言う副題が付いている 
    意味「夜の」

    ノクターン(ショパン)夜想曲第2番変ホ長調
    彼はピアノの詩人とも言われる
    曲風をロマンチックに仕上げるのが得意 
    この2巻のこの章も曲風同様 ロマンチックな章になっている

    少年の頃出会い じゃれ合った少年 再び青年となり顔を合わせ あの頃の甘酸っぱいにおいから青年のそれに変わっている 側に居たい思いが一層募る

    また3巻での コメントも 近々書かせていただきます

    #感動する #エモい #切ない

    0
    2025年03月15日
  • めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~(5)

    購入済み

    これ、グルメ漫画の枠を超えてますね。明治版の南極物語です。読んでいて圧倒されました。この漫画に出会えて幸せです。

    #深い #ドキドキハラハラ #感動する

    0
    2024年04月17日
  • めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~(4)

    購入済み

    二〇三高地陥落により日露戦争は終結へ向かうも千歳たち第1連隊は敗北へ…。私たち歴史を読む側としては勝ったんだからいいじゃないかと思ってしまいますが、現地の部隊としては複雑だったでしょうね。これから千歳は白瀬中尉殿と南極探検に挑みますが、そこにはどんなグルメが待っているのでしょうか!

    #タメになる #深い #カッコいい

    0
    2024年04月14日
  • めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~(3)

    購入済み

    大森分隊長に衝撃的な展開が…こんなのってあり?!そして二〇三高地に向けて第1分隊にもどんどん犠牲が出てきてこれが戦場グルメ漫画だということを忘れます

    #深い #タメになる

    0
    2024年04月11日
  • めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~(2)

    購入済み

    大森分隊長、かっこよくて頼りになるけどこの巻ではちょっとコメディタッチですね(笑)そして料理!生姜を利かせた肉うどんは私の住む小倉の名物ですし、牛肉入り卵焼きはちょっと食べてみたい😋

    #タメになる #深い

    0
    2024年04月08日
  • めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~(1)

    購入済み

    珍しい明治陸軍のグルメ漫画です。平時の訓練や戦時の前線でどんなものを食べていたのか、日露戦争を舞台に描かれています。ライスカレーやパンは陸軍でも出していたんですね。一番おいしそうに見えたのは中国の農民からもらったトウモロコシでした(笑)

    #深い #タメになる

    0
    2024年04月08日
  • めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~(1)

    購入済み

    明治時代の陸軍の食事がわかる

    外伝に続いて本編も購入しました。タイトル通り、明治時代の陸軍の兵站、特に糧食に関することが詳しく描かれています。

    0
    2024年01月06日
  • めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~(3)

    購入済み

    一言あります

    曽祖父が中隊長として参加していた旅順攻撃の下士卒の食糧事情、脚気の認識と興味深い内容なんですがもう少し人物の描き分けをして欲しい。千歳とそっくりな人物が何人も登場するので「これは誰だ?」と思いながら読みました。

    0
    2018年09月08日
  • めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~(1)

    Posted by ブクログ

    オレにとっちゃ「軍隊は糧を稼ぐためのシノギ――」
    うまいメシを腹いっぱい喰うんだ――!!

    時は明治、日露戦争開戦の頃。陸軍の糧食に魅せられた青年・千歳は、「うまい飯が食える」ただそれだけのために歩兵第一連隊に志願する。
    兵舎で、そして戦場で食べるメシのうまさと、戦争という極限状態を生き抜こうとする人々が繰り広げるドラマ。

    同じく明治時代を舞台とした『ゴールデンカムイ』の作者・野田サトル先生もご推薦だとか(帯より)。
    とは云え作品の雰囲気はかなり違って、こちらは史実をベースにした本格歴史漫画。考証協力の軍事法規研究会によるコラムも読み応えがありました。

    生きるとは喰うこと。
    シンプルで激しい千歳の生き様から目が離せません。

    次巻も楽しみ!

    0
    2018年02月10日
  • めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~(1)

    購入済み

    いいんじゃないか?

    私の曽祖父が千歳と同じ第二軍にいて当時中隊長をやっていたので興味深く読めました。まさかこれ一巻だけで終わりではないでしょうねえ?

    0
    2017年09月22日
  • めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~(1)

    購入済み

    日露戦争のミリタリーグルメ漫画

    明治時代の風俗に興味があり、本を探していたところこの漫画を知り、評価も良かったため購入しました。
    当時の陸軍の生活、食事が丁寧に描かれているように思います。
    面白おかしく描くだけでなく戦争についても描かれています。(そのためグロテスクな描写があるので注意)
    次巻以降も購入しようと思います。

    0
    2022年03月08日
  • 口紅 美しき軍医の一生(3)

    Posted by ブクログ

    え?!!!!!ちょとまて完結?!!!!信じられない悲しいくやしいそっかあ、、、泣泣泣
    この時代の物騒な感じから言うと納得できない訳では無いか泣 吉良さんが虚しいし切なすぎる。最後2人で迎えるハピエンとかがよかった。。。。感慨は深い。。。泣

    0
    2022年09月11日
  • めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~(3)

    Posted by ブクログ

    「食」を大きな要素として描かれる日露の戦場。
    続く緊張、栄養の失調による脚気の蔓延、
    そしてかの「二百三高地」が間近に迫り、
    部隊の状況はますます厳しくなっていく。
    でも人は飯を食う。それで生を実感する。
    ともに飯を食った仲間が消える。それで死を実感する。
    主人公のキャラクターゆえ、軽快な部分も多い
    作品ながら、生死の境目で生きる人々にとっての
    「食」の持つ重みがひしひし伝わってきます。
    彼らは、この先どんな命運をたどるのか…。

    0
    2018年09月21日
  • めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~(2)

    Posted by ブクログ

    食べものマンガ、でも舞台は日露戦争のただ中。過酷な状況の中で描かれる、生きることと「食」。もう戦争から長い時間が過ぎましたが、忘れてはいけないことがここにはあると思います。話題になった武田一義さんの『ペリリュー 楽園のゲルニカ』とも共通するものを持つ作品。

    0
    2018年03月07日