あらすじ
「こんな私でも参加させていただけるような読書会というものはないでしょうか」.きっかけは,翻訳家の元に届いた一通の手紙.便箋の片隅には,検閲済みであることを示す小さな桜の印.端正な文字でびっしりと綴られた深い悔恨の思いと切実な願いから始まった稀有な‘魂の交流’の記録.『読書会という幸福』の思いがけない後日譚.
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Posted by ブクログ
本書は副題にもあるように無期受刑者である50代前半の男性 大矢さん(仮名)と翻訳家の向井和美さんとの本をめぐる往復書簡である。
大矢さんは27歳の時 罪を犯し20年以上服役している。
はじまりは編集者経由で向井さんの元に届いた刑務所からの手紙だった─。
私は“読書会”というものに参加したことがないのでよくわからないけれど、本書を読んでいるとだんだん大矢さんと向井さんの濃密な会話を傍らで聞いているような感覚になっていった。
刑務所という様々な制約があるなかで 大矢さんは全身全霊で本を読み 感想を書いている。溢れ出る思いが止まらない。といった感じだった。
「本というものは善人にも極悪人にも、著者のそして編集者の方々のその本への想いや熱量はまったく同じ量で届きます。僕のところにも、この塀の外にいる方々にたいしてと、まったく同じ顔をして届いてくれます。そのことが僕はとても嬉しいのです。だからこそ、本を裏切ってはいけない、そんな気持ちになります。そしてその本を大切に読み、文章の中から何かを見出だそうとしています。」
大矢さんのこの文章はとても印象的だった。
本がもつ可能性は無限大だ。時には師となり、時には逃げ場になり、時には人と人とをつなぐ媒体になり、なにより一生の友になる。(ちょっと大袈裟か(^^;)
大矢さんや向井さんには遠く及ばなくともとりあえず 本を読むことに幸せを感じることができる自分でよかったと思う。
『プリズン・ブック・クラブ』
海外ものは苦手意識が先にたってしまうけれど読んでみようかな…。