向井和美のレビュー一覧

  • ふたりの読書会 無期受刑者との本をめぐる往復書簡

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    今年読んだ本の中で今のところベストな1冊だ。

    向井さんの本を読んだ無期受刑者からの手紙がきっかけで手紙のやりとりを通じたふたりだけの読書会が始まる。この本はその往復書簡だ。

    もっとはやくに本に出会っていれば人を殺さずにすんだのか?そんな衝撃的なやりとりがある。確かに2人とも家族環境が似ていて幼いころから本に逃げ道を作っていた向井さんとそうでない大矢さんを対比すればその問いの答えは是だろう。ただその時のタイミングや心持ちで必ずしも本の大切さに気づけるとは限らない。本に救われるかどうかは運に近いかもしれない。

    一方で本は自分を省みるきっかけとなり内面的な成長を促すことは間違いない。それは大矢

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    2026年08月22日
  • ふたりの読書会 無期受刑者との本をめぐる往復書簡

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    読めて良かった本。

    『プリズン・ブック・クラブ』というカナダの刑務所で行われる読書会の本を読んだ、大矢さんという受刑者が、訳者である向井さんに手紙を送るところから、このやり取りは始まる。

    大矢さんのいる刑務所で読書会を開くことは(その時は)前例がなく、向井さんは、自身が主催している読書会の課題本や、自身が選んだ本を、大矢さんに送るようになる。

    そうして、大矢さんからは感想を書いたノートや、自身と向き合う内容が書かれた手紙が送られ、二人の交流が深まっていく様子が描かれている。

    私にとっても、二人が会話している本の幾つもが、既読したもので嬉しかった。
    そうした本のチョイスに、読書そのものを

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    2026年08月17日
  • ふたりの読書会 無期受刑者との本をめぐる往復書簡

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    ある日、翻訳家の元に届いた手紙には桜の印が捺されていた。

    生まれついての悪人はいない。人が罪を犯すのは、そうならざるを得ない環境下にいたからに過ぎないのだということ言葉を思い起こした。
    刑務所内で読んだ「読書会という幸福」に感銘を受けた受刑者、大矢さんの手紙を著書である翻訳家が受け取ったことから物語は始まる。
    刑務所の塀の中で20年の月日を過ごすうちに読書の喜びに出会い、自身の犯した取り返しのつかない過ちに深く向き合うようになったのだという大矢さんの文章にとにかく心を奪われる。
    どうしてこんなにも思慮深く聡明な人が人を殺めてしまったのだろう? この人はこれまでにどんな人生を歩んできたのだろう

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    2026年08月16日
  • ふたりの読書会 無期受刑者との本をめぐる往復書簡

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    受刑者との文通を通した読書会。
    本を送って感想を書き合ったりして、筆者との交流が続いていく。
    本書の中で言及される本の多くが既読だった。『アウシュヴィッツの歯科医』の翻訳を筆者は担当してたんだなあ。

    私のライフワークとまではいかないが、司法と犯罪、宗教や償い、人の育ちや在り方について、それらの関係性をたぶん一般的な人よりはかなり興味を深く持っている私にとって、殊更に意義深い読書だった気がする。

    その人の生育歴が人格形成に及ぼす影響、それによって変わりうる人生、人とのつながり、得られる経験や知識の違いなど、様々な要素が本書の中に取り込まれていた。たぶん私が今、就いている仕事もそうだし、そもそ

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    2026年08月15日
  • ふたりの読書会 無期受刑者との本をめぐる往復書簡

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    ネタバレ

    2人の表現力、言語化力に飲まれてしまう。そして読書会がしたくなる。そんな本だった。

    今もふたりの読書会は続いているとのことで、それはなんだかうれしい。
    面会できなかったというのは残念だったが、今後刑務所での読書会がもっと広がり、そこで会えればいいな、と少し希望を抱いている。

    前作、『読書会という幸福』は読んだことがなく、後からこの本がその本の後日譚ということを知った。

    なんとなく気になって読んでいたのだが、
    『・・・・・・「わたしがこれまで人を殺さずにいられたのは、本があったから、そして読書会があったからだと言ってもよいかもしれない」という言葉に私は、その場にたたずみ声が出ませんでした。

