向井和美のレビュー一覧
-
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
今年読んだ本の中で今のところベストな1冊だ。
向井さんの本を読んだ無期受刑者からの手紙がきっかけで手紙のやりとりを通じたふたりだけの読書会が始まる。この本はその往復書簡だ。
もっとはやくに本に出会っていれば人を殺さずにすんだのか?そんな衝撃的なやりとりがある。確かに2人とも家族環境が似ていて幼いころから本に逃げ道を作っていた向井さんとそうでない大矢さんを対比すればその問いの答えは是だろう。ただその時のタイミングや心持ちで必ずしも本の大切さに気づけるとは限らない。本に救われるかどうかは運に近いかもしれない。
一方で本は自分を省みるきっかけとなり内面的な成長を促すことは間違いない。それは大矢 -
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
読めて良かった本。
『プリズン・ブック・クラブ』というカナダの刑務所で行われる読書会の本を読んだ、大矢さんという受刑者が、訳者である向井さんに手紙を送るところから、このやり取りは始まる。
大矢さんのいる刑務所で読書会を開くことは(その時は)前例がなく、向井さんは、自身が主催している読書会の課題本や、自身が選んだ本を、大矢さんに送るようになる。
そうして、大矢さんからは感想を書いたノートや、自身と向き合う内容が書かれた手紙が送られ、二人の交流が深まっていく様子が描かれている。
私にとっても、二人が会話している本の幾つもが、既読したもので嬉しかった。
そうした本のチョイスに、読書そのものを -
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
ある日、翻訳家の元に届いた手紙には桜の印が捺されていた。
生まれついての悪人はいない。人が罪を犯すのは、そうならざるを得ない環境下にいたからに過ぎないのだということ言葉を思い起こした。
刑務所内で読んだ「読書会という幸福」に感銘を受けた受刑者、大矢さんの手紙を著書である翻訳家が受け取ったことから物語は始まる。
刑務所の塀の中で20年の月日を過ごすうちに読書の喜びに出会い、自身の犯した取り返しのつかない過ちに深く向き合うようになったのだという大矢さんの文章にとにかく心を奪われる。
どうしてこんなにも思慮深く聡明な人が人を殺めてしまったのだろう? この人はこれまでにどんな人生を歩んできたのだろう -
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
受刑者との文通を通した読書会。
本を送って感想を書き合ったりして、筆者との交流が続いていく。
本書の中で言及される本の多くが既読だった。『アウシュヴィッツの歯科医』の翻訳を筆者は担当してたんだなあ。
私のライフワークとまではいかないが、司法と犯罪、宗教や償い、人の育ちや在り方について、それらの関係性をたぶん一般的な人よりはかなり興味を深く持っている私にとって、殊更に意義深い読書だった気がする。
その人の生育歴が人格形成に及ぼす影響、それによって変わりうる人生、人とのつながり、得られる経験や知識の違いなど、様々な要素が本書の中に取り込まれていた。たぶん私が今、就いている仕事もそうだし、そもそ -
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
ネタバレ2人の表現力、言語化力に飲まれてしまう。そして読書会がしたくなる。そんな本だった。
今もふたりの読書会は続いているとのことで、それはなんだかうれしい。
面会できなかったというのは残念だったが、今後刑務所での読書会がもっと広がり、そこで会えればいいな、と少し希望を抱いている。
前作、『読書会という幸福』は読んだことがなく、後からこの本がその本の後日譚ということを知った。
なんとなく気になって読んでいたのだが、
『・・・・・・「わたしがこれまで人を殺さずにいられたのは、本があったから、そして読書会があったからだと言ってもよいかもしれない」という言葉に私は、その場にたたずみ声が出ませんでした。 -
- カート
-
試し読み
-
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
ネタバレ【女性哲学者20名の経験と功績】
考えてみると有名な哲学者のほとんどが男性だ、というところから、編集者の2人の女性が、重要な思想的功績を残す20人の女性哲学者を紹介。それぞれ、また20名の女性筆者によって書かれている。翻訳者も女性。
・・・
遡ること紀元前、プラトンの時代から、今日にも生きる現代の哲学者まで、ほぼほぼ欧米人(他は、中国、カシミール(?)ナイジェリア、レバノン系アメリカ人)、なのだけれど、いろんな時代と場所を少し旅した気分になった。ランダムに出てきたように感じるアジア系哲学者については、私もまったく知らないのだけれど、アジア人としては、このアジアバージョンができたら面白いなー -
Posted by ブクログ
本書のレビューを書く前に、とても情けない身の上話をさせていただく。
私は2年前に社内読書会を立ち上げて、月に3回のペースでスケジュールを組んでいるが、参加者が集まらない。そしてメンバーが定着しない。ドタキャンする人もいる。いつも最低4人集めるようにしているが、予定通り開催できるのは2回に1回程度。いろいろな人に声をかけて、宣伝メールも送るのだが、無視されることも多い。自分よりずっと下の後輩社員にすら、無視される。職場の中で、わざと私に聞こえるように「読書会?そんなもの出て意味あるの?飲みに行かない?」「読書会って、意識高い系を狙ったねずみ講なんでしょ?」と大声で話す輩もいる。
もともと神経は -
Posted by ブクログ
コロナ禍の中で友人とzoomで一つの本を一緒に読む、という体験から読書会に興味を持ち、晶文社「読書会の教室」を読んで、ますます、もっとやってみたいモードが高まっているタイミングでの岩波新書。題名も「読書会の幸福」ってホンワカムード。でも中身は超ハード。のっけから子供時代が両親の不仲で地獄だった話。文体も柔らかくて、しかも読書会の体験記や読書会の運営のノウハウや、読む前にこちらが期待していた構成もちゃんと盛り込まれているのですが、そういう気軽さを覆いつくす、本と人生の熱い物語。著者の人生。なにせ「もしかしたら、わたしがこれまで人を殺さずにいられたのは、本があったから、そして読書会があったからだと
-
-
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
友人にきっと気にいると思うと勧められて手に取った1冊。普段なら可愛らしい雰囲気の装丁の本は捻くれ者の私には合わないかもと気遅れして手が伸びないので、勧めてもらって良かった。殺人を犯し終身刑の受刑者である大矢章市さんと翻訳家の著者との間の読書と本をめぐる往復書簡だった。
読んでいて、数年前のある出来事を思い出した。
暮れも押し迫った12月のある日、駅で数人の友人と待ち合わせをしていた時のこと。指名手配犯の顔写真が何枚も載ったポスターが貼ってあり、そのうちの1人がある有名歌手に似ていると少し笑いながら見ていた。軽口が終わって、一瞬の間があき、全員がそのポスターを見ていると、友人の1人が「行こ!感 -
- カート
-
試し読み