向井和美のレビュー一覧
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新聞の書評を読んで興味がわき手に取った新書です。
冒頭、「わたしの両親は、けんかばかりしている夫婦だった…..」から始まり「わたしがこれまで人を殺さずにいられたのは…..」という文章を読んで、この本はどんな展開になるのだろうと少し心配になってしまいました。
でも、読み進めると好感を持てるようになりました。著者の30年に及ぶ読書会での活動や、本をとおして人とつながる熱い想いが、丁寧に語られています。また、翻訳家である著者が翻訳家視点での読書を語る部分は、今まで気づかなかったことを教えもらい、新鮮な気持ちで読みました。
本書は古典文学を中心に、200冊近くの本を取り上げています。読んだことが -
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2022.9月末、JWAVEの早朝番組の最終回で紹介され、すぐ予約した本。
読書会に参加したいと思いながら、なかなかできないので、何か良い知恵がもらえたら…と読み始めました。
司書、翻訳家。私にはまぶしい肩書の著者が、30年参加している読書会に誘われたきっかけ、そこで読まれた作品リスト、著者の半生を時々のぞかせながら、読書会を成功させるヒントなどもコラム的に紹介。とても有益でした。
「本好きの生徒は往々にして内向的」
「(著者の師匠と著者が)ふたりとも内向的で話下手」
自分もやっぱり内向的と再認識…
読書会はある意味社交界…だから成功させるヒントも必要なのでしょう。
自分自身はパートナ -
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20名の女性哲学者を紹介した本書は、まずこうして出版できたことに大きな価値があると思います。
なぜなら、そうすることで、ここに書かれているような、男性しか哲学者がいなかったかのような思い込みを無くし、たとえ少数派の中であっても、栄誉ある社会貢献をされた女性哲学者たちがいたことを、知ることができたからです。
イギリスで大学教育が女性に許可されるようになったのは、19世紀もだいぶ遅くなってからのことで、要するに、どれだけ才能や知性があろうとも、大学で学ぶことを許されなかったということです。
その影響もあり、もし女性が書いたと知られたら、哲学的小説とは認めてもらえまいと思った、「ジョージ・エリ -
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‘「わたしにとって、見知らぬ人に話しかけるのはちょっとした冒険だ。それは、楽しみであり、反抗であり、解放でもある。つまり、わたしの生き方なのだ」’
著者のキオ・スタークは他者との出会いを日々研究している物書きの方。
ニューヨークのブルックリンで暮らし、毎日見知らぬ人に声を掛けつづけている。
...もしかしたら日本でやっていたら変人かもしれない。いや、こうして本になるということはアメリカでもそうなんだろう。‘不寛容の時代’と言われて久しいし、『知らない人』を排除する動きもある。日本でも『知らない人』が『知らない人』を傷つけたり、命を奪ったりする犯罪も多い。「誰でも良かった」なんて、まるでテン -
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(西欧)フェミニズムも200年の歴史がある。
その間にフェミニズムは、「フェミニズムズ」となった。
あるフェミニストのある主張が、他の立場のフェミニストには受け入れがたいものになる。
現代のフェミニズムが「インターセクショナリティ」(交差性)を無視できなくなっているからだ。
そうして、そのフェミニスト同士の軋みが、反フェミニズムの動きを利することになってしまったりする。
それから、フェミニズムはファッションアイテムのように、消費されるアイコンになってしまったりもしている。
本書は、こうした複雑な現代フェミニズムの状況を、「支配」「権利」「仕事」「女らしさ」「セックス」「文化」の各局面から見 -
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