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    2026年08月09日
  • ふたりの読書会 無期受刑者との本をめぐる往復書簡

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    良書。
    向井さんと大矢さんの繋がりを見守りたい。
    大矢さんの書く文がすごく良くて,,,

    間接的な読書会が開かれていて、そこで大矢さんの感想を読み上げるO氏や、その回に参加されてい方の懐の大きさに読書は心を豊かにする事を感じずにはいられない。

    私が職場に本を忘れてしまい、急遽本屋さんへ行って見つけた本。
    買って良かった。読んでよかった。

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    2026年07月23日
  • ふたりの読書会 無期受刑者との本をめぐる往復書簡

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    この本を探して、本屋に行ったわけでもなく
    ふらっと立ち寄った地元の個人書店で気になって購入。
    興味深い内容で面白かった!!
    向井さんの他の著書も読みたい。

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    2026年06月30日
  • 読書会という幸福

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    自分自身も素晴らしい読書会の場と出会えて、本を味わう幸福感にとても共感した。

    翻訳家ならではの視点も面白かった。

    自分自身、アメリカ文学を専攻していた大学時代、今のような気持ちで本を読めておらず、読書には人生経験が必要というのも納得できた。

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    2025年09月12日
  • はじめてのフェミニズム

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    ネタバレ

    翻訳ではあるが、フェミニズムに付いて歴史から現状から議論になっていることまで、複雑な様相をうまく整理していて書いている。支配、権利、仕事、女らしさ、セックス、文化といくつかの部分に分けて説明しているのでわかりやすい。フェミニズムやジェンダーについて卒論を書く場合には大いに役立つであろう。

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    2025年08月26日
  • 読書会という幸福

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    プリズン・ブック・クラブの翻訳もされている、向井和美さんのエッセイ。読書会に三十年以上参加されていて、読書会の魅力を語っている。うんうん、分かる分かる!という内容で、やっぱり読書会って良いなあと思える。「読書会を成功させるヒント」も参考になる。

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    2024年05月06日
  • 哲学の女王たち

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    ネタバレ

    【女性哲学者20名の経験と功績】
    考えてみると有名な哲学者のほとんどが男性だ、というところから、編集者の2人の女性が、重要な思想的功績を残す20人の女性哲学者を紹介。それぞれ、また20名の女性筆者によって書かれている。翻訳者も女性。

    ・・・

    遡ること紀元前、プラトンの時代から、今日にも生きる現代の哲学者まで、ほぼほぼ欧米人(他は、中国、カシミール(?)ナイジェリア、レバノン系アメリカ人)、なのだけれど、いろんな時代と場所を少し旅した気分になった。ランダムに出てきたように感じるアジア系哲学者については、私もまったく知らないのだけれど、アジア人としては、このアジアバージョンができたら面白いなー

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    2024年04月19日
  • 読書会という幸福

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    本書のレビューを書く前に、とても情けない身の上話をさせていただく。
    私は2年前に社内読書会を立ち上げて、月に3回のペースでスケジュールを組んでいるが、参加者が集まらない。そしてメンバーが定着しない。ドタキャンする人もいる。いつも最低4人集めるようにしているが、予定通り開催できるのは2回に1回程度。いろいろな人に声をかけて、宣伝メールも送るのだが、無視されることも多い。自分よりずっと下の後輩社員にすら、無視される。職場の中で、わざと私に聞こえるように「読書会?そんなもの出て意味あるの?飲みに行かない?」「読書会って、意識高い系を狙ったねずみ講なんでしょ?」と大声で話す輩もいる。

    もともと神経は

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    2023年08月26日
  • 読書会という幸福

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    この本を読んだら、読書会を体験してみたくなっちゃいますよね〜。

    他の仲間と読むことで、自分1人では気づかなかった視点を得られたり、自分の中で必ずしも十分に形成されていない思いが、他の仲間の話を聞くうちに化学反応が起きて具体的に表現出来るようになるという体験について、著者が自らの経験を通して語ってくれる静かで熱い内容。

    早速、会社近くの本屋さん主催の読書会に登録して先日第一回目がありました。ドキドキでしたが、1つの共通した課題本が皆の拠り処。



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    2023年07月17日
  • 読書会という幸福

