あらすじ
女性にはどんな権利が必要? 「女の仕事」はどう生まれた? 多様で複雑なフェミニズムの論点を、多様で複雑なまま、でもわかりやすく伝えます。
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Posted by ブクログ
翻訳ではあるが、フェミニズムに付いて歴史から現状から議論になっていることまで、複雑な様相をうまく整理していて書いている。支配、権利、仕事、女らしさ、セックス、文化といくつかの部分に分けて説明しているのでわかりやすい。フェミニズムやジェンダーについて卒論を書く場合には大いに役立つであろう。
Posted by ブクログ
帯にある通り『多様な』フェミニズムの在り方。対立や矛盾をそのまま理解する入門書。
論点を7つに分けて話が進む。
支配・権利・仕事・女らしさ・セックス・文化。そして最終章の断層線と未来。
「一冊の中によくこれだけ押し込んだなぁ」と感心する程に真っ向から対立する意見が当たり前のように書いてある。引用も多過ぎるほどに多い。
今のフェミニズムを理解するのは本当に難しい。この一冊を読み終えてもどれだけ中身が分かったか。理解出来ぬまま読み飛ばした箇所もかなりある。
しかし全てを理解することは出来なくとも興味がある論点は幾つか見出せた。
今回は「権利」「女らしさ」の多くの部分と「文化」に関する部分。
焦点の定まらないフェミニズムに見えるが、著者の書く、この本の締めくくりの言葉『それでも、「女性は人であるという根源的な考え方」が消え去ることはないのです。』に結局は行き着くのだろう。
Posted by ブクログ
いやあ面白い。フェミニズムとは何かを英米の歴史を元に解説する。
フェミニズムは一枚岩ではなく多面的構造をしている。切り口により目指すものも意図することも変わる。オシャレひとつにしろ、それは束縛なのか自由なのか意見は分かれる。
平等であるためには全員を同じ扱いにすればいいのか。同じでないから生まれる平等性もある。
何よりも女性が性の自律的な主体であり、決して誰かの快楽や利益のために利用される対象ではないのが大切。
そこにセクシャルマイノリティ、社会的地位、貧困、人種問題なども絡まし展開する論法に感銘を受ける。
Posted by ブクログ
(西欧)フェミニズムも200年の歴史がある。
その間にフェミニズムは、「フェミニズムズ」となった。
あるフェミニストのある主張が、他の立場のフェミニストには受け入れがたいものになる。
現代のフェミニズムが「インターセクショナリティ」(交差性)を無視できなくなっているからだ。
そうして、そのフェミニスト同士の軋みが、反フェミニズムの動きを利することになってしまったりする。
それから、フェミニズムはファッションアイテムのように、消費されるアイコンになってしまったりもしている。
本書は、こうした複雑な現代フェミニズムの状況を、「支配」「権利」「仕事」「女らしさ」「セックス」「文化」の各局面から見ていく。
例えば、代理母の問題。
女性が自分の身体を自由に使う権利はある、という主張がある一方で、グローバリズムの中の経済格差の中でそうした選択を選んだ(選ばざるを得なかった)女性の身体が、第三者に管理されていく状況を認めていいのかという視点も無視できない。
本当に、一筋縄にいかない問題だらけ。
その意味で、「はじめての」と銘打たれている割には、かなり歯ごたえがある気がする。
複雑な議論に、読者としては引きずり回される気分にさえなってくるが、見失っていけない土台は一つ。
女性は男性と同じく尊厳のある人間であること。
言い換えれば、女性が女性であることを理由に暴力にさらされることを容認してはいけないということ、だと読みとったが、どうなんだろうか。
Posted by ブクログ
はじめての、と銘打っているわりにはわかりにくい。フェミニズムが相反する主張をしており、それぞれの言い分を取り上げるせいで、結局何がしたいのか話について行きづらい。例えば、化粧。男性優位社会に迎合するもので反対すべしという意見と、自分の好きな選択なのだから奨励すべしという意見があり、それぞれに理由があるように思う。
色々な切り口からフェミニズムの議論が紹介されるけど、いまひとつ消化しにくい。