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    翻訳家、司書。参加した読書会で読んだ本は35年で180作品。読書会を通じて触れる古典文学そして読書そのものの魅力。

    読者という極めて個人的な行為が読書会という集団行動を通じて変化する。何とも面白いことだ。取っ付き難い古典文学も毎月の課題として数年かけてみんなで読んでいく、しかも自分では気づかなかった解釈や魅力も堪能できる。

    巻末に実際に読書会で題材とした作品のリスト付き。これだけの作品に触れた人が羨ましい。

    読書会を探して参加してみたくなる間違いなしです。

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    2022年11月28日
  • 読書会という幸福

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    コロナ禍の中で友人とzoomで一つの本を一緒に読む、という体験から読書会に興味を持ち、晶文社「読書会の教室」を読んで、ますます、もっとやってみたいモードが高まっているタイミングでの岩波新書。題名も「読書会の幸福」ってホンワカムード。でも中身は超ハード。のっけから子供時代が両親の不仲で地獄だった話。文体も柔らかくて、しかも読書会の体験記や読書会の運営のノウハウや、読む前にこちらが期待していた構成もちゃんと盛り込まれているのですが、そういう気軽さを覆いつくす、本と人生の熱い物語。著者の人生。なにせ「もしかしたら、わたしがこれまで人を殺さずにいられたのは、本があったから、そして読書会があったからだと

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    2022年12月19日
  • 知らない人に出会う (TEDブックス)

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    見知らぬ人と話すことはその人の人生に少しだけお邪魔すること。まさに読みたかった内容の本だった。

    私はよく、ふらふらと当てもなく町を歩いたり海をお散歩したりする。知らない人と話すことが大好きだから。
    名前も知らないその人の暮らしや仕事、好きなこと、今日あったことを聞く時間が特別でその数分、時には数時間が幸せでわくわくして、ずっと忘れられないあたたかい思い出になる。
    同じことを考えている人がいてなんだか嬉しかった。

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    2020年10月15日
  • 知らない人に出会う (TEDブックス)

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    "断片的なものの社会学" をよんだ後に、気になってこの本を手に取った。既に私が考えてることを研究してる人がいたか!という感じだった。
    束の間の親密さ=ここにいるわたし、ここにいるあなた、をただ認識し合うことで感じる緩く柔らかく暖かな社会とのつながり。何かを成し遂げずとも、何かを買わずとも、少し自分の中の異なるもの知らないものへの恐怖心からくる壁を取り除いて社会に自分を開くことで、ただ生きているだけで幸せが感じやすくなるんじゃないか。そんな気がする。自分なりの小実験を実生活の中でしていこう。

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    2019年05月01日
  • 哲学の女王たち

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    紹介されている人物がどのような立場をとっているのかが、哲学に詳しくない人にも分かりやすく整理されていて、とても読みやすかった。それぞれの思想の違いも丁寧にまとめられており、哲学を身近に感じながら楽しく学べる一冊だった。

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    2026年08月28日
  • ふたりの読書会 無期受刑者との本をめぐる往復書簡

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    友人にきっと気にいると思うと勧められて手に取った1冊。普段なら可愛らしい雰囲気の装丁の本は捻くれ者の私には合わないかもと気遅れして手が伸びないので、勧めてもらって良かった。殺人を犯し終身刑の受刑者である大矢章市さんと翻訳家の著者との間の読書と本をめぐる往復書簡だった。

    読んでいて、数年前のある出来事を思い出した。
    暮れも押し迫った12月のある日、駅で数人の友人と待ち合わせをしていた時のこと。指名手配犯の顔写真が何枚も載ったポスターが貼ってあり、そのうちの1人がある有名歌手に似ていると少し笑いながら見ていた。軽口が終わって、一瞬の間があき、全員がそのポスターを見ていると、友人の1人が「行こ!感

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    2026年08月14日
  • ふたりの読書会 無期受刑者との本をめぐる往復書簡

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    お二人の手紙を読んでいるだけで優しい気持ちになれた。

    本について話す二人は無期受刑者と翻訳家という属性など無いかのような文面でありながら、その属性があるからこそお互いを敬慕しているとも感じられた。稀有な関係性と思いきや、その仲立ちをしているのは誰もが手に取れる「本」という点が、読書好きの心に刺さるのではないか。

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    2026年08月01日